COLUMN
感覚運動科学とストレングス(近藤 拓人先生)|ウェビナーレポート
今回は、先日開催した近藤 拓人先生による無料ウェビナー「感覚運動科学とストレングストレーニング -出力を最大化する感覚入力」の内容の一部をご紹介します。 近藤先生は10/17〜18に開催するパフォームベタージャパンサミット2026にもご登壇いただきますのでご検討中の方はぜひご確認ください。 ■テーマ:感覚運動科学とストレングストレーニング -出力を最大化する感覚入力 ■開催日:2026年5月5日 ■講師:近藤 拓人(AZCARE代表,NEXPORT代表) トレーニングの全体像(5つのブロック) トレーニングを単体で捉えるのではなく、5つのブロックを統合してアプローチしています。 ・トリートメント:運動しやすい環境づくり・コレクティブ:動作パターンの是正・ストレングス:筋機能の向上・ムーブメント:実環境に近い運動・エアロビック:持久的能力の向上 それぞれが独立しているのではなく、段階的かつ相互に影響しながら機能する構造として整理されています。 ストレングストレーニング ストレングストレーニングでは、 ・構造的な変化(筋肥大)・神経的な変化(筋力・パワー)・競技特異的な変化 といった側面が扱われます。 筋肥大を達成するためには仕事量が必要であり、そのためには外部負荷を用いることが重要とされています。 低負荷で同様の仕事量を確保しようとすると、反復回数が増加し、時間効率やストレスの観点で課題が生じます。 動的安定性と感覚運動システム ストレングストレーニングに先立ち、動的安定性の獲得が重要とされています。 動的安定性は、 ・体性感覚・視覚・前庭覚 といった感覚情報を統合し、環境の変化に応じて身体を制御する能力です。 前庭機能が適切に働かない場合、脳は身体が不安定であると判断し、筋緊張を高めることで安定性を確保しようとします。 この状態では過剰な緊張が生じ、運動出力に制限がかかる可能性があります。 下降局面におけるコントロール スクワット動作において、下降局面(エキセントリック)は上昇局面(コンセントリック)よりも制御が難しいとされています。 下降局面では、 ・床反力の低下・弾性エネルギーの利用・外力のコントロール...
感覚運動科学とストレングス(近藤 拓人先生)|ウェビナーレポート
【講師紹介】阿部 勝彦先生|パフォームベタージャパンサミット2026
パフォームベタージャパンサミット2026にご登壇いただく講師を紹介させていただきます。 今回はSTRIDE ReMOV チーフテクニカルオフィサーの阿部勝彦さんです。 プロフィール 阿部勝彦さん STRIDE ReMOV CTO。 EXOSを経て東京ヤクルトスワローズ ハイパフォーマンスディレクターを歴任。 東京2020バスケ日本代表をはじめ多競技のエリート選手を国内外で指導。 トレーナー・指導者向けセミナーや講演も国内外で精力的に実施。 現在はSTRIDE ReMOV にて足部から全身の機能統合を推進し、足の機能テスト(FACT)で足への気づきと健康意識を広く一般に届ける。 タイトル&抄録 「すべての一歩から 〜足部機能と靴環境がパフォーマンスを変える〜」 「すべての一歩」が、パフォーマンスと健康寿命を支えています。 長年、トップアスリートからリハビリ層まで幅広く現場で指導する中で見えてきたのは、足部こそが運動連鎖の最後の1ピースであるという事実です。 世界トップレベルの選手でも、足部機能の不全が伸び悩みや慢性障害の根本原因になっているケースは少なくありません。 本講義では、足部解剖と歩行・走行メカニクスを整理した上で、S+3P(Sensory・Position・Pattern・Power)という段階的フレームワークを紹介します。 さらに「靴という環境設定」が運動連鎖に与える影響にも踏み込み、講義と実技を通じて、明日から指導現場で使える評価とエクササイズを体系的にお伝えします。 パフォームベタージャパンサミット2026 概要 ・日程:2026年10月17日(土)~18日(日)・会場:東都大学・幕張国際研修センター(千葉県千葉市美浜区ひび野1-1)・参加費:27,500円(8月中のお申し込みは22,000円) / 学生16,500円 *複数の講義が同時に進行しますので、全ての講師のセミナーを受講できる訳ではございません。...
再現性のあるコンディショニング指導法(荒井 秀幸先生)|ウェビナーレポート
今回は、先日開催した株式会社R-body の荒井秀幸先生による無料ウェビナー「知識・経験ゼロからでも結果が出せる!再現性のあるコンディショニング指導法」の内容の一部をご紹介いたします。 荒井先生は10/17〜18に開催するパフォームベタージャパンサミット2026にもご登壇いただきますのでご検討中の方はぜひご確認ください。 ■テーマ:知識・経験ゼロからでも結果が出せる!再現性のあるコンディショニング指導法 ■開催日:2026年4月7日 ■講師:荒井 秀幸 (株式会社R-body Chief Technical Officer) コンディショニングを適切に行うために大切なこととは コンディショニングの必要性自体は広く認識されていますが、 現場では ・改善してもすぐに戻ってしまう ・トレーニングをしているのに不調が残る といったケースが少なくありません。 これは「何をやるか」ではなく、「どのように・なぜ行うか」が整理されていないことが一因です。 コンディショニングは、単発のエクササイズではなく、身体の状態を段階的に変化させていくプロセスとして設計される必要があります。 再現性とは“技術”ではなく“構造” 「再現性」は、特定のスキルや経験に依存するものではなく、「同じ手順・同じ考え方で進めれば、一定の結果に繋がる構造」です。 実際に、経験豊富なコーチだけでなく、トレーナー未経験者であっても短期間の学習を通じて改善を引き出せている点は、この“構造化された指導”の特徴を示しています。 コンディショニングの一例 実技パートでは、肩こりへのアプローチを例に、 1.筋緊張の抑制(インヒビション) 2.安定性の獲得(アクティベーション) 3.動作への統合(インテグレーション) という流れで進められました。 ここで重要なのは、それぞれが独立したエクササイズではなく、「次の段階に繋げるための準備として位置づけられている」という点です。 例えば、筋肉を緩めるだけでは不十分であり、その後に安定性を作り、最終的に動作に統合されなければ、日常生活や競技動作には繋がりません。 「できるようになる」で終わらせない...
再現性のあるコンディショニング指導法(荒井 秀幸先生)|ウェビナーレポート
慢性疲労に対する栄養療法(川合 智先生)|ウェビナーレポート
今回は、先日開催した川合 智先生による無料ウェビナー「慢性疲労に対する栄養療法」の内容の一部をご紹介します。 ご参加いただけなかった方や、復習したい方は是非ご確認ください。 ■テーマ:慢性疲労に対する栄養療法 ■開催日:2026年4月24日 ■講師:川合 智(日本統合療法株式会社代表取締役) 慢性疲労は「未病」として捉える 慢性疲労というと「疲れが抜けない状態」と捉えられがちですが、今回のウェビナーではまずこの前提が整理されました。 血液検査などで異常が見つからないにも関わらず、日常生活に支障をきたすほどの不調が続く状態。 このような状態は、「健康」と「病気」の間にある未病として捉えられます。 現場でも、 ・朝起きられない ・十分に寝ても疲れが取れない ・日中の集中力が続かない といったケースに多く遭遇しますが、こうした状態こそが慢性疲労の入り口である可能性があります。 なぜ疲労は抜けないのか? 慢性疲労は単一の原因ではなく、構造的に起きています。 特に重要な要素として ・慢性炎症・低血糖・消化機能の低下 上記3つが挙げられます。 これらは独立しているのではなく、相互に影響し合いながら悪循環を生み出します。 例えば、慢性炎症によってホルモンバランスが乱れ、血糖コントロールが不安定になり低血糖を引き起こす。 さらに交感神経の過活動により消化機能が低下し、栄養の吸収効率が落ちる。 このような連鎖によって、「回復できない状態」が続いてしまうと考えられます。 トレーナーが見落としやすい視点 運動が必ずしも改善につながるとは限らないという点は重要なポイントです。 慢性疲労の状態では、 ・トレーニングによる炎症の増加 ・回復ホルモンの消耗...
慢性疲労に対する栄養療法(川合 智先生)|ウェビナーレポート
【大好評】足から変える運動連鎖(阿部 勝彦先生)|ウェビナーレポート
今回は、先日開催した阿部 勝彦先生による無料ウェビナー「足から変える運動連鎖 ー 足部機能の再構築によるパフォーマンス向上戦略 ー」の内容の一部をご紹介します。 本テーマは2月6日にも実施されており多くの反響をいただき、今回も見逃した方や再受講のニーズを受けて開催となりました。 基本構造や理論の整理については、以下のコラム記事にてご紹介しています。https://www.performbetter.jp/blogs/column/20260220 ご参加いただけなかった方や、復習したい方は是非あわせてご覧ください。 ■テーマ:「足」から変える運動連鎖 ー 足部機能の再構築によるパフォーマンス向上戦略 ー ■開催日:2026年3月19日 ■講師:阿部 勝彦 (Stride ReMOV チーフ テクニカル オフィサー) 本ウェビナーのポイント ・足部昨日は「横アーチ」を含めた構造理解が重要 ・内在筋、感覚入力を含めたフットコアという考え方 ・エクササイズだけでなく環境設定(シューズ)も重要な要素 足から変わる運動連鎖という視点 トレーニング指導において、体幹や股関節へのアプローチは一般的ですが、一方で「足部」への介入は見落とされがちな領域でもあります。 しかし実際の現場では、筋力や体幹機能が向上しているにも関わらず、ケガを繰り返すケースが見られます。 その一因として挙げられるのが、足部の機能低下です。 足部の状態は、 偏平足 → 下腿内旋...
誰も語らないトレーニングの心理的側面:Susanah Fisher寄稿
日々新たなトレーニング理論が増えていく中で、インプットした内容を日常のクライアント指導にどう活かせばよいのか悩んでいるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。 本コラムでは、最新のトレーニング理論やそれを現場に活用するために必要な情報をご紹介します。ぜひ、日常の指導にお役立ていただけますと幸いです。 今回はフィットネス愛好家であり心理学の専門家として、トレーニングにおける精神的・感情的側面の探求に取り組んでいる Susanah Fisher がPERFORM BETTER本社のブランドサイトに寄稿した「The Psychological Side of Weight Training No One Talks About」をご紹介します。 トレーニングにおいて見過ごされがちな心理的な恩恵と課題に光を当て、身体と心の両面におけるバランスの取れたアプローチを啓蒙しているSusanah Fisherのコラムをぜひ最後までご一読ください。 誰も語らないウェイトトレーニングの心理的側面 ウェイトトレーニングは、身体だけを変えるものではなく、日々の自己認識にも影響を与えます。トレーニングの心理的側面は、自己対話、自信、そしてアイデンティティに現れます。1回1回の反復動作は、静かな「忍耐と信念のテスト」です。進歩は非常に個人的なものであるため、誇りもフラストレーションも強く感じます。多くのフィットネス情報では、こうした「心の負荷」については語られていません。トレーニングをストレス対処の手段として活用することもあります。しかし、結果が出にくい時期には、プレッシャーが急激に高まることもあります。調子が良く、何でもできるように感じる日もあります。一方で、バーベルよりも「不安の声」の方が大きく感じられる日もあります。継続、集中、長期的な成長。 それらを左右するのは、最終的には「精神状態」です。 数字・比較・そして自信の罠 ウェイトトレーニングは、気づかないうちに自信に影響を与え、自己ベスト更新を狙う日は、プレッシャーが急速に高まります。一方で、技術やコントロールに焦点を当てると、比較的落ち着いた状態を保てます。わずかな重量の変化でも、数値を自己評価と結びつけてしまい、自己不信につながることがあります。そしてSNSがこの傾向をさらに強めます。トレーニングの進歩が「公開されたスコア」として扱われ、実際には成長していても、他者と比べて遅れているように感じ、休養日は「怠けている」と罪悪感を抱くこともあります。強いメンタルは現実的で自分に正直な期待から始まります。他人と比較せず、自分の生活に合った目標を設定し、重量だけでなく、努力、睡眠、フォームも記録してください。この視点の変化がストレスを軽減しトレーニングを安定させ、繰り返し実行できることに集中することで、自信は積み上がります。 燃え尽き症候群・退屈・「なぜやっているのか分からない」時期 しっかりトレーニングを行い、食事にも気を配っていても、モチベーションは低下することがあります。「ジムには行くものの、ぼんやりして、気持ちが乗らない。」そのような状態になることもあります。しかし、それは失敗を意味するものではなく、多くの場合は回復が不十分なまま負荷をかけ続けているサインです。 燃え尽きは以下のように現れます。 ・ハードなトレーニング前に気が重くなる ・セット中にイライラを感じる ウォーミングアップを省いたり、レップ数を急いでこなしたり、途中で切り上げるといった行動も見られます。トレーニングが進歩していても、精神がそのプロセスに抵抗している状態です。必要なことは「継続可能なプログラム」です。ハードな日を1日減らし、軽めの負荷を正しいフォームで実施して、新しい種目を取り入れて集中力をリフレッシュしましょう。また、生活が不安定な時期は、セッション時間も短くする。これらの小さな成功がトレーニングの勢いを回復させ、その勢いがモチベーションを取り戻します。トレーニングは「エネルギー」に合わせるべきであり、「エゴ」に合わせるべきではありません。 種目ごとに異なる心理的負荷...
誰も語らないトレーニングの心理的側面:Susanah Fisher寄稿
腰痛改善エクササイズ(根城 祐介先生)|ウェビナーレポート
今回は、先日開催した根城 祐介先生による無料ウェビナー「腰痛改善エクササイズ:コンディショニングからトレーニングにおけるミニバンド&スーパーバンド活用法」の内容の一部をご紹介します。 ■テーマ:腰痛改善エクササイズ: コンディショニングからトレーニングにおけるミニバンド&スーパーバンド活用法 ■開催日:2026年3月10日 ■講師:根城 祐介 (Active-Aid Program 代表) 伸展型腰痛のポイント 伸展型腰痛に対するアプローチでは、単に腰痛という括りで対応するのではなく、 「なぜその代償が起きているのか」を整理することが重要です。 テンプレート的なアプローチでは改善率が上がりにくく、原理原則に基づいて身体の状態を捉えることで、より再現性の高い介入が可能です。 特に重要な要素として以下が挙げられます。 ・脊柱にかかる軸圧のコントロール ・胸椎・胸郭の可動性 ・体幹部の安定性(ダイナミックスタビリティ) これらをベースにアプローチを組み立てることが、改善への第一歩となります。 機能解剖学に基づくアプローチの手順 伸展型腰痛へのアプローチは、段階的なプログレッションが重要です。 基本的な流れは以下の通りです。 1.呼吸と体幹の安定化(等尺性収縮) 2.四つ這いなど低負荷環境でのコントロール獲得 3.マーチングによる代償の評価と修正 4.座位・立位への移行 5.回旋動作・外乱刺激の導入 この過程では、支持基底面を徐々に狭くしながら負荷を高めていくことがポイントです。また、エクササイズ中は常に 「矢状面・前額面・水平面」の3方向から代償動作を評価することが求められます。 ミニバンド・スーパーバンドの特性...
腰痛改善エクササイズ(根城 祐介先生)|ウェビナーレポート
【シリーズ最終回】感覚運動科学の基礎(近藤 拓人先生)|ウェビナーレポート
今回は、先日開催した近藤 拓人先生による無料ウェビナー「感覚運動科学の基礎」の内容の一部をご紹介します。 本テーマはこれまで4回開催してきた人気シリーズで、今回がシリーズ最終回となります。 これまでのレポートよりもより詳しくまとめますので是非最後までご確認ください。 ■テーマ:感覚運動科学の基礎 ■開催日:2026年2月11日 ■講師:近藤 拓人(AZCARE代表,NEXPORT代表) 運動療法を整理する4つの領域 運動を考える際には、まず運動の強度や目的によって領域を整理しておく必要があります。 講義では、運動を大きく次の4つの領域に分けて捉えていました。 ・低域値(低強度の動作) ・中域値(跳ぶ・投げるなど多様な運動) ・広域値(筋力トレーニング) ・競技特異的動作 日常生活の動きからスポーツパフォーマンスまでを考えると、これらの領域すべてにアプローチできる環境が理想になります。 運動療法を構成する5つのブロック 実際の運動指導では、次の5つのブロックを組み合わせながらプログラムを構成していきます。 トリートメント 慢性的な痛みを抱えるクライアントの場合、組織の損傷そのものよりも ・その部位を使うことへの恐怖 ・過度な防御反応 といった要素が影響していることがあります。 そのため、最初の段階では身体を動かすことへの不安を取り除き、運動に移行しやすい状態を作ることが重要になります。 コレクティブ(是正) 次の段階では、低強度の運動制御を学習していきます。 ここで有効な手段の一つがピラティスエクササイズです。 ピラティスマシンのスプリングは動作の開始時に負荷が小さく、後半で負荷が大きくなるという特性があります。 この環境では、過緊張があるクライアントでも無理なく動作を学習することができます。 ストレングス...
【シリーズ最終回】感覚運動科学の基礎(近藤 拓人先生)|ウェビナーレポート
アクアバッグの活用法(根城 祐介先生)|ウェビナーレポート
今回は、先日開催した根城 祐介先生による無料ウェビナー「コンディショニングからトレーニングにおけるアクアバッグの活用」の内容の一部をご紹介します。 アクアバッグは多くの現場で活用されているツールですが、本講義では「原理原則を理解して使えているか?」という問いからスタートし、基礎から応用まで体系的に整理されました。 ■テーマ:コンディショニングからトレーニングにおけるアクアバッグの活用 ■開催日:2026年2月10日 ■講師:根城 祐介 (Active-Aid Program 代表) アクアバッグ/アクアボールの原理原則 原理原則とは、地球上で生活する限り変わらない不変の法則です。アクアバッグにおけるそれは、「変化する」という点にあります。 内部の水は液体であるため、動作に伴って形状や重心が常に変化します。移動方向に対しては慣性が働き、水は一度その場に留まろうとし、追従し、揺れ戻ります。 この揺れに対して身体をどう制御するかにアクアバッグ活用の本質があります。 有形と無形の違い ダンベルやケトルベルは重心が確定した「有形」の器具です。一方、アクアバッグは水の変化により重心が不確定な「無形」の器具であり、以下の特徴を持ちます。 ・重心が常に変動する ・負荷ベクトルが変化する ・内的・外的要因によって揺れが増幅する 原理原則を理解せずに使用すると、不安定性をむしろ助長する危険があるため、注意が必要です。 有効なコンディショニング部位 アクアバッグ/アクアボールは万能ではありません。重要なのは「どの部位にどんな制御を求めるか」という視点です。 揺れる負荷を保持することで、身体はフィードフォワード機構を通じて体幹を安定させます。その土台があってはじめて、四肢の動作が成立します。 スタビリティは、緊張や固定ではなく、必要な瞬間だけ安定できる能力である、という点が重要です。 使用に注意が必要なケース ・関節の不安定性が強い状態 ・痛みがある状態(ペインフリーでない) ・緊張で固定されている状態 まずは自重で安定できる状態を獲得した上で、外乱を加えることが重要です。 活用方法(エクササイズ)...
アクアバッグの活用法(根城 祐介先生)|ウェビナーレポート
足から変える運動連鎖(阿部 勝彦先生)|ウェビナーレポート
日頃よりパフォームベタージャパンをご愛顧いただきましてありがとうございます。 今回は、先日開催した阿部 勝彦先生による無料ウェビナー「足から変える運動連鎖 ー 足部機能の再構築によるパフォーマンス向上戦略 ー」の内容の一部をご紹介します。 ■テーマ:「足」から変える運動連鎖 ー 足部機能の再構築によるパフォーマンス向上戦略 ー ■開催日:2026年2月6日 ■講師:阿部 勝彦 (Stride ReMOV チーフ テクニカル オフィサー) 「足」に介入するようになったきっかけ アスリートのパフォーマンス改善や傷害予防に取り組む中で、「動作を整えても再発する」「上半身を改善しても下肢の不安定性が残る」といったケースを繰り返し経験したことにあります。 スクワットやRDLなどのフォームを整えても安定しない選手を分析した結果、原因が“足部の機能不全”にあるケースが多いことに気がつきました。 足は単なる接地面ではなく、身体全体の運動の出発点であり、感覚入力の基盤です。 ここを整えなければ、上位関節の再教育は不完全になります。 足の機能解剖(構造&アーチ) 足部は26個の骨、33の関節、100を超える靭帯・筋群から構成されています。 前足部・中足部・後足部の3パートに分かれ、その複雑な構造が剛性と可動性を両立させています。 特に重要なのが「アーチ構造」です。 ・内側縦アーチ ・外側縦アーチ ・横アーチ 横アーチを「ピザ」に例え、一切れでは崩れますが、円形になることで剛性が高まります。 横アーチは足部剛性の約40%を担い、推進力生成に大きく関与しています。 アーチが崩れることは、力の伝達効率が低下することを意味します。...
足から変える運動連鎖(阿部 勝彦先生)|ウェビナーレポート
運動指導の「気付き」の瞬間|Michael Boyle氏寄稿
日々新たなトレーニング理論が増えていく中で、インプットした内容を日常のクライアント指導にどう活かせばよいのか悩んでいるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。 本コラムでは、最新のトレーニング理論やそれを現場に活用するために必要な器具をご紹介します。ぜひ、日常の指導にお役立ていただけますと幸いです。 今回は Mike Boyle Strength & Conditioning(MBSC)の創設Michael BoyleがPERFORM BETTER本社のブランドサイトに寄稿した「Mike Boyle's "Ah-Ha" Moments」をご紹介します。 トップアスリートのトレーニング指導者としてはもちろん、民間のトレーニング施設としても成功を収めているMBSCの創業者としても活躍中のMike Boyleコラムをぜひ最後までご一読ください。 マイク・ボイルの「Ah-Ha(気づき)の瞬間」 私の親友であるアルウィン・コスグローブは、「Cosgrove’s Five Ah-Ha! Moments: The Education of a Misguided Trainer」という記事を書きました。アルウィンは様々な面で私にインスピレーションを与えてくれます。多くの場合、それは彼が二度がんを克服したという人生経験から来るものです。しかし今回は、彼の文章そのものから大きな刺激を受けました。 以下は、リハビリ、トレーニング、栄養に関する私自身の「Ah-Ha(気づき)」の瞬間の数々です。これまでの常識を覆されるかもしれません。 まず最初に、あなたがまだ聞いたことのない最も賢い人物を簡単に紹介します。これまでビル・ハートマンがその称号を持っていたと言われていましたが、今や多くの人が彼の卓越性を知っています。私が今回「世に知られていない天才」と推薦したいのは、理学療法士の Dr. Dan...
運動指導の「気付き」の瞬間|Michael Boyle氏寄稿
TUSS(不安定な接地面上でのトレーニング)|近藤 拓人先生|ウェビナーレポート
今回は、先日開催した近藤拓人先生による無料ウェビナー「TUSS(不安定な接地面上でのトレーニング)の活用法」の内容の一部をご紹介します。 TUSSの理論的背景と実践的な活用方法について解説いただきました。 不安定面での運動がもたらす神経筋への影響や、目的に応じた効果的な導入のポイントを整理し、現場ですぐに活かせる内容となりました。 ■テーマ:TUSS(不安定な接地面上でのトレーニング)の活用法 ■開催日:2026年1月24日 ■講師:近藤 拓人 氏(AZCARE代表/NEXPORT代表) TUSSとは? TUSS(Training on Unstable Surface)とは、BOSUやバランスディスクなど不安定な接地面上で行うトレーニングの総称です。 近年は「不安定だから良い」ではなく、「不安定性をどのように活用するか」という目的意識が重要とされています。 この考え方は、神経筋制御や感覚統合の理解にも直結しており、姿勢・動作の再学習の一環として位置づけられます。 現場では、リハビリからアスリートへの感覚の再教育まで幅広く応用されており、目的の明確化が最も重要なポイントとなります。 メリット 1.筋活動の増大 不安定面上では姿勢保持に関わる深層筋の活動が増し、局所的な筋活動が増大する。 姿勢安定を目的としたトレーニングとして有効です。 ただし、力を発揮するトレーニングではなく、姿勢を保ちながら協調的に動く練習として捉える必要があります。 2.固有受容感覚の強化 不安定面での運動は、関節内の固有受容感覚を賦活させる効果があります。 慢性足関節不安定症のリハビリなどで有効とされています。 不安定性の程度を段階的に設定することで、末梢からの感覚入力を安全に高めることができます。 3.運動連鎖の促進 不安定環境では体幹と四肢が協調して働くため、運動連鎖を促進する効果があります。 特に姿勢制御や動作学習に応用できます。 スポーツ現場では、全身の連動を意識づける“プレトレーニング”として導入されるケースも多いです。 デメリット 1.特異性の原則...
TUSS(不安定な接地面上でのトレーニング)|近藤 拓人先生|ウェビナーレポート
アスリートにおける腰痛(根城 祐介先生)|ウェビナーレポート
今回は、先日開催した根城 祐介先生による無料ウェビナー「アスリートにおける腰痛」の内容の一部をご紹介します。 競技現場で多くみられる非特異性腰痛をテーマに評価・分析・エクササイズの実際を通してアプローチの考え方を解説いただきました。 ■テーマ:アスリートにおける腰痛 ■開催日:2026年1月20日 ■講師:根城 祐介 (Active-Aid Program 代表) 非特異性腰痛の特徴 腰痛の約8割を占めるといわれる「非特異性腰痛」は、レントゲンやMRIなどの画像診断で原因が特定できないタイプの腰痛を指します。 構造的な損傷だけでなく、動作・姿勢・負荷のかかり方・可動性のアンバランスといった複合的な要因が重なって生じるケースが多いです。 アメフト選手を対象にした調査では、約3割が腰痛を抱えており、シーズンを棒に振る選手も少なくありません。 全競技の怪我のうち約10〜15%が腰痛関連であり、繰り返し動作や過度な姿勢保持が大きなリスク因子となっています。 腰痛リスクを高める動作として「屈曲」「回旋」「不良姿勢での反復」が挙げられ、競技種目に限らず、日々の動作や負荷の蓄積が負担となっているかを観察する姿勢が求められます。 動作分析 アスリートの腰痛は、運動時間・強度・特異的動作の3点が一般的なケースと大きく異なります。 高強度で非日常的な動きを繰り返すことで、腰部へのせん断ストレスが増し、股関節・体幹・胸郭の連動性が崩れることが痛みの要因になります。 股関節のモビリティが低下すると、体幹が代償的に動いてしまい、結果的に腰部へ過剰なストレスが集中します。 股関節と体幹の協調を欠いた瞬間に“画像には映らない腰痛”が起こるという考え方は、腰痛を「構造的損傷」ではなく「動作の破綻」として捉える重要な視点となります。さらに、体幹と骨盤の位置関係が崩れると、力の伝達効率や軸回旋も乱れ、パフォーマンス低下や慢性的な負荷の蓄積につながります。 ニュートラルポジションの維持が腰部保護とパフォーマンス両立の鍵になります。 エクササイズ 腰痛の改善や再発予防においては、体幹のスタビリティと胸郭のモビリティを中心に再教育することが重要です。 股関節の働きを引き出すためには、その上位構造である体幹・胸郭の機能を整える必要があります。 体幹スタビリティエクササイズ(三ヶ月ポジション) レバーベルを使用し先端に負荷をかけた状態で叩く動作を行うことで、腹圧を保ちながら上肢を動かす。 ミニバンドを膝に装着し股関節外転を加えることで、フィードフォワード型の安定性が高まり、体幹と下肢の協調が促されます。 胸郭モビリティエクササイズ 片手で支え、もう一方の手でスライドさせながら胸郭の回旋と伸展を引き出す動作です。 バルスライドを使うことで、物体を操作しながら自分の身体を制御する感覚を養うことができます。...
アスリートにおける腰痛(根城 祐介先生)|ウェビナーレポート
Q&Aに回答|ヒップロックを徹底解説!(九鬼 靖太先生)|ウェビナーレポート
今回は、昨年末に開催した九鬼靖太先生による無料ウェビナー「Contextual Strength Training の基礎と応用 -ヒップロックの徹底解説-」の内容の一部をご紹介します。 先日の公開したレポートではCST理論とヒップロックのメカニズム、エクササイズを中心にお届けしました。 今回は、ウェビナー後半に行われたQ&Aセッションより、参加者から寄せられた質問と九鬼先生の回答を抜粋してお届けします。 ■テーマ:Contextual Strength Training の基礎と応用 -ヒップロックの徹底解説- ■開催日:2025年12月28日 ■講師:九鬼 靖太 (大阪経済大学 人間科学部 准教授、CST講師) Q1.九鬼先生は基礎的筋力トレーニングの指導はされますか?また、S&Cコーチに文脈的筋力トレーニングの理解を求めますか? A: もちろん私も基礎的筋力トレーニングもやります。 筋力やパワーといった身体リソースがなければ、パフォーマンスの向上はあり得ません。 一方で、それだけでは競技動作には直結しない。 だからこそ、基礎的筋力をしっかり持った上で「文脈的なトレーニング」で橋渡しをする必要があります。 S&CコーチにはCSTの考え方を理解してもらえるとありがたいですね。 「ベースを上げてくれているから、次はこういう動きに発展できる」と共有しやすくなります。 Q2.ヒップロックをエクササイズとして行うと“ヒップロックが上手くなる”と思いますが、その結果、基礎的筋力トレーニングの効果を競技動作に活かせるという理解で合っていますか?また、これはCST全体にも当てはまりますか? A: はい、その理解で大丈夫です。 ただ、ヒップロックという形を作ることに意味があるのではなくて、腰部を側屈する力が出るというところがすごく重要です。 ヒップロック動作を通して骨盤が動くようになると、基礎的な筋力で得た力を競技動作に「転写」できるようになります。 CST全体で考えても同じで、筋力を“どう使うか”を学ぶことが目的です。...
Q&Aに回答|ヒップロックを徹底解説!(九鬼 靖太先生)|ウェビナーレポート
ヒップロックを徹底解説!(九鬼 靖太先生)|ウェビナーレポート
今回は、昨年末に開催した九鬼靖太先生による無料ウェビナー「Contextual Strength Training の基礎と応用 -ヒップロックの徹底解説-」の内容の一部をご紹介します。 ベーシックな筋力トレーニングと競技動作の間を埋める“中間領域”として注目を集めるCST(Contextual Strength Training)。 本講義ではその理論的背景と実践的アプローチをもとに、CSTの中核をなす「ヒップロック」について詳しく解説いただきました。 ■テーマ:Contextual Strength Training の基礎と応用 -ヒップロックの徹底解説- ■開催日:2025年12月28日 ■講師:九鬼 靖太 (大阪経済大学 人間科学部 准教授、CST講師) CST(Contextual Strength Training)とは? CSTとは、競技パフォーマンス向上を目的とした文脈的ストレングストレーニングであり、以下の3つの要素を統合したアプローチを指します。 1.特異的な負荷の提供 - 筋力トレーニングや競技動作の反復だけでは得られない負荷を与える。 2.運動学習の理論活用 - 競技動作のコアとなるアトラクターを学習し深化するための学習機会を提供する。 3.競技動作への転移 - 実際の競技場面で発揮される動作を意識したトレーニングを構築する。 以上の内容を網羅的に学習するために、DMC(動的運動制御)、MLT(運動学習理論)、SSM(競技特異的動作)の3コースを認定しています。...
ヒップロックを徹底解説!(九鬼 靖太先生)|ウェビナーレポート
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