COLUMN
vol.9 動画|ミニバンド&スーパーバンドを使用したエクササイズバリエーションのご紹介
今回はオンラインショップで公開中の「MINI BAND & SUPER BAND Lab.」より、ミニバンド&スーパーバンドを使用したエクササイズバリエーションをご紹介いたします。 エクササイズの目的や重要なポイントなども詳しく記載しておりますので、ぜひ最後までチェックいただけますと幸いです。 Rotational-Parallel Softmed Medicine Ball Pitch Half Kneeling 目的・エクササイズ特性 ローテーショナルパワーの向上 ターゲット コア、肩甲帯、肩・肘周囲筋群、股関節周囲筋群 使用アイテム ・スーパーバンド 2.6cm幅 ブラック ・ソフトメッドメディシンボール 0.5kg ・ソフトメッドメディシンボール 1.0kg 動作手順 1.肩からスーパーバンドでコイルをセットし、後ろからテンションをかける。 2.壁に正対して、片膝立ちになる。 3.ピッチングのように壁に爆発的に投げつける。...
動画|4種のレジスタンスコードの違いと使い分け
今回は、アジリティやムーブメント、スプリントトレーニング等で使用される、4種類のレジスタンスコードの特徴やメリットについてご紹介します。エクササイズ動画と合わせてご自身の活用シーンをイメージしながらご覧ください。日頃のトレーニング指導でのご活用のヒントになれば幸いです。 1. 360度回旋でき、最も利便性の高い「ゲームスピード360」 レジスタンスコードで1番利便性が高いのは「ゲームスピード360」です。クライアント側のベルトにはリングが付いており、ベルトを360度スムーズに回旋できます。244cmの伸長性の高いコードが、あらゆるムーブメントトレーニングに負荷をかけます。ベルトは4サイズあり、対象者に応じて使い分けていただけます。 特徴: ・伸長性に優れたコードにより、トレーニング時に十分な移動距離が確保できる・トレーナー用のベルトも付属しており、両手が自由に使えるため自由度が高い・コード長さ:約244cm・ベルト種類:4サイズ メリット 1.基本的なムーブメントトレーニング全般に活用可能2.トレーナーの負担が軽減される3.ベルトの種類も豊富なため幅広いクライアントに活用できる エクササイズ例 2. アスリートのスプリントトレーニングに不可欠な「ブレットベルト」 ...
ウェビナーレポート|FMS JAPAN「スポーツ現場でのFMS/SFMAの応用」
今回は、先日開催したFMS JAPAN様とのコラボウェビナーの内容の一部をご紹介いたします。現役のチームスポーツのトレーナー、コーチをお招きして、現場でどのようにFMSを活用してチーム内の連携を図っているかなどを具体的にお話しいただきました。 ■テーマ:スポーツ現場でのFMS/SFMAの応用 -FMS/SFMAイントロ&若手セラピスト・トレーナーへのアドバイス - ■開催日:2024年12月1日 ■講師 ・中山 直人 (ヴィッセル神戸アスレティックトレーナー・鍼灸按摩マッサージ指圧師/JSPO-AT) ・中村 有希 (ガンバ大阪フィジオセラピスト・PT) ・上松 大輔 (FMS JAPAN) そもそもFMS/SFMAとは? 1990年代半ばからリハビリテーションやトレーニングにおける「動作の重要性」に着目して開発が進められてきた理論で、その基盤となる原理・原則は、身体部位の相互依存性、運動制御・学習、神経発育や発達に基づく動作評価にあります。 また、医療モデルからフィットネスやトレーニングモデルまで幅広く対応できる点が大きな特徴です。 現在、FMSとSFMAは世界40か国、16言語で展開されており、これまでに約10万人が資格を取得。アメリカでは、米軍や4大スポーツリーグとパートナーシップを結んでいるほか、消防や警察、一般企業など多様な分野で活用されています。 FMS/SFMAについて、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。https://www.functional-inc.co.jp/fms-japan/about-fms-sfma/ 中山 直人さんの活用方法 ヴィッセル神戸のアスレティックトレーナーを務める中山さんは、2015年にアメリカのトレーニング施設「EXOS」の日本人向けメンターシッププログラムに参加。そこで、EXOSがFMS(Functional Movement Screen)を包括的な選手評価システムに組み込んでいることを知り、ムーブメント(動作)の改善の重要性を学ばれました。以来、サッカーの分野で「ムーブメント」を軸に、メディカル・コンディショニング担当として活動を続けています。 中山さんには、これまでに携わった異なる環境の3つのチームでのFMS/SFMA(Selective Functional Movement...
ウェビナーレポート|近藤 拓人さん「感覚運動科学の基礎」
今回は、先日開催した無料ウェビナーの内容の一部をご紹介いたします。本講座では、感覚運動科学の基礎から実践的な応用までを丁寧に解説し、現場で役立つ知識やスキルについて具体的にお話しいただきました。感覚運動科学を初めて学ぶ、以下のような目標を持つ方々に多くご参加いただきました。「痛みや不調改善ができる運動指導者を目指したい」 「アスリートのパフォーマンス向上に貢献したい」 「現場指導をアップデートしたい」 ■テーマ:感覚運動科学の基礎 ■開催日:2024年12月15日 ■講師:近藤 拓人 (AZCARE ACADEMY 代表 / NEXPORT 代表) 1.感覚運動科学5つのブロックの役割について 感覚運動科学は、クライアントの慢性的な不調やパフォーマンス低下を改善し、根本的な向上を目指す5つのブロックで構成されています。 (1)Treatment (準備のブロック) セッションの最初に行うステップです。 「治療」という意味を持ちますが、ここでは本来の治療ではなく、セッションをスムーズに進めるための準備に重点を置いています。 目的: 痛み、不安、恐怖、可動制限などを軽減し、後続のトレーニングに集中できる状態を作る 方法: 徒手療法や物理療法(電気治療や圧迫など)を短時間で最小限に実施 このブロックで整えた基盤の上に、次からの本格的なアプローチが続きます。 (2)Corrective (是正・修正) 身体のバランスや動きに不具合がある場合、それを是正・修正します。 主な内容: ・筋肉のバランス調整(働きすぎの筋肉を抑制、使われていない筋肉を活性化) ・可動性(Mobility)と安定性(Stability)の向上...
動画|4種のスクワットバーの違いと使い分け
今回はスクワットで使用される、4種類のバーの目的や特徴をご紹介します。 エクササイズ動画と合わせてご自身の活用シーンをイメージしながらご覧ください。日頃のトレーニング指導でのご活用のヒントになれば幸いです。 1. スクワット以外でも多様に使える「オリンピックシャフト」 定番のオリンピックシャフトは、自由度の高さからジムには欠かせない存在です。スクワットはもちろん、デッドリフト、ベンチプレス以外にもクリーンやスナッチ、ECTスリーブに設置してのランドマインのエクササイズなど多種多様な活用が可能です。 特徴: ・アメリカ製のシャフトは表面の特殊な加工により錆びにくく、耐久性が高い。・握りやすいローレット加工を施したグリップ。・長さ:約220cm。・グリップ直径:2.9cm(プレート5cm対応) メリット 1.スクワット以外にも多くのエクササイズに使える。2.高耐久性により長期使用か可能。3.標準的な器具として初心者から上級者まで活用可能。 2. 初心者でも安心して使える「オリンピックヘックスバー」 オリンピックヘックスバーは、アスリートから初心者まで幅広いユーザーに対応したトレーニング器具です。ヘックスバーは、ユーザーが六角形のバーの中央に立つことで、身体の前後重量バランスを最適化します。 特徴 ・ユーザーが六角形のバーの中に入る設計により、ヘックスバーの重心が身体の中心から離れる心配がないため、腰部や股関節に過度な負担をかけず、ヘックスバーを常に大腿付近で持つことができる。 ・ハーフスクワットでは、軽い重さでも一人で安全にトレーニングを実施できる。 ・スクワット以外にもデッドリフトなど、複数の種目に対応可能。 メリット 1.初心者指導の際に、腰部への過負荷のリスクを軽減できる。2.クライアントの体格やトレーニング経験に応じて柔軟に対応可能。3.複数種目を指導する際に汎用性が高く、ジムのスペース効率が向上。 3. 両足を前後に開くエクササイズに最適な「シングルレッグ スクワットバー」 シングルレッグ スクワットバーは、片脚エクササイズの利便性が高い器具で、特にスプリットスクワットではその違いが特に顕著となります。また、2025年モデルチェンジでスタンド付きとなり、プレートの着脱が飛躍的に向上しました。 特徴 ・ヘックスバーの片側が空いているため、両足を前後に開いた状態でのエクササイズでも後ろ脚とバーが当たりにくい。 ・ヘックスバーと同様に、重量負荷が左右均等にかかる。 メリット 1.片脚トレーニングの指導に最適。2.ヘックスバーで実施するトレーニングのほとんどが代用可能。 エクササイズ例 4....
パーソナルジム開業の流れを徹底解説!初めてでも失敗しないためには?
「いつか自分の理想のパーソナルトレーニングジムを持ちたい」と考えたことはありませんか? 本記事では、施設コンセプトの決定、物件・器具選定、資金調達、内装工事、集客に至るまで、パーソナルジムを開業するうえで最低限押さえておきたいポイントをお伝えします。 漠然とした夢を現実に変えるための第一歩として、ぜひご参考ください。 パーソナルジムを開業する方法 ジムの開業方法には大きく分けて2つあります。 1.個人でパーソナルジムを開業 「ジム開業」と聞いて、多くの方がこの方法を思い浮かべるのではないでしょうか? 初めてジムの開業を検討されている方の多くは、現在どこかのジムに所属しているか、フリーランスとしてジムやチーム、団体と契約して活動している方が多いと思います。自分がパーソナルジムを開業するなら「こんな施設だったらもっと良いアプローチができる」「こうすればクライアントがもっと増やせる」「〇〇のような施設が作りたい」など、それぞれの想いがあるのではないでしょうか。個人でジムを開業する最大のメリットは、これらの理想を叶え「自分の想い通りの施設」を作れることです。理想のパーソナルジムを開業するには「立地」「テナント条件」「予算」などが揃う必要がありますが、それらもすべて自分で決めることができるため、自分だけの理想の施設を作るには最適な方法です。また、予算についても上限だけでなく下限も自由に設定できるため、「とにかくお金をかけたくない」という場合には、個人で開業する選択肢が現実的と言えます。 2.フランチャイズに加盟する すでに、自分の理想とする施設がフランチャイズ展開をしている場合、そのフランチャイズに加盟することもおすすめです。フランチャイズ加盟の最大のメリットは、開業前の準備が効率化され、開業までの期間を短縮できることです。コンセプトから内装、設備、導入器具の選定、ブランドサイトや顧客管理、集客の方法まで、一連の流れがフランチャイズ規定に基づいて整備されているため、個人でゼロから準備するよりも手間が大幅に軽減されます。また、デメリットというわけではありませんが、必ずしもフランチャイズ元の掲げるコンセプトや内装などがご自身の理想と完全に一致するわけではありません。施設に関わることの大半は、開業前はもちろん開業後も規定外の変更は難しいため、この点には注意が必要です。さらに、導入する器具や設備にも最低基準が設けられているケースが多く「可能な限り低予算で開業したい」と考えている場合でも、その基準を下回ることは難しいケースもございます。フランチャイズに加盟する場合は、加盟金を含めた最低限必要な資金を確保しておくことが重要です。 まとめ 個人でのパーソナルジム開業をおすすめする人 ・施設のコンセプトや設備、器具などを自由に決めたい・予算を自由に設定し、とにかく低予算で出店したい フランチャイズへの加盟をおすすめする人 ・自分が理想とする施設がすでにフランチャイズ展開されている・自分の施設を持ちたいが、事前準備の手間を可能な限り省略したい パーソナルジム開業までの流れ ここからは、個人でパーソナルジムを開業する場合の流れをご紹介します。開業までのタスクとスケジュール感は以下の画像を参考にされてください。 1.施設コンセプトを決める パーソナルジムを開業するにあたり、まずは「施設のコンセプト」を決めることが非常に重要です。ぜひ以下のような観点から考えてみてください。 ・自分の強みは何か?・メインとなるターゲットは誰か?・どんなアプローチができるか(したいか)?・施設を通じてどんなことを実現したいか? これらは開業を検討している段階で漠然と思い描いていると思いますが、実際の開業前にはより具体的に決める必要があります。まずは実現可能性を度外視して、自分が理想とするコンセプトを明確化してみてください。そして「このコンセプトを実現するためには?」という視点で、(2)以降の物件や器具選定、内装やレイアウトを決めていくことで、コンセプトを軸とした一貫した施設づくりを行うことができます。 【例:施設コンセプトの考え方】 ■自分の強みは何か?・身体の不調改善からフリーウエイトを使った筋力トレーニングまで指導できる ■メインとなるターゲットは誰か?・体型や痛み・不調に悩む20〜50代の女性 ■どんなアプローチができるか(したいか)?・身体の不調改善を主として、自体重のエクササイズのバリエーションも多く提供したい ■施設を通じてどんなことを実現したいか・クライアントの身体に関する悩みを解決し、毎日を生き生きと過ごせるようにしたい ■そのためにどんな設備や器具が必要か?・自体重エクササイズができるフリースペース・女性に居心地が良いと感じてもらえる空間づくり・アライメントを整えるためのストレッチツールやピラティスマシン・重量を扱う指導をするためのスクワットラックやダンベル 2.物件を決める コンセプトで決めた「提供サービス」や「ターゲット」と自身が想定する家賃をもとに、最適な物件を探します。ここでは「出店エリア」と「テナント条件」の2つの視点から、物件条件の絞り方をお伝えします。 出店エリア...
サミットレポート(3/3)|PERFORM BETTER JAPAN SUMMIT 2024
10月18日(金)〜20日(日)に開催した「PERFORM BETTER JAPAN SUMMIT 2024」の内容の一部を全3回に分けてご紹介させていただきます。 本日は最終日の講義の模様を一部ご紹介させていただきます。 テーマ:Movement Variability - “動作多様性”の重要性と訓練法 講師:近藤 拓人 (AZCARE代表,NEXPORT代表) 近藤さんは、日米のスポーツチーム、クリニック、フィットネス施設での豊富な経験を基に、現在はAZCARE ACADEMY代表およびパーソナルトレーニング施設NEXPORT代表として、現場指導と教育活動に従事されています。本講義では、「Movement Variability - “動作多様性”の重要性と訓練法」をテーマにお話しいただきました。講義の前編では、動作多様性の重要性を支える科学的根拠を掘り下げて、後編では日常生活や競技動作とトレーニング施設での運動の間に生じる“差”(Bridging the Gap)を埋めるためには動作多様性が不可欠であること、さらに「マクロな多様性」と「ミクロな多様性」という視点から、多様性を向上させる具体的なアプローチをエクササイズの実例を交えご紹介いただきました。競技力向上や身体の柔軟な適応を促すための動作多様性の理解を深める講義となりました。 テーマ:Postural Restoration の観点から実践するローディングとアンローデイング 講師:石井 健太郎さん (PRI Japan 合同会社 代表 ) 石井さんは、男子サッカーアメリカ代表のアスレティックトレーナーとして活動する一方で、日本ではClinical...
サミットレポート(2/3)|PERFORM BETTER JAPAN SUMMIT 2024
10月18日(金)〜20日(日)に開催した「PERFORM BETTER JAPAN SUMMIT 2024」の内容の一部を全3回に分けてご紹介させていただきます。 初日の講義の模様を一部ご紹介させていただきます。 テーマ:未病を予防する抗炎症食(前半)/ 睡眠栄養学(後半) 講師:川合 智さん (日本統合療法株式会社代表取締役) 川合さんは、運動療法と栄養療法を基盤とする「統合療法」によって慢性不調を改善に取り組む一方、アスリートへの栄養アドバイスも行なっています。本講義では「未病を予防する抗炎症食」と「睡眠栄養学」をテーマにお話しいただきました。講義では、睡眠不足が身体に及ぼす影響を解説し、睡眠の質を向上させるための食事アプローチについて具体例を交えて紹介いただきました。また、トレーナーが身体の不調を解剖学的観点から捉えがちな中で、栄養や睡眠の観点からアプローチする重要性についても解説されました。 栄養・睡眠の視点を取り入れることで不調を改善する具体的な方法が盛り込まれた内容であり、受講者の関心を大いに引きつけた講義となりました。 テーマ:パーソナル、スポーツチーム、行政、企業でも活用できるパッケージプログラムCELについて 講師:荒井 秀幸さん (株式会社R-body General Manager ) 荒井さんは、コンディショニングを提供するスポーツ運動療法施設「株式会社R-body」のGeneral Managerとして、トップアスリートや一般の方に向けたコンディショニングトレーニング指導を行っています。本講義では、「パーソナル、スポーツチーム、行政、企業でも活用できるパッケージプログラムCELについて」をテーマにお話しいただきました。講義では、R-bodyが構築したCELというシステムの中で用いられる腰痛改善プログラムについて、基礎知識からそれを応用したエクササイズに至るまで、具体例を交えて詳しく解説してくださいました。このプログラムは、身体に関する知識をお持ちでない方でも実践可能であり、スポーツチームから行政、一般企業など幅広い分野で活用されており、7割の方が腰痛改善を実現したという実績もございます。さらに、プログラムに用いられるトレーニング理論についても詳しく解説いただき、運動指導を行う上で重要な知識を深めることができる非常に有意義な講義となりました。 テーマ:スポーツパフォーマンス向上と傷害予防のためのConstraints-Led Approachの理論と実践 講師:桂 良太郎さん (株式会社Best Performance Laboratory代表) 桂さんは、東京南青山にあるパフォーマンス施設「Best Performance...
ジムを超えた地域コミュニティの創出を -自然豊かな逗子で家族と描く未来- (倉田 勇樹さん)
Trainer's Journeyと題し、スタートしたシリーズ企画。この企画では、精力的に活動されている若手・中堅トレーナーの皆さまにお話を伺い、それぞれが大切にしている指導の理念や、その考えに至った背景、今後の挑戦について深掘りしていきます。第4弾は、神奈川県逗子市で新たにパーソナルジム「YOUTRAL(ユートラル)」を開業し、オンラインサロン、SNSでも活躍中の倉田 勇樹(くらた ゆうき)さんにお話を伺いました。 |29歳で脱サラして、トレーナーの道へ ーこれまでの経歴と現在のお仕事について簡単に教えてください。 大学まで柔道を続けていたのですが、卒業後は柔道を通して学んだことをビジネスの世界でも活かしたいと思い、一般企業で営業職として勤務していました。周りは警察官や消防士などの公務員、もしくは柔道選手として実業団に入る人が多かったので、かなり珍しい進路だったと思います。7年間勤務し仕事の手応えもそれなりに感じていたものの、30歳目前のタイミングで「このままこの仕事を続けるのか?」と悩んだ結果、現在のトレーナーの道に進むことを決めました。その後はフィットネスクラブやパーソナルトレーニングジムで経験を積み、現在の独立に至ります。現在は、自宅のある逗子市でパーソナルジム「YOUTRAL」を運営しています。11月にオープンしたばかりで、まだ1か月も経っていませんが、どんなお客様が来ても対応できる施設にしたくて、ピラティスマシンを取り入れたり、トレーニングの設備以外にもパルクールのようなダイナミックな動きもできるスペースを確保しました。お客様は女性の方が多く、ピラティスや機能的なトレーニングを希望される方が多いですね。 ートレーナーはいつ頃から目指されていたんですか? きっかけは、サラリーマン時代に会社として柔道の大会に出場する機会をいただいたことです。その時、大会に向けて会社がパーソナルトレーナーをつけてくれて。それまでパーソナルトレーナーと接する機会はなかったのですが、そのとき初めて「トレーナーという職業が成立している」ことを知りました。同時に「これなら自分もできるかもしれない」と思い、トレーナーとしての道を考えるようになりました。また、大学時代に柔道のオリンピック金メダリスト石井慧選手と共同生活を行い、トップアスリートのトレーニングや栄養について学んだ経験もトレーナーの道を目指そうと思った理由のひとつですね。 |クライアントの「主体的な学び」を尊重した指導 ー普段のトレーニング指導についてもう少し詳しく教えてください。 YOUTRALでは、ピラティスマシンを活用して、姿勢改善や筋力トレーニングだけでなく、体の機能性を高めるプログラムを提供しています。せっかく逗子に施設を出したので、今後はジムの安定した環境で体を動かすだけでなく、自然の中で体をうまく扱える状態に導くことも目指しています。海や山が近いので、ジムのトレーニングからさらに一歩進んで、自然の中で体を動かす楽しさを提供できたらと思っています。 ーアプローチで意識していることはありますか? 「クライアントの主体性を引き出すこと」を最も大切にしています。たとえば、スクワットを教える際、解剖学やバイオメカニクス的に「正しいフォーム」があるのは事実ですが、それをただ押し付けるだけでは、クライアントが主体的に学ぶことにはつながらないと思っています。クライアント一人ひとりに、これまでの経験や得てきた知識を元に持っている特性や感覚があるので、まずは「なぜその動きをしているのか」「その動きがどんなふうに感じられるのか」を対話しながら確認していきます。たとえば、「足の裏のどこに重心を感じているか」「膝の動きはどう感じるか」といった具体的な質問をしながら、クライアント自身に気づきを促すようにしています。さらに、クライアントが誤った動きをしている場合でも、「それは間違いです」とただ指摘するのではなく、その動きの背景にある考え方や学んできた情報を私が理解した上で、「どっちがやりやすいですか?」「この動かし方はどうですか?」などと提案していきます。こうした対話を重ねることで、クライアント自身が「こうした方がやりやすい」と気づき、主体的に正しいフォームを選べるようになります。この過程では、トレーナーとしての知識やエビデンスに固執するのではなく、クライアント自身の発見を引き出していくことを大事にしています。クライアントが主体的に動き、ご自身で気づきを見つけることはすごく大事だと思います。スクワットに限らず、様々な動作の主体的な発見はその経験自体が人生のさまざまな面において大きなインパクトを与えるものと考えています。 |過去からの学び、そしてコロナ禍での苦労と転機 ー前職での7年間のサラリーマン経験は今の指導に活きていますか? そうですね、一番活きているのは「コミュニケーション力」だと思います。先ほどお話ししたスクワットの例にもつながりますが、相手の話をしっかり聞いて、希望を引き出すことが、トレーナーとしての成果に直結するなと感じています。ただ指導するだけじゃなく、「どうしたらこの人が前向きにトレーニングに取り組めるか」を常に考えています。その姿勢でサービスを提供することは、前職で学んだことがベースになっているなと思いますね。 ーこれまでに苦労したことや乗り越えたきっかけなどあれば教えてください。 トレーナーの初期は業務委託契約だったため、収入が不安定でした。さらに、コロナ禍ではアルバイトをさせてもらっていたフィットネスクラブが営業停止になり、クラブからの報酬がゼロに。これをきっかけに「フィットネスクラブはもう辞めよう」と決心がつきました。元々、これ以上フィットネスクラブで働き続けることに限界も感じてたので、本当の意味でパーソナルトレーニングを仕事にしていかないといけないって気持ちになりました。そのタイミングで、ちょうど業務委託で働かせてもらっていたパーソナルトレーニングジムのメンバーと一緒にオンラインサロンを立ち上げることになりました。当時は自宅でZoomを使ってレッスンを提供するジムや、トレーニング関連のオンラインサロンがちょっとずつ出てきていて、私たちが立ち上げたサロンも幸いなことにうまくいったんです。そのオンラインサロンは、それなりの固定収入につながりましたし、サロンで知り合った方がジムに足を運んでくれるようにもなりました。そこから、仕事が少しずつうまく回り始めた手応えを感じることができましたね。 |逗子での暮らしと日々のインプット ートレーナーとしての業務で1日中お忙しいと思いますが、普段はどのように過ごされていますか? そうですね、日課にしているのは毎朝の妻と犬のこまちとの散歩です。暑い時期なんかは朝5時に出発して、1時間ほど散歩を楽しんでいます。その後、朝ごはんを食べてからジムに行き、セッションに集中。だいたい20時か21時くらいには終わるスケジュールです。ジムは自宅から徒歩10分圏内なので、空いた時間に家に帰って夕方の散歩をしたり、家族と食事をすることもあります。また、現在も週に2回は前職のジムにも出勤しています。逗子から電車で1時間ほどかかりますが、始発駅なので座れるのが助かっています。その時間を使って本を読んだり、移動を学びの時間として活用しています。 ー インプット方法についてご自身で工夫されていることはありますか? 日々のインプットはオンライン学習が中心で、特にPLAZ+やAZCARE ACADEMYを活用しています。オンラインなので、自分のペースで学べるのがいいですね。また、現地講習ではこれまで考えたことがなかったような新しい視点を得られるセミナーに積極的に参加しています。たとえば最近では、A-Yogaを受講したのですが「クライアントとの対話を重視したアプローチ」を学ぶことができ、日々の指導にも大きな影響を与えてくれています。 |今後の目指す姿 ー憧れのトレーナー像はありますか? 私が理想とするトレーナー像は、「家族との時間を大切にしながらも、仕事でしっかりと成果を出せるバランスを実現すること」です。この目標のきっかけとなったのが、前職の施設代表である久野との出会いです。久野は、家族との時間を大切にしながらもトレーナーとして成功されている姿を見せてくれました。当時、トレーナーという職業で安定した生活が送れるのか、家族をちゃんと養えるのかと不安だった私にとって、大きな影響を与えてくれました。私の周りには、家族や自分の時間を極限まで削って仕事に打ち込んで成果を出してるトレーナーがたくさんいます。その情熱や成果を出す姿勢に憧れる部分もありますが、業界全体を考えるとやっぱり家族の時間は大切にしつつ、でも仕事でもしっかりと成果を出すという働き方が広がらないいけない。そうしないとトレーナーが増えていかないと思うんです。私はこのトレーナーという職業、パーソナルトレーニングやフィットネスというものが、もっともっと世の中に広まってほしい。そのためには、トレーニングが良いものだと1人1人にしっかりと伝えていくと同時に、提供する側のトレーナーも増えなければなりません。そう考えると、みんながみんな仕事に全てを注ぐことができる訳ではないので、トレーナーという職業も人生の時間全てを捧げる覚悟を持たずとも成果が出せるものであるべきだと思います。私が目指すのは、家族や自分の時間を大切にしながらも、クライアントに質の高い指導を提供できるトレーナーです。これを実現することで、トレーニングを通じて多くの人がハッピーになり、業界全体がより良い方向に進むと信じています。 ーチャレンジしたいことや目指すべき姿はありますか?...
サミットレポート(1/3)|前日カンファレンス(2024)
10月18日(金)〜20日(日)に開催した「PERFORM BETTER JAPAN SUMMIT 2024」の内容の一部を全3回に分けてご紹介させていただきます。 本日は前日カンファレンスついてご紹介します。 今年は、サミット本体にもご登壇いただいた桂良太郎さん、近藤拓人さんの両名にご自身が主宰するアカデミーの新講座のイントロダクションをご講義いただきました。 テーマ:BPA-CFTイントロダクションコース ボディメイクを効果的に行うためのコンディショニングの理論と実践 - ボディメイクトレーニングに必要な機能改善と動作の秘訣 - 講師:桂 良太郎さん (株式会社 Best Performance Laboratory 代表取締役) 講義概要 今回の講義は、ボディメイク指導に特化したパーソナルトレーナーのために新たに開発された、以下2つのプログラムのイントロダクションの位置付けとなります。 1.現地プログラム:Mentorship Education Program - Fitness Course - メンターシップエデュケーションプログラム - フィットネスコース -2.完全オンラインのeラーニングコンテンツ:BPA-CFT(Certified...
vol.8 動画|スーパーバンドを使用したエクササイズバリエーションのご紹介
今回はオンラインショップで公開中の「MINI BAND & SUPER BAND Lab.」より、スーパーバンドを使用したエクササイズバリエーションをご紹介いたします。 エクササイズの目的や重要なポイントなども詳しく記載しておりますので、ぜひ最後までチェックいただけますと幸いです。 1-Leg Deceleration Against Wall 目的・エクササイズ特性 ハムストリングスと殿筋群の等尺性収縮・伸張性収縮の耐性向上 ターゲット ハムストリングス・殿筋群・コア 使用アイテム ・スーパーバンド 2.9cm幅 パープル ・MEN'S OLYMPIC BAR 20kg ・ラバーバンパープレート 4.5kg 動作手順 1.壁に殿部と足の裏をつける。 2.軸脚の膝は軽く曲げ、壁につけた足の裏にはほぼ荷重しない。 3.体を長く保ち、胸を張ったまま、素早く前傾し、ボトムポジションで2-3秒キープする。 重要なポイント...
【動画】3種のメディシンボールの使い分けと必要な設備
トレーニング施設には定番のメディシンボールですが、目的や施設の事情によって最適な種類が異なります。今回は3種類のメディシンボールのご紹介とトレーニング必要な設備をご紹介いたします。ご検討中の方はもちろんですが、既に導入いただいている施設の方にも更なる有効活用のヒントになれば幸いです。 目的によって使い分ける3種類のメディシンボール 1. 「投げる→受ける」の連続した動作が可能|適度な弾みがあるソフトトスメディシンボール Rotational Perpendicular Medicine Ball Throw Base Non Counter Movement. ソフトトスメディシンボールには適度な弾みがあるため、壁に打ちつけたボールを受け取るといった跳ね返りを利用した動作に適しています。 「投げる」「受ける」の動作を連続して実施したい場合にはソフトトスメディシンボールがおすすめです。 また、表面が滑りにくく掴みやすい形状のため、ボールを受けるのみのエクササイズにも適しています。 【使用アイテム】 ・ソフトトスメディシンボール 3.6kg ・ゲームスピード360 2. 「打ちつける」動作に最適|耐久性が高く弾みにくいジャムボール Lateral Twist Throw ジャムボールは跳ね返りがほとんどなく、壁から近い位置で投げつけても跳ね返りを気にせずに投げることが可能です。 そのため、壁や床に投げつける動作に適しています。 また、表面がラバー素材で破けにくく強度が高いため屋外でもご使用いただけます。 【使用アイテム】 ・ジャムボール...
【FMSテストとは?】理論やメリット、必要な器具をご紹介
日々新たなトレーニング理論が増えていく中で、インプットした内容を日常のクライアント指導にどう活かせばよいか悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。本コラムでは、さまざまな概念やトレーニング理論とそれを現場で活用するために必要な器具や具体的なエクササイズを動画付きでご紹介します。今回は日本でも10年近くにわたりセミナーが展開されている「FMS (Functional Movement Screen) 」をテーマにご紹介します。 FMSとは? FMS(Functional Movement Screen)は、疼痛のないクライアントを対象に、発育発達の原理原則に基づいて、日常生活や労働、スポーツの動作で使用される7つの機能的動作を包括的にスクリーニング・評価するためのシステムです。アメリカのFunctional Movement Systems社が開発したもので、スクワット、ランジ、回旋動作などの7種類の動作を通じて、動作における制限やリスクを見つけ出し、統一された評価基準に基づきスコアリングを行います。このスコアを共通認識することでクライアントやトレーナー、メディカルスタッフなどの関係者と短期的・長期的なトレーニングプランを設定しやすくし、円滑なコミュニケーションを可能にします。FMSは1997年に公表され、NFLや米軍の訓練で傷害予防に大きな効果を上げたことで注目を集め、2004年から世界各国でセミナーが行われています。現在、世界40カ国、16言語で使用され、認定資格者は70,000人にのぼります。その後、スポーツの現場だけでなく、コロラド州の消防局やカリフォルニア州の電力会社での健康経営や労災予防の効果が評価されるなど注目を集めました。2024年現在、MLB、NBA、NFL、NHLなどのドラフトコンバインにも採用。欧州のプロサッカークラブや各国代表チーム、医療機関、企業など幅広い分野で成果を上げています。 FMSについてこちらの動画もご覧ください。https://youtu.be/y77l_zKs5P8?si=-Pk9eeVgMUa_xMCd FMSの7つのテスト これらのテストを通して可動域、バランス、動作の制限からクライアントの現在地を知り、障害の予防から改善エクササイズ、パフォーマンス向上に向けたトレーニングプログラムの策定に役立てます。 1.ディープスクワット2.ハードルステップ3.インラインランジ4.ショルダーモビリティ5.アクティブ・ストレート・レッグレイズ6.トランクスタビリティプッシュアップ7.ロータリースタビリティ FMSを活用する主なメリット 1.ジムで初めてトレーニングをするクライアントの現状把握が容易に ジムで初めてトレーニングをする方の身体の状態のチェックとしてFMSの7つのテストが役立ちます。身体の状態を見極めてトレーニングの効果を最大化するには、目標に向かってトレーニングを始める前にまずはクライアントの身体がどういう状態なのかを正確に把握することが大切です。 2.リハビリテーション後半での評価のひとつに 患部のリハビリテーションが終わりに近づき、患者様に運動を再開・開始いただく際の評価の一つにご活用いただけます。痛みの結果、患部以外の部位へ機能が低下したかを評価することができます。 3.トレーナー間でのクライアント評価軸の統一 評価をトレーナーの主観ではなく、FMSテストに基づくことで個々のトレーナーによる評価の差が生まれにくくなります。また、統一されたテストで評価することでトレーナー間、またはチームスポーツであればメディカル部門や監督コーチとの連携もスムーズになり情報の乖離を防ぐことにも繋がります。 使用器具 FMSテストやセミナーで学ぶコレクティブエクササイズを実施するにあたり、必要不可欠な器具をご紹介します。 1.FMSテストキット 7つのテストを実施する上で必要不可欠なキットです。これ一台でFMSの全てのテストが実施可能です。 2.グレイクックバンド グレイクックバンドはFMS社が自社の推奨するエクササイズを実施するためにデザインし、創業者の一人「グレイクック」の名前がついたエクササイズバンドです。これ1本で幅広く身体の動作機能改善に役立てることができます。 チョップ、リフト、プレス、ASLRエクササイズなど、さまざまなエクササイズに使えるオールマイティなバンドです。 3.ケトルベル...
日本人の健康寿命を100歳へ-リアル・デジタルの双方向から目指す理想の社会 (高尾 勇斗さん)
Trainer's Journeyと題し、新たにスタートしたシリーズ企画。この企画では、精力的に活動されている若手・中堅トレーナーの皆さまにお話を伺い、それぞれが大切にしている指導の理念や、その考えに至った背景、今後の挑戦について深掘りしていきます。第3弾は、SNSやオンラインサロンで「ユウトレ」として大活躍され、2024年には東京都内にご自身の施設「NewAns(ニュアンス)西新宿」を出店し、リアル・デジタル領域の双方で運動指導のサービスを提供している高尾勇斗(たかお ゆうと)さんにお話をお伺いしました。 |安定志向の公務員から夢を追い、トレーナーの道へ ーこれまでの経歴と現在のお仕事について簡単に教えてください。 大学卒業後、大手パーソナルジムに入社。その後、フリーランスのトレーナー・ピラティストレーナーとして活動を始め、現在はオンラインサロンや今年の4月にオープンした施設「NewAns(ニュアンス)西新宿」の運営を行っています。また「ユウトレ」として、主に女性をターゲットにSNSでの発信や書籍の執筆も行なっています。 ートレーナーはいつ頃から目指されていたんですか? 元々は安定志向が強く、公務員になろうとしていました。学生時代は陸上部に所属し体を動かすことが好きだったので、体力が強みになるであろう警察や消防を目指していたんです。ですが、高校3年生のときに受験するもすべて不合格になってしまい意図せず大学に進学しました。諦めきれず公務員専門の予備校に通い、大学4年生の時に公務員試験にようやく合格したのですが、トレーナーという仕事にずっと興味があり卒業後の進路に迷いが生じました。自分で出した結論は、3年ほど公務員として働き、お金を貯めた後にトレーナーとして活動し始めるということでした。夢であったトレーナーは、公務員と比べると平均年収や安定感に不安を覚えたので、先に公務員になろうと考えていました。ただ、そのことを今も一緒に仕事をしている仲間に相談したところ「トレーナーという夢があるのに、遠回りするのは勿体無い。好きなことを仕事にできる環境なのだから、若いうちにチャレンジした方がいい。公務員は後からまた挑戦できる。」と言われハッとし、申し訳ないのですが、公務員の内定を辞退しました。そこからパーソナルトレーニングジムの面接を受けて、トレーナーの道へ進みました。 ー公務員の道を捨ててまで志したトレーナーを目指すキッカケを教えてください。 キッカケは、大学生のときに受けたパーソナルトレーニングの体験です。 独学で筋トレを頑張っていたのですが、成長を実感できずに伸び悩む時期がありました。当時は学生だったので金銭的余裕がなかったのですが、なけなしのお金(苦笑)で、とあるパーソナルトレーナーの方に教えていただきました。スクワット一つの動きでもバーの持ち方、立ち方、腹圧など非常に細かく教えてくださり、そのアドバイスをもとに運動すると、みるみる体にいい変化が生まれていったんです。「トレーナーってなんて素晴らしい仕事なんだ!」と身をもって体感しましたし、その時の感動は今でも忘れられません。そのような良いキッカケ作りができるトレーナーでありたいと考えるようにもなりました。 ー高尾さんといえば「ユウトレ」のイメージが強いのですが、一般向けの動画配信を始めたキッカケを教えてください。 まず、SNSではユウトレという名前で活動しているのですが、名前の「勇斗(ユウト)」と「トレーニング」を組み合わせています。トレーナーになるべくしてなったような名前なのだと、今となっては思います。両親に感謝です。最初はコロナが流行り始めた頃にXで発信していて、その後にYouTubeを始めました。今でこそ女性に向けたような情報がメインですが、実は元々は男性向けに発信していました。当初はフィジーク(総合的な筋肉美を競うカテゴリー)で世界大会に出ていた方の元で働いていました。その方が憧れで、自分自身も筋トレに力を入れていたので発信内容は「体を大きくさせる筋トレ」がメインでした。しかし、その方を見ていると「明らかな才能」を感じるのです。 もちろん、積み重ねた努力が身体にあらわれているのですが、当時の私は「身体の大きさや骨格の差」に敗北感を覚えました。迫力のある筋肉美が評価されるこの分野では戦えないと実感。そうなると、私が発信できることはなんだろう?と考えたときに「簡単さ」を追求することを決めました。当時は、今のように短時間で簡単にできるトレーニング動画があまりなく、多くは解説メインのものでした。「これだ!」とひらめき「時短でわかりやすく」を心がけた動画投稿を続けていくうちに「ユウトレ」という名前も自然と広まっていきました。 |女性をメインに、あらゆる角度から徹底アプローチ ー普段のトレーニング指導について詳しく教えてください。 ジムに通っていただいているお客様の9割以上は女性の方で、20代〜70代と、幅広い年齢層の方にお越しいただいています。また、男性のお客様からもお問い合わせをいただくことがありますが、もちろん入会可能です。初回はカウンセリングとインボディによる体組成の測定、コンディビューを使った自律神経のチェックをします。これらを行う理由はお客様の現在地を知るためです。例えば、体脂肪率が30%を超えていて自律神経の数値が低い場合、体は疲労度が高い可能性があります。その状態で激しいトレーニングをしても逆効果になるので、初回のカウンセリングで何から始めるべきか見極めます。次に、ピラティスマシンを使って、体の可動性を広げ、正しいフォームを学び、体の使い方を改善していきます。今まで使えていなかった筋肉・関節・骨が動くようになり、インナーマッスルが鍛えられ、体の左右差の改善や、動かし方が変わります。元々はピラティスマシンのない環境で運動指導をしていたのですが、身体がガチッと緊張して思った通りに体を動かすことができないお客様が多いなと思っていました。近藤拓人さん含むさまざまな方から学び始めて、最初は身体をリラックスさせることが大事なのだと気がついて、指導にピラティスを取り入れるようになりました。体が整えられたら最後にトレーニングを行います。人の体はもともと多種多様な動きができるのですが、慢性的な運動不足、スマートフォンやパソコンの酷使、大人になり自由に食べ物にアクセスできることからの体重増加などで、本来持っている能力が失われつつあります。だからこそ反り腰・猫背・ストレートネック、筋力の低下、肩こり、腰痛などの体の不調を抱えてしまいます。それらを解決するために、本来持っている能力をよみがえらせるアプローチをします。例えば、重いものを持ってしゃがむ、ぶら下がる、凸凹な床を歩く、ジャンプ(縄跳び)、ボールを勢いよく投げるなど、日常生活ではあまり経験しない(しなくなっている)トレーニングです。体の不調を改善し、バランスが整った状態でトレーニングを行うことで適切に筋肉が鍛えられ、ウエストの引き締め、お尻のたるみ改善、引き締まった背中といった、自分の理想のボディメイクができると思っています。 — ご自身の施設のコンセプトやこだわりについてもお聞かせください。 ジムの内装は、木から感じるぬくもりや優しさを大切にしていて、デザイナーの方や仲間、トレーナーの先輩方と相談しながら作り上げた自慢のジムです。室内にはグリーンやお花を散りばめ、フローラルな香りや柑橘系のアロマを取り入れたおしゃれで心地よい空間を提供しています。更衣室内にあるボディーシートはアユーラのもの。森林浴をしている気分になれる香りで、ジムの雰囲気にもピッタリ。(私のお気に入りのブランドです)そして、床材は最高級なものを。トレーニング業界でも人気の床材をパフォームベタージャパンさんから購入しました。床と足は唯一、接地している部分なので非常に重要。質の悪い床材だと、お客様の体に負担が生じ、長時間働くトレーナーにも悪影響が出ます。またジムといえば、やはりラックやベンチ台。ピラティススタジオではなく「ジム」として推したかったので、導入したかったのですが、ブラックカラーのものがほとんどで、ジムの雰囲気には合いませんでした。そこでパフォームベタージャパンさんに相談したところ、海外からホワイトカラーのラックとベンチ台を輸入することができました。せっかく高いお金を払っていただき、お客様がいらっしゃるので空間づくりにもこだわっています。「ジムらしくない、まるでカフェのような空間ですね」とお客様にも言っていただくことが多いです。通っていただく方々は運動初心者であることが多いので、ピラティスマシンを採用しています。海外では、ご高齢の方がスムーズな歩行をするための練習や筋力が衰えないためにピラティスマシンを用いて運動する光景が多くみられます。それほどハードルが低いです。また、有酸素運動のマシンは曲線美が際立つノルドというブランドからランニングマシンとバイクを導入しました。日本で取り入れているジムは少ない木製のマシンです。廃材を出さない製法で、熟練の職人がひとつひとつハンドメイドしているそう。環境にやさしいコンセプトに惹かれました。ランニングマシンは機械に支配されない、自分で動かすタイプでより消費カロリーが上がるので、効率的です。歩行時に下半身の力の入れ具合に左右差が出ると、地面を蹴る力が均等ではなくなり、さらに姿勢が悪い状態だと、バランス良くマシンの上で歩いたり、走ったりができません。ただ歩くだけ走るだけですが、その差が歴然とあらわれるのが自走式マシンのメリットです。 ーまさに高尾さんのこだわりが詰まったジムですね。ジムでの「アプローチで意識していることはありますか? はい、仲間と作り上げた、とても思い入れのあるジムです。体力レベルの低い方であれば、徒手療法(直接体に触れる手技)や呼吸、脱力やリラックスを促すアプローチをします。また、体力レベルの高い方であれば、認識判断行動が伴う実行機能訓練(例:日常生活でつまずきやすい方であれば、脳や目、身体の反射神経などを養うためにランダムで光る複数の手のひらサイズのボタンを目の前に置き、光った瞬間にボタンにタッチしてもらう)やウェイトトレーニング、ストレングス(身体の動きをより良くする、パフォーマンスアップ)などのトレーニングも行います。そのほかに日常生活の過ごし方についてもご提案しています。例えば自律神経を測る機械のコンディビューの測定結果の数値が低い場合には、交感神経や副交感神経の機能を高めるための方法として、うがい、冷水を浴びる、お腹を温める、耳栓やアイマスクなどの具体的な提案をお伝えしています。 |「ユウトレ」としてSNSの発信も毎日継続 ー1日の過ごし方を教えてください。 起床後、勉強やSNSのコメント返事&いいねを押しながらチェックします。その後、10時〜22時でジムのお客様を対象にパーソナルトレーニングを10本程度セッションしています。その間に空き時間があれば、所属トレーナーの研修、SNS更新、オンラインサロンの資料作成などをして、日によってはオンラインサロンのライブ配信もしています。 — 学習はどのようにされていますか? 主にオンラインではAZCAREとPLAZ+で勉強しています。身体に関わることのほとんど全てを網羅されていて、そこから気になることを徹底的に調べています。内容がどんどんアップデートされていくので、とても楽しく学べています。 実際に足を運ぶセミナー関連では、今はA-yoga(リハビリとヨガの要素を組み合わせたもの)の半年コースに通っています。過去にはフランス発祥のスポーツ「パルクール」、ランニングのパフォーマンスアップを狙うもの、脳・視覚・聴覚などの機能・生理学にまつわるセミナーなどを受講しました。お客様ひとりひとりのニーズを汲み取るためには多くの知識が必要なため、なるべく多くの分野を追究することを心がけています。 —...
バルスライドを使ったエクササイズ3選
今回は人気のバルスライドのエクササイズをご紹介いたします。定番の自重トレーニングからケトルベル、ウォーターバッグを活用したエクササイズバリエーションまで、動画と合わせて説明しております。ぜひ最後までチェックいただけますと幸いです。 1.Shoulder Circle 使用器具:バルスライド、ミニバンド 手順 ・バルスライドの上に片手を置いて腕立て伏せの体勢を作る・バルスライドに置いていない方の手で身体を安定させながら、バルスライドを滑らせて肩で円運動を行う 2.Lateral Lunge 使用器具:バルスライド、アクアバッグ、スタッカブルステップ 手順 ・ステップ台に立ち、片足をバルスライドの上に置いて、ウォーターバックを抱える・バルスライドの上に片足を置いて伸ばした状態を維持しながら、ステップ台に乗せた足を曲げてバルスライドを横に滑らせる 3.Reverse Lunge 使用器具:バルスライド、ケトルベル 手順 ・バルスライトの上に片足を置いて、ケトルベルを同則の手の肩の位置で持つ・バルスライドに置いた側の足を後ろに滑らせながら、軸足は重心を掛けたまま膝を曲げる バルスライドは人工芝、フローリング、カーペットなどの床材が適していますのでラバーマットの上ではスライドボードをご使用ください。 株式会社パフォームベタージャパン
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