COLUMN
アクアバッグのサイズと水量の選び方|S・M・Lの違いと使用例
アクアバッグは最大重量だけでなく、本体の大きさ・持ち方・水の動きから選ぶことが大切です。S・M・Lの違いと水量の考え方を、スタッフの使用例やエクササイズ動画とあわせてご紹介します。
アクアバッグのサイズと水量の選び方|S・M・Lの違いと使用例
ミニバンドとスーパーバンドの違いと使い分け
ミニバンドとスーパーバンドは、どちらも張力を使って負荷をかけるトレーニング用バンドです。使い分ける際は、負荷をかけたい部位や動作、ラックなどへの固定が必要かどうかが判断の手掛かりになります。 短いミニバンドは両手や両脚などに直接かけて使い、長いスーパーバンドは全身を使う動作や、ラックへの固定・バンド同士の連結を活かした使い方ができます。 この記事では、根城祐介さんの解説動画をもとに、PERFORM BETTERのミニバンドとスーパーバンドの特徴・利点を整理します。施設で必要な本数や強度の揃え方は、PERFORM BETTER JAPANの「ジム開業・トレーニングスペース導入 完全ガイド」をもとに紹介します。 動画解説:根城 祐介/構成・編集:PERFORM BETTER JAPAN 1.ミニバンドとスーパーバンドの違い 根城さんは、2種類のバンドの違いを「耐久性」「長さ」「負荷をかける方向(ベクトル)」の3点で解説しています。 比較するポイント ミニバンド スーパーバンド 厚みと耐久性 薄い形状 厚みがあり、ミニバンドと比べて耐久性に優れる 長さと使い方 短い輪状。両手や両脚などに直接かけ、局所的に負荷をかける 長い輪状。全身を使う動作に負荷をかける使い方ができる 負荷をかける方向 バンドの向きに沿って負荷がかかる。短い形状のため、方向には制約がある 全身運動の方向に対して負荷をかけられる。固定位置によって張力の方向を変えられる 両手や両脚に直接かけて負荷を与えたい場合はミニバンド、ラックに固定して負荷の方向を設定したい場合はスーパーバンドが選択肢になります。長さや形状を、行いたいトレーニングと結びつけて考えましょう。 2.バンドの負荷と強度の考え方 ミニバンドとスーパーバンドに共通する負荷の仕組みが、張力です。見た目や長さは異なりますが、どちらも張力を利用して負荷をかけます。 スーパーバンドは輪状の形を活かし、一重・二重で負荷を設定できます。ミニバンドも同じ輪状ですが、輪が短いため、基本的には二重の状態で負荷がかかります。 強度を確認するときは、スーパーバンドでは色と太さ、ミニバンドでは色を確認します。使用する人とトレーニング内容に合わせて、適切な強度を選ぶことが基本です。...
ミニバンドとスーパーバンドの違いと使い分け
PODCAST#008|人気施設を支えるトレーナーの思考と実践 ゲスト:内野健太さん
柱を持つことが、迷子にならない唯一の方法。内野健太さんが語る「学びを現場で生かすための構造」 この記事のもとになったポッドキャストはこちらからお聴きいただけます:エピソードを聴く パフォームベタージャパンが普段お付き合いしているトレーナーや関係者をお招きして、施設のこと、専門知識、セミナー活動まで幅広くお話を伺うポッドキャスト。 今回はBest Performance Laboratory(BPL)テクニカルディレクターの内野健太さんをゲストにお招きしました。 「いろんなセミナーに行って学んできたのに、結局何をすればいいかわからない」——この悩みは、熱心に学ぶトレーナーほど一度はぶつかる壁です。パフォームベタージャパンがこのエピソードをお届けするのは、内野さんの言葉にその問いへの具体的な答えがあると感じたからです。知識をどこに置くか、どう整理するか、そしてチームにどう届けるか。創業から13年、BPLの現場と組織を支えてきた内野さんの思考には、現場で生きる構造がありました。 内野健太さんについて 内野さんはBest Performance Laboratoryの創業メンバーのひとりで、現在はテクニカルディレクターとしてトレーニングの質と方向性を担っています。専門学校卒業後にフィットネスクラブへ入社し、そこで代表の桂良太郎さんと出会ったのがキャリアの出発点です。桂さんがフィットネスクラブ時代にヘッドトレーナーを務めていたこと、その後独立してセミナーを開き始めたことで接点が深まり、施設オープン時に参画を決意しました。以来20年、桂さんとともにBPLを築いてきた中核メンバーです。ご自身もコンテストに出場し、2019年に優勝を果たすなど、指導者としてだけでなく実践者としても高いレベルで活動を続けています。 「調べる、聞く、そのままやる」——学びの土台 内野さんが若い頃から大切にしていた学びのスタンスは、シンプルなものでした。気になることは後回しにせず、その場で調べる。教わったことはまず自分の解釈を加えずにそのままやってみる。そこから出てきた新しい疑問をさらに調べていく。この繰り返しを徹底してきたと話します。 特に創業当初は桂さんのセッションを間近で見続けることが学びそのものでした。深夜に質問をぶつければ、求めている以上の答えが返ってくる環境で、「困らなかったかもしれない」と内野さんは笑いながら振り返ります。施設の中に常に手本となる存在がいたことで、知識と実践が循環する環境が自然にできていたといえます。 「柱を持つ」ことが、知識を迷子にしない 内野さんがセミナーや受講生からよく受ける相談があります。「いろいろ学んできたのに、結局何をすればいいかわからない」というものです。 この問いへの答えとして内野さんが語るのが、「柱を持つ」ことの重要性です。BPLではBPLパフォーマンストレーニングシステムというユニットの柱があり、リセット、ブリージング、モビリティ、モーターコントロールといった全11ユニットで構成されています。どこかで学んだ知識や技術は、すべてこの柱のどこかに紐付けることができます。 新しく学んだことが「単体で終わらずに引き出しの中に収納されていく」と内野さんは表現します。そうすることで、クライアントに必要なものをその引き出しから取り出してプログラムを組める。メソッドを「誰かに使おう」ではなく、柱の中から必要なものを引き出す。この発想の違いが、迷いのない指導につながると言います。 セミナーで新しいことを学んだ翌日に、よく知らないクライアントにもそのエクササイズをやりたがる——そういう傾向はどの施設でも起きやすいあるあるだと内野さんは言います。それを防ぐのが、学びを収納する先の柱があるかどうかだという考え方です。 流行を追うのではなく、抽象化して統合する 業界内ではトレーニングの流行が移り変わります。内野さんはドローインが全盛だった時代から呼吸・ブレーシングへの移行を実際に経験してきました。そういった変化の中で大切にしてきたのが、「まず触れてみて、抽象化する」というプロセスです。 具体的なメソッドを学んで、それをそのまま受け取るのではなく、「これは結局どういうことを言っているのか」と抽象化してみると、一見違う流派のアプローチでも「結局同じことを言っている」という共通項が見えてくることが多いと内野さんは言います。 この考え方はパフォームベタージャパンのサミット初期に桂さんが語った言葉と重なります。「違いを見つけるのではなく、まず共通項を見出すと話が整理できる」——BPLが長年大切にしてきた視点が、施設のカルチャーとして根付いていることがこの話からも伝わりました。 週次症例検討会——チームで目線を合わせる仕組み テクニカルディレクターとして内野さんが取り組んでいることのひとつが、週に一回、トレーナーチーム全員で行う症例検討会です。 その週に起きた難しいケース、クライアントからの質問に対する回答で迷った場面、もっといいアプローチがあるのではないかという疑問——こういった内容をスタッフそれぞれが持ち寄り、全員で共有・ディスカッションします。座学でのやり取りで終わる週もあれば、実技ベースで確認する週もある。起きた問題や疑問に応じて内容が変わるのが特徴です。 「チームの目線を合わせる時間」と内野さんは表現します。若いスタッフが悩んでいれば先輩の経験を聞ける場であり、内野さん自身が現場で感じたことをチームに共有する場でもある。個人の気づきを組織の知識にする仕組みとして機能しています。 学びを組織に落とし込む方法 外部のセミナーで学んだ知識をチームに届ける方法についても、具体的な取り組みを教えてくれました。 まず、受講するときは「一言一句逃さず、完コピできるぐらいのつもりで」聞いてくるというスタンスを持ちます。次に、座学用のプレゼン動画を作成し、チームが事前学習できる環境をつくります。その上で現地での実技共有を行い、最終的にそれをどう施設の仕組みに落とし込むかを別途ミーティングで議論します。...
スクワットラックに必要なスペースは?ジム開業・レイアウトで確認したいポイント
スクワットラックの導入では、本体寸法だけでなく、実際にトレーニングで使うスペースの確認が大切です。プレート交換やベンチの出し入れ、プルアップ時の天井高、床への固定条件など、ジム開業・レイアウトで押さえておきたいポイントをご紹介します。
スクワットラックに必要なスペースは?ジム開業・レイアウトで確認したいポイント
アクアバッグ・アクアボールの特徴と選び方|高耐久設計とエクササイズ動画を紹介
水の動きを活用するアクアバッグ・アクアボール。ハンドル接続部の補強や表面素材、握りやすさなど、PERFORM BETTER製品の特徴を解説します。各サイズの大きさ・最大重量とエクササイズ動画を、器具選びの参考にご紹介します。
アクアバッグ・アクアボールの特徴と選び方|高耐久設計とエクササイズ動画を紹介
回旋のキレを⾼める呼吸×重⼼コントロール(根城 祐介先生)|ウェビナーレポート
今回は、先日開催した根城 祐介さんによる無料ウェビナー「回旋のキレを⾼める“呼吸×重⼼コントロール”〜呼吸から紐解くパフォーマンスの安定化」の内容の一部をご紹介します。 本ウェビナーは、10月に開催する「PERFORM BETTER JAPAN SUMMIT 2026」のプレウェビナーとして開催しました。 今回のウェビナーでは、その内容を理解するための基礎として、回旋動作と呼吸、姿勢制御、重心コントロールの関係についてお話しいただきました。 ■テーマ:回旋のキレを⾼める“呼吸×重⼼コントロール”〜呼吸から紐解くパフォーマンスの安定化 ■開催日:2026年8月12日 ■講師:根城 祐介 (Active-Aid Program代表 / パーソナルジムAID広尾 代表 回旋のキレ=回旋可動域なのか? 野球やゴルフ、テニスなどの回旋系スポーツでは、身体を回すだけでなく、自分自身の姿勢や重心をコントロールする「身体操作」に加え、バットやクラブなどの道具、ボールや相手、さらには環境への適応も求められます。 そのため、胸椎や股関節の可動域が大きいことだけで、回旋のキレが決まるわけではありません。まず自分の身体がどこにあり、どのように動いているのかを感じながら身体を操作できることが重要であり、そのうえで道具の操作や環境への適応が成り立ちます。そして、こうした身体操作に影響を与えるものの一つが「呼吸」です。 「呼吸は内的な外乱である」 「呼吸は内的な外乱である」という考え方は重要なポイントです。 運動中も人は呼吸を続けています。呼吸によって横隔膜が動くと胸腔内圧が変化し、胸部や腹部が動くことで身体質量もわずかに移動します。つまり、立っているだけでも身体は完全に静止しているわけではなく、呼吸によって常にわずかな影響を受けながら姿勢をコントロールしています。 また、横隔膜は換気だけを担っているわけではありません。横隔膜が下がることで腹腔内圧が高まり、腹壁や骨盤底筋群、脊柱周囲の筋肉などとともに体幹部の制御にも関わっています。そのため、呼吸と姿勢制御はそれぞれ独立したものではなく、互いに関係しながら行われています。 安定することは「固めること」ではない もう一つ重要なのは「スタビリティとリジディティはイコールではない」という考え方です。リジディティは「硬い」「固める」という意味ですが、身体を固めることがそのまま安定につながるわけではありません。スポーツでは、必要なタイミングで身体を安定させながら必要な方向へ動き、そこから再び戻ることが求められます。 例えばテニスでは、一度ボールを打って終わりではなく、次のボールに対応するために戻り、再び同じようなクオリティで動かなければなりません。スタビリティは単に「動かないこと」ではなく、必要な条件に応じて身体を調整する能力です。 回旋には「重心の移動」が必要になる ウェビナー後半では、呼吸と重心コントロールの関係から、回旋動作について解説していただきました。 人は静止して立っているように見えても、視覚、前庭覚、体性感覚、呼吸などの影響を受けながら、常に微細に揺れています。そのため、重心コントロールとは「揺れないこと」ではなく、必要な方向へ重心を移動し、必要なタイミングで戻ることができる能力として考える必要があります。...
回旋のキレを⾼める呼吸×重⼼コントロール(根城 祐介先生)|ウェビナーレポート
感覚運動科学に基づいた関節中心化の再考(近藤 拓人先生)|ウェビナーレポート
今回は、先日開催した近藤 拓人先生による無料ウェビナーの内容の一部をご紹介します。近藤先生はパフォームベタージャパンサミット2026で2つのテーマで講義いただきますが、そのうち「感覚運動科学に基づいた関節中心化(Joint Centration)の再考」についてお話しいただきました。 関節中心化を単なる関節の位置として捉えるのではなく、感覚運動システムを通して、動作の中でどのように適切な状態を維持していくのか。今回のウェビナーでは、その考え方から実際の介入までが紹介されました。 ■テーマ:感覚運動科学に基づいた関節中心化(Joint Centration)の再考 ■開催日:2026年7月26日 ■講師:近藤 拓人 (AZCARE 代表/ NEXPORT代表) 関節中心化(Joint Centration)を再考する 関節中心化とは、単に構造学的に関節を中央に位置させることではありません。動作中には関節を構成する骨同士も動き続けます。その中で関節面の適合性を保ち、周囲の筋群が適切に働く状態を維持することが重要になります。 姿勢を修正したり、徒手的に関節を良い位置へ誘導したりするだけでなく、日常生活や競技のように環境や課題が変化する中でも、無意識にその状態を維持できることが求められます。 そのため、関節中心化を考える際には、関節の構造だけでなく、身体から得られる情報をもとに運動を調整する神経筋コントロールまで含めて考える必要があります。 関節中心化を支える感覚運動システム 動的な関節中心化には、運動前の予測と、実際に運動した際に得られる感覚情報が関係しています。人は運動経験を重ねることで、「このように動けば、このような感覚が返ってくる」という予測をつくり、実際に得られた感覚との誤差を修正しながら運動の精度を高めていきます。 一方、筋肉の過緊張や関節の可動不全、痛みなどがあると、身体から得られる情報に「ノイズ」が生じます。身体が危険な状態にあると判断すると、防御反応として過度な共収縮が起こり、関節を強く固めることで安定させようとします。 関節中心化を獲得するためには、局所的な筋や関節だけを見るのではなく、身体からどのような情報を受け取り、それをもとにどのように運動をコントロールしているのかという視点が必要になります。 体性感覚の再構築と「感覚の再重み付け」 感覚運動システムでは、体性感覚・視覚・前庭覚が重要になります。人間は状況に応じて、どの感覚情報を重視するかを無意識に変化させています。例えば、座っているときには坐骨周辺から得られる情報を重視し、立ち上がれば足底から得られる情報の重要度が高まります。このように状況に合わせて感覚情報の重み付けを変えることが「感覚の再重み付け(Sensory Reweighting)」です。 体性感覚が低下すると、視覚や前庭覚への依存が強くなる場合があります。視覚に過度に依存した状態では、鏡などの視覚情報がなければ自分の身体の位置を把握しにくくなり、身体を過度に緊張させて安定させようとすることにもつながります。 そのため、まずは体性感覚を再構築し、各関節から適切なフィードバックを得られる状態をつくることが、関節中心化の重要な土台となります。 局所的な介入から動的な関節中心化へ 感覚運動システム全体を見るからといって、局所的なアプローチが不要になるわけではありません。まずは問題のある部位に対して、過緊張している筋群を緩めるなどの局所的な介入を行い、運動しやすい状態をつくります。ただし、そこで終わるのではなく、その状態を実際の動作へつなげていくことが重要です。 初期段階では、支持基底面が広くコントロールしやすい姿勢で、過剰に働いている筋群を抑制しながら、働きにくくなっている筋群を活性化する相反的な制御を利用します。そこから、主働筋と拮抗筋が同時に働く共収縮へ移行し、立位やより高い強度での運動へと発展させていきます。さらに視覚や前庭覚への要求、三面運動や移動などを加え、最終的には身体そのものではなく外部の課題へ注意を向けた状態でも、無意識に関節中心化を維持できることを目指します。 パフォームベタージャパンサミット2026本編では...
感覚運動科学に基づいた関節中心化の再考(近藤 拓人先生)|ウェビナーレポート
PODACST #007 感覚運動科学とストレングストレーニング ゲスト:近藤拓人さん
ストレングストレーニングに感覚運動科学を掛け合わせると、何が変わるのか。近藤さんが語る「筋出力を脳が決定する」という視点 この記事のもとになったポッドキャストはこちらからお聴きいただけます:エピソードを聴く パフォームベタージャパンが普段お付き合いしているトレーナーや関係者をお招きして、施設のこと、専門知識、セミナー活動まで幅広くお話を伺うポッドキャスト。 今回はAZCARE代表であり、オンラインアカデミーAZCARE ACADEMYやオンラインサロンPLAZ+、そして日本最大級のパーソナルジムNEXPORTを運営する近藤拓人さんをゲストにお招きしました。 パフォームベタージャパンでは昨年、近藤さんに感覚運動科学の基礎をテーマに計5回のウェビナーにご登壇いただきました。今回はその派生版として「ストレングストレーニングに感覚運動科学をどう活用するか」というテーマで対談しています。近藤さんといえば体性感覚・視覚・前庭覚といった感覚系の話というイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、近藤さん自身が「外部負荷を用いたストレングストレーニングは絶対外せないポイント」と言い切るように、この分野は感覚運動科学と切り離せない関係にあります。その接点を解説したのが今回の内容です。 近藤さんについて 近藤さんはAZCAREおよびAZCARE ACADEMYの代表を務め、日本最大級のオンラインアカデミーとオンラインサロンPLAZ+を運営しながら、パーソナルジムNEXPORTも経営しています。専門分野は感覚運動科学で、大学院でもこの分野を学んだ後、現場指導と教育活動を並行して続けてきました。パフォームベタージャパンのウェビナーにはこれまで合計5回登壇しており、今回が6回目となります。 感覚運動科学とは何か——まずおさらい 近藤さんが専門とする感覚運動科学は、「運動の成り立ちを感覚神経系と運動神経系の二つで理解し、現場指導に応用する」分野です。大学時代に徒手療法からボディビルまで幅広く手を出してきた近藤さんが最終的にたどり着いた領域で、「運動指導者にとっての究極の学問」と表現しています。 この分野の面白さは、用途の広さにあります。インプットからアウトプットへのサイクルを評価・介入することで、痛みや不調の改善(リハビリ)にも、体づくりにも、筋力・パワーの向上にも、競技文脈でのパフォーマンス発揮にも活かせると近藤さんは言います。今回はその中でも特に高強度のストレングストレーニングへの応用にフォーカスしています。 近藤さんが提唱する5つのブロック NEXPORTでもAZCARE ACADEMYでも根幹として据えているのが、近藤さんが「理想の運動療法の形」と呼ぶ5つのブロックです。 トリートメント:体の状態を整え、運動しやすい状態をつくる。主に徒手療法や物療を用いたアプローチ。 コレクティブ:悪い運動パターンや過活動・低活動の筋を是正する。呼吸エクササイズ、ピラティスエクササイズ、感覚統合エクササイズなどが中心。 ストレングス:外部負荷を用いた高強度トレーニング。今回の主題。 ムーブメント:コレクティブで整えた動きとストレングスで高めた筋機能を、実生活や競技につなげる総仕上げ。近藤さんは「障害物を使った移動訓練」を最強と表現していた。 エアロビック:有酸素運動。 これら5つが有機的につながることで一番いいプログラムが完成するという考え方で、今回のテーマはこの中の「ストレングス」ブロックです。 ストレングスブロックの目的は3つ 感覚運動科学を知った上でストレングストレーニングを処方することの意味を理解するには、まずストレングスブロックが何を目的とするかを整理する必要があります。近藤さんは目的を3つに分けて説明しました。 1つ目は体づくり。絶対的な筋量が足りない状態では大きな筋力やパワーを発揮することは難しいため、まず筋量を増やすことが優先されます。この段階では外部負荷を使ってオールアウトさせていくようなトレーニングが有効です。 2つ目は筋出力(パワー)の向上。これも重量依存性の高い要素であり、ピラティスのような低負荷のエクササイズでは限界があります。外部負荷を使って筋力・パワーを引き上げることが重要です。 3つ目は競技文脈でのパワー発揮。ここがアスリートに特有の目的で、筋量が多く筋力も高いのに競技パフォーマンスに転移できていないケースへの対応です。適切なタイミングと適切なメカニクスでパワーを発揮できることが求められます。 近藤さんは「2つ目と3つ目において、感覚運動科学が特に活きる」と言います。 「筋出力を脳が決定している」という視点 ストレングストレーニングの文脈で感覚運動科学が登場する核心は、ここにあります。 筋出力を決めるのは最初は筋断面積(筋量)です。筋量が多い人ほど筋出力は大きくなる。しかし、ある程度の筋断面積が確保されると、そこから先は神経科学的な側面がすごく大きくなってくると近藤さんは言います。...
自律神経評価とレジリエンスを養うための栄養と運動(川合 智先生)|ウェビナーレポート
今回は、先日開催した川合 智先生による無料ウェビナー「自律神経評価とレジリエンスを養うための栄養と運動」の内容の一部をご紹介します。 川合先生は10/17〜18に開催するパフォームベタージャパンサミット2026にもご登壇いただきますのでご検討中の方はぜひご確認ください。 ■テーマ:自律神経評価とレジリエンスを養うための栄養と運動 ■開催日:2026年7月3日 ■講師:川合 智 (日本統合療法株式会社 代表取締役) レジリエンスを支える「自律神経」の役割 レジリエンスとは、ストレスや負荷を受けても適応し、回復しながら再び高いパフォーマンスを発揮する力のことです。アスリートだけでなく、日々忙しく働くビジネスパーソンや健康づくりを目的とする方にとっても重要な考え方です。 その鍵となるのが、自律神経の働きです。自律神経を「アクセル(交感神経)」と「ブレーキ(副交感神経)」に例えながら説明いただきました。活動するためにはアクセルが必要ですが、安全に走り続けるためにはブレーキも欠かせません。私たちの身体も同様に、交感神経と副交感神経が適切なバランスで働くことで、運動や仕事のパフォーマンスだけでなく、疲労からの回復もスムーズに行われます。「どれだけ頑張れるか」だけではなく、「どれだけ回復できるか」がレジリエンスを高める上で重要です。 自律神経は「評価」できる時代へ 自律神経は感覚だけで判断するものではなく、HRV(心拍変動)を用いて客観的に評価できます。近年ではApple WatchやOura RingなどのウェアラブルデバイスでもHRVを確認できるようになり、日々のコンディションを把握しやすくなっています。 また、専用機器を活用することで、自律神経の状態や回復力をより詳細に評価し、一人ひとりの状態に応じた介入方法を検討することも可能です。「何となく疲れている」という感覚だけに頼るのではなく、客観的な指標を活用することで、より適切なコンディショニングにつなげることができます。 レジリエンスを高めるために大切なこと 自律神経を整えるために重要なのは、いきなり運動量を増やすことではありません。 食事 → 睡眠 → 生活習慣 → 運動 という順番で土台を整えることが重要性です。 慢性的な疲労を抱える方では、まず「回復できる身体」をつくることが最優先になります。その上で、自律神経の状態に合わせて運動を取り入れていくことで、より良いコンディションづくりやパフォーマンス向上につながります。 また、睡眠不足や慢性的なストレス、栄養状態の乱れ、スマートフォンの長時間利用など、日常生活のさまざまな要因が自律神経に影響することあります。特別な方法を取り入れる前に、まずは毎日の生活習慣を見直すことが、自律神経を整え、レジリエンスを高める第一歩になります。 サミットでは評価から介入までをより実践的に学ぶ...
ソフトトスメディシンボールの選び方と特徴|型崩れしない理由と重量別の活用法
メディシンボール選びでは、重量に加えてサイズや耐久性、扱いやすさも大切です。全重量で直径を統一した設計、型崩れしにくいソフトシェル構造、滑りにくい表面素材など、PERFORM BETTER製ソフトトスメディシンボールの特徴を動画とあわせてご紹介します。
ソフトトスメディシンボールの選び方と特徴|型崩れしない理由と重量別の活用法
ケトルベル指導の違和感や手首の痛みは「器具の設計」が原因?
ケトルベルを選ぶ際は、重量だけでなく、ハンドルの形状や太さ、表面の仕上げにも注目したいところです。クリーンやスナッチ、ラックポジションでの扱いやすさを考えるために、器具の設計で確認したいポイントとPERFORM BETTER製品の特徴をご紹介します。
ケトルベル指導の違和感や手首の痛みは「器具の設計」が原因?
パフォーマンストレーニングの本当の目的:Bill Parisi寄稿
日々新たなトレーニング理論が増えていく中で、インプットした内容を日常のクライアント指導にどう活かせばよいのか悩んでいるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。 本メルマガでは、最新のトレーニング理論やそれを現場に活用するために必要な情報をご紹介します。ぜひ、日常の指導にお役立ていただけますと幸いです。 今回は、Parisi Speed School創設者であり、スポーツパフォーマンス分野で長年にわたり世界中のアスリート育成に携わってきた Bill Parisi がPERFORM BETTER本社のブランドサイトに寄稿した「The Real Purpose Of Sports Performance Training」をご紹介します。 スポーツパフォーマンストレーニングの本質は、単なるエリートアスリートの育成ではなく、子どもたちの自尊心や人生そのものに良い影響を与えることであると語るBill Parisiのコラムを、ぜひ最後までご一読ください。 スポーツパフォーマンストレーニングの本当の目的 エリートアスリートを指導したいという願望 スポーツパフォーマンス業界で23年間キャリアを積む中で、私はさまざまな理由から何百人ものトレーナーにインタビューをしてきました。そうしたトレーナーたちに共通していたのは、エリートアスリートを指導したいという願望でした。彼らにとって、それは自身の知識と経験を試す究極の挑戦であり、成功すれば、より多くのエリートアスリートを指導し、業界全体に名声を築くことにつながる可能性を秘めていたのです。 私は、一流アスリートと仕事をし、トレーナーとして培ってきたスキルを活かしたいという気持ちを十分に理解しています。それは、アスリートのパフォーマンス目標達成を支援するためだけでなく、エリートアスリートと呼ばれる比較的限られた層の中でも、自分が影響力を持つことができるということを、自分自身に証明するためでもあるのかもしれません。 一流アスリートとの経験 長年にわたり、私はあらゆるスポーツのディビジョン1やプロアスリートを数多く指導する機会に恵まれました。実際、私の最初のクライアントの一人は、ニューヨーク・ジャイアンツの元フランチャイズ・クォーターバック、Phillip Simmsでした。私のキャリアはそこから飛躍的に発展し、Phillip Simmsは現在もParisi Speed School社のナショナル・スポークスパーソンを務めています。ですから、この一流アスリートには大変お世話になったと言えるでしょう。 スポーツパフォーマンストレーニングの本質とは フィットネス業界の内外を問わず、多くの人が、スポーツパフォーマンストレーニングの本質は、エリート高校生、大学生、そしてプロアスリートを育成することのみに、あるいは主にそこにあると考えていることに、私は気づきました。しかし、スポーツパフォーマンス業界で長年経験を積んできた私は、異なる結論に至りました。それは、幼い頃から子どもたちの自尊心を育むことであり、そうすることで彼らは競技場だけでなく、学校、そして最終的には人生のあらゆる面で、より良い成果を上げられるようになるということです。 コーチが人生に与える影響...
PODACST #006 学んだ専門知識、技術を現場で活かす方法 ゲスト:桂良太郎さん
知識は現場で生きてこそ。桂良太郎さんが語る「統合された体系」と「動機付け」と「システム」 この記事のもとになったポッドキャストはこちらからお聴きいただけます:エピソードを聴く パフォームベタージャパンが普段お付き合いしているトレーナーや関係者をお招きして、施設のこと、専門知識、セミナー活動まで幅広くお話を伺うポッドキャスト。 今回はBest Performance Laboratory代表の桂良太郎さんをゲストにお招きしました。 学んだ専門知識を現場でどう活かすか——このテーマは、知識量が増えれば増えるほど難しくなっていくように感じるものです。パフォームベタージャパンがこのエピソードをお届けするのは、桂さんの言葉が「知識を統合し、体系として持つことの意味」を、施設運営という実践の文脈からくっきりと照らしてくれているからです。創業から10年以上パフォームベタージャパンのサミットやセミナーに登壇し続けてきた桂さんとの対話は、私たちにとっても多くの気づきをもたらすものでした。 桂良太郎さんについて 桂さんはBest Performance Laboratoryを創業し、野球・サッカー・ゴルフ・サーフィン・ハンドボールなど幅広い競技のアスリート指導に携わりながら、施設外でも多種目のパフォーマンスコーチを歴任してきました。施設ではトップアスリートから健康維持・ダイエット目的の一般の方、さらに術前術後のメディカル対応まで幅広い層を対象としています。同業者向けのセミナー事業としてBest Performance Academyも展開しており、メンターシップエデュケーションプログラムは現在34期まで積み上げてきました。 幅広い対応を可能にするのは「統合されたシステム」 Best Performance Laboratoryの特徴として桂さんが挙げるのが、幅広い対象者に対応できる施設であるということです。トップアスリートの横でジュニアアスリートや部活生が練習し、さらにボディビルダーやシビアな医学的判断を要する術前術後の方までが同じ空間にいる——そういう施設です。 この幅広さを可能にしているのは、統合されたシステムを持っているからだと桂さんは分析します。単一の理論だけでは人間へのアプローチに限界があり、複数の知識を体系化して統合することで初めて多様な状況に対応できるようになる、という考え方です。 知識を活かせない、三つの理由 学んだ知識を現場で活かせないのはなぜか。桂さんはこの問いに対して、整理された答えを持っていました。 まず一つ目は、知識が体系化されていないこと。単一の理論を深く学んでも、それをどう実践に落とし込むかがわからない状態では、現場で行き詰まることが多いといいます。 二つ目は、クライアントへの動機付けの仕方を知らないこと。知識があり、体系化もできていても、クライアントが指導を受けたいと思える形でなければ行動変容は起きない。これはどれだけ優れた内容であっても変わらない原則だと桂さんは言います。 三つ目は、システムがないこと。これらを全部再現性高く結果に結びつけるためには、仕組みが必要です。桂さんはこの三つを「統合された体系化されたものと、クライアントを動機付けできるノウハウと、システム——この三つが揃っていないといけない」と言い切っていました。 なぜ初回に長い時間をかけるのか 施設の特徴的な取り組みのひとつとして、桂さんは初回のSOAP(主観的情報・客観的情報・評価・プランのプロセス)に長い時間を設けていることを挙げました。 その理由として語っていたのが、自己認識と現実のギャップの問題です。桂さんが引用したアメリカのデータによれば、60%のアメリカ人が慢性疾患を抱えており、40%が二つ以上の慢性疾患を持ち、50%が筋骨格系の症状を訴えている。にもかかわらず、81%の人が自分の体や健康状態を良好または極めて良好だと信じているという調査結果があるといいます。 この乖離を本人に認知させることが、行動変容につながる最初のファーストアクションだと桂さんは考えています。だからこそ初回に十分な時間を取って、そのギャップを体感してもらうことを重視しているそうです。 リハビリとトレーニング、トレーニングと競技の境界線 競技特異的なアプローチについて聞くと、桂さんは運動制御理論や運動学習理論、競技への転移(トランスファー)などを2015年頃から学び始めたことを話してくれました。そこから辿り着いた結論が、トレーニングと競技の間に明確な境界線はないという考え方です。 ここまでがフィジカルトレーニングでここからがスキルトレーニング、という線引きはできない。両者はオーバーラップするものであり、だからこそトレーニング施設の中で競技動作に近しい動きや環境を再現できることが重要になってくると桂さんは言います。どの程度考慮しているかという問いへの回答は難しいとしながらも、非常に大事だという認識のもとで、特にトレーニング直後に競技の動きができる環境設定を意識していると話していました。...
横方向への一歩を速くする(九鬼 靖太先生)|ウェビナーレポート
今回は、先日開催した九鬼 靖太先生による無料ウェビナー「横方向への一歩を速くするトレーニング戦略 〜アジリティ・盗塁スタートに応用するCST〜」の内容の一部をご紹介します。九鬼先生は10/17〜18に開催するパフォームベタージャパンサミット2026にもご登壇いただきますのでご検討中の方はぜひご確認ください。 ■テーマ:横方向への一歩を速くするトレーニング戦略 〜アジリティ・盗塁スタートに応用するCST〜 ■開催日:2026年6月25日 ■講師:九鬼 靖太 (大阪経済大学准教授 / 株式会社SPEED-CREATORs代表) 多くの競技に共通する「横方向への一歩」 野球、サッカー、バスケットボール、テニス、ラグビーなど競技は異なっても、試合を決定づける場面では横方向への素早い移動が求められます。 例えば、 ・野球では盗塁や守備の一歩目 ・サッカーでは相手への寄せや切り返し ・バスケットボールではディフェンスのスライド ・テニスでは左右への素早いフットワーク など、競技特有の動きに見えても、「短時間で横方向へ身体を運ぶ」という点では共通しています。ここで重要になるのが、競技ごとの動作だけを見るのではなく、多くの競技に共通する要素を抽象化して考えることです。横方向への一歩を速くするという能力を理解できれば、盗塁やカットイン、ディフェンスなど様々な競技場面へ応用できるだけでなく、ジムで行うトレーニングも競技力向上へ結び付けやすくなります。 このような共通する要素を見つけ出し、競技へ橋渡ししていくことこそ、トレーナーに求められる役割の一つです。 横方向への加速を決める「筋力」と「技術」 横方向への一歩を速くするためには「筋力」と「技術」の掛け合わせが必要です。ここでいう筋力とは、単純に筋肉量ではなく、どれだけ大きな地面反力を生み出せるかという能力です。 その土台となるのは、 ・最大筋力 ・Rate of Force Development(力の立ち上がり率) ・パワー といった要素であり、特に大臀筋やハムストリングス、内転筋群など股関節伸展筋群が大きな役割を担います。そのため、スクワットをはじめとしたベーシックな筋力トレーニングは、横方向への加速能力を高めるためにも非常に重要な基礎となります。...
横方向への一歩を速くする(九鬼 靖太先生)|ウェビナーレポート
PODCAST #005 評価とアプローチをチーム内で統一する ゲスト:根城祐介さん
評価ができても結果が出ない、その正体は「共有」の問題。根城祐介さんが語る、チームで再現性をつくる方法 この記事のもとになったポッドキャストはこちらからお聴きいただけます:エピソードを聴く パフォームベタージャパンが普段お付き合いしているトレーナーや関係者をお招きして、施設のこと、専門知識、セミナー活動まで幅広くお話を伺うポッドキャスト。 今回はActive-Aid Program代表であり、パーソナルジムAID広尾代表でもある根城祐介さんをゲストにお招きしました。 「評価はできるのに、なぜか結果につながらない」—多くのトレーナーが一度はぶつかるこの壁を、個人の経験不足やセンスの問題として片づけてしまいがちです。しかし今回お話を伺った根城祐介さんの考えは違いました。これは多くの場合、評価そのものの問題ではなく「共有」の問題だという指摘です。 パフォームベタージャパンがこの対話をお届けするのは、根城さんの言葉が、個人のセンスに依存しない「再現性のある指導」という考え方を、具体的な手順とともに示してくれているからです。 根城祐介さんについて 根城さんはアメリカでチームに所属してトレーナー活動を行った後、帰国後は日本でフリーランスとして活動。その後、ここ1〜2年で施設の代表という立場に立ち、組織のマネジメントにも携わるようになりました。個人としての活動と、チームを率いる立場の両方を経験してきたからこそ語れる視点を、今回はたっぷりお話しいただきました。 個人と組織、評価の質を分けるもの 根城さんが指摘するのは、個人で活動している場合と組織で動く場合とでは、求められる強さの種類が変わるという点です。個人で活動していると、良くも悪くも全てが自分自身に委ねられます。ある程度「センス」、つまり鋭い感覚に頼ってやっていけてしまう。しかし組織になると、そのセンスが前面に出すぎることがむしろ足を引っ張るケースが出てくるといいます。 組織で強さを発揮するのは、起きている現象を言語化できる人です。なぜこのアプローチをするのかを、上司や部下、同僚に対して言葉で説明できること。これは学んで身につけられるものだと根城さんは明言します。個人で活動していても、結局はクライアントに説明する場面が必ず生まれます。そこを感覚だけで片づけてしまうと、サービスを受けた直後は良くなるけれど、施設を出た瞬間に元のパターンに戻ってしまう、つまり再現性が低い状態になってしまう。お客様への説明を重ねることで、自ずと言語力は磨かれていくという考え方です。 一般のフィットネス愛好家を相手にする場合は、さらに難しさが増します。アスリートであれば「パフォーマンスを上げたい」「怪我を治したい」という目的が明確ですが、趣味としてゴルフやテニス、登山に取り組む一般の方の場合、その動機をすくい上げて言語化する必要があります。 根城さんが運営するパーソナルジムAID広尾には、ゴルフやテニスに取り組むいわゆるアマチュアアスリート層が多く通っており、トレーニングの内容がその人自身の趣味のパフォーマンス向上につながるよう意識的に設計しているといいます。体を鍛えるという言葉だけで片づけず、結果としてQOL(生活の質)が上がることを目指す、という姿勢です。 ズレの本質は「評価」ではなく「評価の解釈」 評価ができるのに結果がついてこない、という違和感を抱えるトレーナーは少なくないと根城さんは言います。その原因について、根城さんは明確な仮説を持っていました。問題は評価そのものではなく、「評価の解釈」にあるという考え方です。 同じ動きを見ても、何を問題として捉えるかはトレーナーによって違ってきます。評価という行為自体は揃っているのに、その解釈がズレることで結果が揃わなくなる。だからこそ、Active-Aid Programでは「原理原則」を重視することを伝えているといいます。「これはこうですよ」という単純化されたメソッドの伝え方をしてしまうと、見るべきポイントが過度に統一化され、イレギュラーなパターンへの対応力が失われてしまう。ゴルフスイングひとつとっても百人いれば百通り違うという前提に立ち、原理原則をチームの共通言語として持つことを大事にしているそうです。 ゴールの置き方についても明確な考え方がありました。森の中でコンパスがずれたら、永久にずれた方向に進み続けてしまう。だからこそ、まずゴール地点を一つに定める。痛みの改善が目的であれば、痛みがなぜ起きているのかを細分化して分析し、ゴールに向けたマイルストーンを立てていく、いわゆるトップダウンの考え方を重要視しているといいます。 予想・把握・評価・改善」という共通サイクル 根城さんが運営するActive-Aid Programでは、社員全員がレベル1・レベル2の研修プログラムを修了した状態で入社します。そこで重要視されているのが「予想・把握・評価・改善」というサイクルです。 予想とはいわゆる初見の段階です。クライアントを見て「肩が下がっているな」といった気づきを得る。次の把握は問診にあたります。見えている状態について、何か思い当たることがあるかを尋ね、そこから深掘りしていく。出てきた回答をもとに評価を行い、改善へとつなげる。画像診断を行っているわけではないからこそ、原因の確率を高めていくフェーズが必要になる、という根城さんの説明には、断定を避ける慎重さがにじんでいました。このサイクルをセッション中ずっと回し続ける感覚を、社員は研修プログラムを修了した時点で身につけているため、根城さんはこの部分に関する追加の社員教育を行っていないといいます。 このサイクルの中でも特に経験値が出やすいのが「予想」の部分だと考えられますが、Active-Aid Programではここに対する工夫があります。採用しているのはプロジェクトベースドラーニング(問題解決型学習法)と呼ばれる手法で、課題に対して受講生同士で意見交換をしながら解決策を探っていく形式です。キャリア30年のベテランから学生まで、経験のばらつきが大きい受講者が混在していても、この学習法によって一人で学ぶよりも速いスピードで気づきを得られる。自分一人では気づけなかったことも、他の受講生の発見から学べる仕組みになっているということでした。 評価とアプローチをセットにする、という現場のルール 実際の施設運営において重要視しているのが、「評価して終わり」にしないことです。評価がどのアプローチにつながるかをセットで成形しておく、という考え方です。例えば腰痛を抱えるクライアントで、初見で肋骨が開いている状態が見えた場合、腹横筋などの活動低下を仮説として、呼吸へのアプローチから入っていく——というように、評価の後に取るべき行動がある程度セットで見える状態にして、現場に送り出しているといいます。 スタッフの指導についても、独特な手法を採用しています。根城さん自身が控室にいて、セッションの様子を音声だけで聞いているそうです。視覚情報に偏りがちな人間の認知特性を踏まえ、聴覚情報、つまり顧客の声のトーンや話す速度、トレーナーの応答の様子から、セッションが盛り上がっているか、お客様が退屈していないかを判断する。そしてその場で得た気づきをフィードバックとして伝えています。何でも話してくれるようにと、社員との距離感を意識的に縮めているという姿勢も伺えました。 施設運営を始めたことで、Active-Aid Programの研修内容自体もアップデートされてきたといいます。現場で実際に起きる出来事、スタッフがつまずくポイント、パーソナリティの違いによる気になる観点の違い——こうした実地の知見が、研修プログラムに反映され、また研修で伝えた言葉がスタッフを通じて現場に還元される。臨床の現場とアカデミックな部分、この両輪が相互に影響し合っているという話でした。...
ジム開業・改装などを
検討中の方へ
施設見学・一括お見積もりを承っております
導入器具に関するご相談はもちろん、物件選びや施設レイアウト、床材の選び方などの初期段階からご相談いただけます。時期未定、構想段階でも構いませんので、お気軽にご相談ください。
詳しく見る
無料のお役立ち資料を配布しております
物件選びや床材の選び方、施設レイアウト、器具の選定などで押さえておきたいポイントをまとめた全30ページの資料です。ジムの開業や、トレーニングルームのリニューアルを検討している方にもお役立ていただけます。
PDFをダウンロードする