今回は、先日開催したBest Performance Laboratory 様との無料コラボウェビナー第六弾の後編をご紹介いたします。
(前編の記事はこちら)
■テーマ:スポーツパフォーマンス向上と傷害予防のためのコンディショニング -ツールを用いた制約主導アプローチの実例 -
■開催日:2025年3月29日
■講師:桂 良太郎 (株式会社Best Performance Laboratory 代表取締役)
制約主導アプローチ × メディシンボール
「制約主導アプローチ(Constraints-Led Approach)」では、“何を意識させるか”ではなく、“どのような状況に置くか”で動作を引き出すという考え方が重要視されます。
今回は、動作の制約として活用する3種類のメディシンボールに焦点を当て、ツールごとに異なる活用方法を、具体的なエクササイズとともに紹介いただきました。
ソフトメッドメディシンボール|特徴とエクササイズ例
軽量で片手でもしっかり握ることができる設計により、従来の大きなメディシンボールでは難しかった片手のスローイングやピッチングなどの回旋動作を安全かつ効果的なトレーニングができます。 この特性により、肩関節の外旋動作や片手操作を必要とする競技(野球、テニス、ハンドボールなど)におけるパフォーマンス向上と、傷害予防の双方に有効です。
Side Lying ER Toss / Upward ER Toss Standing
■ポイント
ボールが落下する時に手のひらを通過してから追いかけてキャッチすること。
→エキセントリックフェーズを強調したい
Reverse Throw Half-Kneeling NCM / Reverse Throw Half-Kneeling Double-Clutch
*肩周りを強化するのに有効なエクササイズです。
■ポイント
前足の膝が動きすぎないようにする。
ソフトトスメディシンボール|特徴とエクササイズ例
ソフトトスメディシンボールは、弾性があり、壁に投げると跳ね返ってくる設計のため、回旋動作や投動作の中で“パワーの吸収・再発揮”の感覚を自然に引き出すことができます。
跳ね返りを利用して連続動作を行うことで、回旋動作時の筋線維の伸張性負荷への耐性が高まり、傷害予防にもつながります。
Rot-Prep-Horiz MB Lateral-Throw Split NCM / Rot-Prep-Horiz MB Throw Base NCM-Bungee Resist
■ポイント
メディシンボールの特性を活かし、投げて終わりではなく、投げたボールが跳ね返って受け取る(エキセントリック)までを想定したエクササイズを推奨しています。
ジャムボール|特徴とエクササイズ例
ジャムボールは、投げても弾まない・跳ね返らない=非反発性の特徴を持ち、動作中に生じる大きなエネルギーを自分の身体で止める“ブレーキ力”や“吸収力”を高めるトレーニングができます。
また、爆発的なコンセントリック動作にフォーカスしたトレーニング処方が可能で、エキセントリックを極力排除した純粋な発揮系の動作練習としても活用できます。
Rot-Prep-Vert JB Lateral- Chop Split NCM / Rot-Para-Horiz JB Chop Split Switch NCM
■ポイント
ボールが跳ね返ってこない分、コンセントリック動作にフォーカスしたエクササイズに活用することを推奨いたします。
身体の低い位置から高い位置まで持っていく際、エフォートが高くなるため、同じ動作でも難易度を上げたい場合にはジャムボールを選びます。
今回は桂さんにご講義いただいた内容からソフトトスメディシンボール、ソフトメッドメディシンボール、ジャムボールを活用した投動作やローテーション動作の制御に役立つ実践をご紹介させていただきました。
株式会社パフォームベタージャパン