COLUMN

ウェビナーレポート|近藤 拓人さん「運動療法としてのピラティス」
今回は、先日開催した無料ウェビナーの内容の一部をご紹介いたします。本講座では、身体の痛みや不調を取り除き、日常生活や競技パフォーマンスを向上するためのピラティス指導についてお話しいただきました。 機能解剖学、機能神経科学、感覚運動科学などを統合したアプローチにご興味がある方、またピラティスをスキルセットに加えたい運動指導者・治療家などの多くの方々にご参加いただきました。 ■テーマ:運動療法としてのピラティス ■開催日:2025年1月12日 ■講師:近藤 拓人 (AZCARE ACADEMY 代表 / NEXPORT 代表) 1.ピラティスが担う感覚運動科学での役割 感覚運動科学は、慢性的な不調の緩和から根本的な改善からパフォーマンス向上までの以下の5つのブロックで構成されています。 その中で、ピラティスは「Corrective(是正・修正)」において非常に重要な役割を果たします。 Corrective (是正・修正) このフェーズの目的は、身体の動きや使い方に問題がある部分を見直し、よりスムーズで効率的な動作へと導くことです。ピラティスを取り入れることで、脊椎の柔軟性や安定性を改善し、身体全体のバランスを整えることを目指します。 ピラティスの強みは、身体の感覚を丁寧に引き出しながら、動きの問題を根本から解消することができる点です。このアプローチにより、次のステップである筋力強化や運動制御をより効果的に行うことができます。 ピラティスをCorrectiveに活用する目的 ・筋肉のバランス調整(働きすぎの筋肉を抑制、使われていない筋肉を活性化) ・可動性(Mobility)と安定性(Stability)の向上 ・感覚の統合(Sensory Integration)と動作パターンの修正 2.ピラティスエクササイズについて ピラティスを運動療法として活用する際には、マットエクササイズ、マシンエクササイズ、そして徒手療法を組み合わせることが効果的です。それぞれに独自の良さがあるため、それらを理解し、クライアントの状態や目標に合わせて使い分けることが重要です。 ピラティスで重要なプログレッションとリグレッション ピラティスエクササイズでは、クライアントの能力や状態に応じてエクササイズの難易度を調整する「プログレッション(進行)」と「リグレッション(後退)」が重要な役割を果たします。 このうち、特にリグレッションは高度な技術を要し、専門知識を持つ指導者でなければ適切に対応することが難しいとされています。 プログレッションとは?...
ウェビナーレポート|近藤 拓人さん「運動療法としてのピラティス」

ウェビナーレポート|近藤拓人さん(PBJサミット事前ウェビナー)
日頃よりパフォームベタージャパンをご愛顧いただきましてありがとうございます。 今回は、パフォームベタージャパンサミット2024の事前ウェビナーの内容の一部をご紹介いたします。 ■開催日:2024年8月8日■講師:近藤 拓人 (AZCARE ACADEMY / NEXPORT)■テーマ:LMS for Athletic Rehabilitation - LMSをアスリートのリハビリに活用する方法- LMSとは さまざまな障害物を用意して超えたり利用したりして、A地点からB地点まで移動するトレーニングです。 パルクールに馴染みがある方はイメージがつきやすいかと思います。 Locomotor:移動器 Movement:動作 Skill:スキル 目標指向型運動を通じて認知機能・身体機能・自己効力感を再獲得するプログラムです。 立つ、起きる、回る、組む、渡るのようなさまざまな動作を活用して移動をしますが、この移動機能を鍛えることで前述の移動器・動作・スキルも鍛えることができます。 一般の方の身体作りやアスリートのパフォーマンス向上にも効果的に活用できますが、特に子供の発育時に良いアプローチ方法になりますのでおすすめです。 目標指向型運動 プログラムの流れ 苦手な動き、動かしづらい関節、弱い筋肉を鍛えることからスタートします。 ピラティスエクササイズは狙った機能を鍛えやすくプログラムの初期で活用することが多いです。 次に強度の高いエクササイズをして筋機能を向上させるステータスに移行します。 これにより筋力がついたり、パワーが向上します。 これで終わらせてしまうケースが多いのですがこれでは不十分です。 認識→計画→実行→フィードバック→調整の流れが必要になる運動を取り入れることが重要です。...
ウェビナーレポート|近藤拓人さん(PBJサミット事前ウェビナー)

サミットレポート|PBアメリカ
今回は、アメリカ本社が開催しているPERFORM BETTER SUMMITについて、8/23〜25でロードアイランドで開催されたSUMMITのレポートも交えてご紹介いたします。 PERFORM BETTER SUMMITとは PERFORM BETTER SUMMITは20年以上前から毎年アメリカ各地で開催している3日間のセミナーで、各会場で30名近い講師が登壇し約1,000人の受講者が参加します。登壇する講師はアスレティックトレーナー、S&Cコーチ、理学療法士、フィットネスインストラクター、栄養士、元アスリートなど資格、職種ともに多岐に渡ります。受講者は講師同様の資格、職種に加えて、中学、高校の先生やフィットネス愛好家など日本のセミナーではあまり見かけない業種の人たちも多く参加しています。各SUMMITの会場ではLecture roomとHands-onのそれぞれ2部屋が用意されており、合計で4つのセミナーが1コマあたり75分で同時に進行していきます。受講者は自分の好みのセミナーを毎時間ごとに選択しますが、セミナールームの出入りは自由なため、お目当ての講師、初めて受講するテーマ、または自分の専門外のテーマのセミナールームに入ったりと多種多様な受講方法でサミットを楽しんでいます。 PERFORM BETTER SUMMIT2024 今年はオーランド、シカゴ、ロサンゼルス、プロビデンスの4ヶ所でSUMMITが開催され、合計約3,000人以上の受講者が最先端の知識・技術を求めて参加しました。プロビデンスはPERFORM BETTER SUMMIT本社がある東海岸のロードアイランド州のため、4会場では最も参加者が多く、SUMMITではお馴染みのMichael Boyle , Lee Burton , Gray Cookなど西海岸のロサンゼルスや他の会場にはあまり登壇しない人気講師のセミナーもあり特に大盛況です。昨年まではコロナウイルスの影響を引きずっており、比較的に受講者の数や会場の活気も低調だったようですが、今年は受講者の総数、州をこえて参加する受講者数ともに以前の人数が戻ってきていました。 SUMMITの特徴 1.Hands-on(実技) 1番の特徴はPERFORM BETTER製品を活用した実技セミナーです。会場内にはミニバンド、スーパーバンド、ケトルベル、メディシンボールなどの定番商品はもちろん、SUMMITが開催される時期の新商品も準備されていて、講師が運動指導で実際に実践している活用法をご紹介します。今回も例えば「肩へのアプローチ」など身体の部位をテーマにした実技では受講者がペアになりトレーナーとクライアント役で分かれて、複数種類の器具を使いさまざまなエクササイズをより実践的に学んでいきます。 他にも器具名がテーマに入っている場合もあり「Kettlebell Evolution 」というセミナーでは、受講者が5〜6グループに分かれてケトルベルを使用するサーキットトレーニング形式でセミナーが進んでいきます。あくまでもセミナーですが、講師はもちろん、受講者も本格的なトレーニングセッションのように取り組んでいます。多い時は数百人単位でトレーニングが行われるため、セミナールーム内が物凄い活気と熱量になります。...
サミットレポート|PBアメリカ

開催レポート|8月1日ウェビナー(講師:庄村 康平)
今回は、パフォームベタージャパンサミット2024の事前ウェビナーの内容の一部をご紹介いたします。 ■開催日:2024年8月1日■講師:庄村 康平 (ネクストベース・アスリートラボ)■テーマ:パワー発揮を高めるための段階かつ個別的なトレーニング戦略 1.パワーとは何か 「力」と「パワー」は別物 力とパワーは混同して考えられることがありますが、厳密には全く異なるものです。 定義と違いは以下の通りです。 ・筋力(Muscular Force):筋によって発揮された力 ・筋力(Muscular Strength):筋力(Muscular Force)によって外的な物体や抵抗に対して行使された力 ・筋パワー(Muscular Power):筋力(Muscuar Strength)によって外的な物体や抵抗に対して1秒間にできる仕事量(力×変位) 力学的パワーとは「1秒間にできる仕事量(=仕事率)」を指し、スポーツ現場では、 「パワー(W)=力(N)×速度(m/s)」だとよく耳にすることがあるかと思います。 よく混同される事例として、アイソメトリックがあります。 このように関節角度の動きがない、もしくは速度がない場合には、パワーはどれだけ力を発揮したとしても0になります。 そのため大前提として、力とパワーは分けて考える必要があります。 パワーを解釈する時の注意点 「地面に対して発揮されたパワー」は「筋によって発揮された生理学的なパワー」と同じではありません。 筋がパワーを発揮し、それがさまざまなものを介し地面に加えられているので、地面に対して発揮されたパワーは筋パワーとはイコールではないので注意しましょう。 身体のどこの部位が大きなパワーを発揮しているのか? 例えば、下肢の爆発的な筋力が重要な競技スポーツを行う男性のエリートアスリートを対象とした研究では、高いジャンプをするには股関節のパワー発揮が重要であるという結果が出ています。 そのため股関節の伸展筋力を鍛えるというのが昨今アスリートのトレーニングで重要視されてきています。 パワーの向上はパワートレーニングだけでは不十分 パワーを高めるにはパワートレーニングをやろうとする方もいると思いますが、パワーの変数の力(N)と速度(m/s)関係の全域において向上させるためにはパワートレーニングだけ行えば良いわけではないというのが研究結果からも出ています。 高負荷・低速度のストレングストレーニング、...
開催レポート|8月1日ウェビナー(講師:庄村 康平)

開催レポート|encounter コラボウェビナー(講師:根城 祐介)
今回は、encounter様とのコラボウェビナーの内容の一部をご紹介いたします。 ■開催日:2024年7月24日■講師:根城 祐介 (Active-Aid Program)■テーマ:腰椎骨盤帯の安定性を向上する -歩行・ジョギングに繋げる運動療法- 床反力の捉え方 「床反力」とは、垂直方向のベクトルで10kgの力で床を押したとした場合、10kgの力で押し返してくる働きのことを指します。この床反力には考慮すべきポイントが3つあります。 1.ベクトル ベクトルは体勢や床を蹴る方向などによって変わってきます。 日常生活の中で、さまざまな姿勢を維持したり、さまざまな体勢になったりしますが、その際に力のベクトルを考慮しないと、正しい運動療法を提供することができなくなります。 2.力の伝達 床反力を受け取ったら、次は歩行やジョギングなど移動する力に変えなければなりません。 力の連動性を高めることができない限り正しく移動することができない、不効率な移動方法になってしまいます。各関節の動き、姿勢などから判断していく必要性があります。 3.重力 非常に重要な環境要因で、地球上に生活する限り重力を受け取るということが必ず発生します。動作の中で重力を認知し適用するように筋肉を収縮し姿勢を保持しなければなりません。 重力に拮抗するために ハムストリングスを例に挙げて解説すると、腰椎骨盤帯が不安定になっていた場合、骨盤帯が前方にローテーションし、坐骨結節は斜め後方を向きます。 つまりハムストリングスの起始部が斜め後方を向き、ハムストリングスの働きやすい位置覚を失ってしまうことになります。 だからこそアライメントを重要視し重力に拮抗しながらハムストリングスが使えるようにならないといけません。 そのほか、大内転筋・臀筋郡にも同様のことが言えますが、重要なのはこれらの筋肉を単純に動かすだけではなく、能動的に制御しながら認知機能が備わっている状態です。 CKC&OKCで必要な考え方 CKCの動作 上行性、下行性の力を1つ前の動画で挙げた筋群によって制御できると、胸郭も柔軟に使うことができ、ビームの上をバランスをとって歩くことができます。 「床反力を伝達させる」ことや「連動性を認知」していないと難しい動作です。 OKCの動作 座位や立位姿勢でおこなう運動動作は重力は真下にかかるので脊柱内圧が高まりやすいです。 OKCの動作は地面に足がついていない状態なので脊柱重力圧を軽減させる効果があります。 そのため腰痛患者にはおすすめの運動動作になります。また、支持基底面も拡大させることができる体勢です。 エクササイズ...
開催レポート|encounter コラボウェビナー(講師:根城 祐介)

SPORTEC2024 合同ブース出展(7/16 ~ 7/18)レポート
7月16日(火)~18日(木)に東京ビッグサイトで開催された「SPORTEC2024」にDRAX JAPAN株式会社様、株式会社フィットネスアポロ社様、株式会社R-body様と合同でブースを出展させていただきました。 ブースではハーフラックをはじめ、人気商品のスタビバーやアクアバッグ、アクアボールなど多くの商品を展示いたしました。 特に「スタビバー」については最大の特徴であるバーのしなりに驚かれる方や、実際にスクワットやベンチプレスなどの動作を試される方も多くいらっしゃいました。 ブースで名刺交換をいただいた皆様には、展示会で使用した器具の特価販売のご案内なども行わせていただきました。 器具に限りがございますが、ご検討中の皆さまのご連絡をお待ちしております。 また、例年と同様に豪華講師による30分間のショートセミナーを実施しました。弊社の器具を使ったエクササイズもご紹介いただき、セミナー参加者にもその場でエクササイズをお試しいただくなど、どの回も充実した時間となりました。 【講師紹介】 Best Performance Laboratory 桂 良太郎さん R-body 関上 寅之輔さん STC Japan 新井 颯太さん R-body 高田 章史さん R-body 荒井 秀幸さんアルペンスキーオリンピアン佐々木明さん フィットネスアポロ社 武内 俊宏さん なお、Best...

開催レポート後編|Active-Aid Program コラボウェビナー(3月16日)
先日、Active-Aid Program様とのコラボウェビナーの開催レポート(前編)を配信しました。 後編では、エクササイズに加え質疑応答も合わせて紹介いたします。 *前回の配信内容をご覧になりたい方はこちらからご覧ください。 ■開催日:2024年3月16日■テーマ:レジスタンストレーニングにおけるアジリティースピード向上法 1.ゲームスピード360を活用したエクササイズ エクササイズの原理原則の観点では、アシストから始めてレジスタンス(負荷)に移行しなければ怪我につながる可能性が高くなるとされています。 レポート前編では「アシスト」にあたるエクササイズを紹介しましたが、後編では「負荷」のエクササイズを紹介します。 ジャマー(負荷) ECTスリーブを使用したトレーニングもありますが、その場合は上半身にも負荷が加わります。 体幹部を引っ張られることでトリプルエクステンションに転換できた方がエクササイズ戦略として認知機能が向上しやすいという観点からゲームスピード360を使用をおすすめいたします。 ステップアップ- 股関節伸展(負荷) 前に加速する際に上半身まで連動させるエクササイズで股関節を伸展し前に進むための力を獲得するエクササイズです。前に加速する際に上半身まで連動させる動きを学習することができます。 動画ではベンチ台にゲームスピード360を通し、バーベルにストラップを括り付けて使用しています。 先述した通り、スーパーバンドで代用した場合「張力」によって伸ばすにつれて負荷が強くなってしまい、肩を痛めてしまう恐れがあるため、一定の負荷をかけられるゲームスピード360を使用することをおすすめいたします。 2.ゲームスピード360とスーパーバンドの違い アジリティトレーニングでは他にもスーパーバンドをご使用いただくこともありますが、それぞれツールの特徴が異なるためエクササイズの目的によって選択しなければなりません。 スーパーバンドは張力によって引っ張れば引っ張るほど限界値に近づきます。 限界値に近づくと引っ張られる力が強くなり、エクササイズ中の強弱のコントロールが難しくなります。 対してゲームスピード360は引っ張られる力がある程度一定に保てることが特徴です。 「アシスト」も「負荷」も一定の力が加えられるのでアジリティトレーニングをおこなう際は非常に有効なツールです。 3.質疑応答 Q.競技トレーニング中に発生した代償動作の対処はどうすれば良いですか? 競技トレーニング中に起きた代償動作を対処する際に、その場で対処するか代償動作を補うエクササイズを実施するのか、悩まれる方は多いと思います。 代償動作が発生した際の考え方として2つの観点から解説します。 1つ目、エクササイズを実施する前にスクリーニングによってしっかり評価を行わなければなりません。スクリーニングを行うと代償動作のパターンが見えてきます。 さらに競技中の動作を動画などで確認させてもらうことも重要です。 それによってトレーニング施設で行っている動作から出ている代償動作と競技中に起こっている代償動作を一致させ、エクササイズを介入させる指標にすることができます。 2つ目、エクササイズ中に代償動作が起きた場合はエクササイズをリグレッションします。リグレッションしたエクササイズで代償動作が出なければそのまま改善エクササイズとして割り当てます。...

開催レポート前編|Active-Aid Program コラボウェビナー(3月16日)
日頃よりパフォームベタージャパンをご愛顧いただきましてありがとうございます。 今回は、Active-Aid Program様とのコラボウェビナーの内容を前編・後編に分けてご紹介いたします。 ■開催日:2024年3月16日■テーマ:レジスタンストレーニングにおけるアジリティースピード向上法 アジリティの定義と前提 アジリティとは「軽快かつ素早く方向を変え、体のポジションを変えるための技術で、動作実行中に身体がおこなえるもの」を指します。 はじめに、トレーニング施設でおこなっているアジリティトレーニングは「外的要因が少ない状態で実施するトレーニング方法」であることを理解しておかなければなりません。例えば、ボディコンタクトスポーツのアジリティ向上のためには競技中と同じく敵や味方との接触を考慮したトレーニングが必要ですが、外的要因が少ない環境でトレーニングを続けるだけでは競技中のパフォーマンスの向上にはつながりません。 アジリティに必要な能力 ■Posture (体勢の確保) 意味:走る(加速)ための姿勢に変える(股関節の屈曲位、膝関節の屈曲位、足関節の背屈) 姿勢:パワーポジション (力を発揮しやすい関節位置) ■Acceleration (加速) 意味:床半力を使うことができる(パワーポジションにて地面を蹴る) 動作:トリプルエクステンション(股関節、膝関節、足関節)を伸展させる *床を蹴る動作において足関節は伸展動作と定義することはできません ■Deceleration (減速) 意味:先述の体勢の確保と加速を止め切る ゲームスピード360を活用したエクササイズ エクササイズの原理原則の観点では、アシストから始めてレジスタンス(負荷)に移行しなければ怪我につながる可能性が高くなるとされています。今回は「アシスト」と「負荷」の動作を含む「ゲームスピード360」を使ったエクササイズを2つご紹介します。*ゲームスピード360の紹介ページはこちら サイドステップ(アシスト) シンプルなエクササイズですが「加速」と「減速」の両方を一度におこなえる有益なトレーニングです。「動きを止める(着地をする)」という観点では右方向に進んでいく慣性エネルギーを和らげアシストしていますが、「地面を蹴る・横にステップする」という観点では負荷となっています。 サイドステップ(負荷)+アクアボール 先ほどの「サイドステップ」をプログレッションさせたエクササイズで、アクアボールを前に突き出す動作を追加します。 「動きを止める」観点では進行方向に向かって引っ張り慣性エネルギーを助長するような負荷がかけられており、さらにアクアボールを前に突き出すことで中の水が揺れるため、体幹部を安定させる要素が加わります。サッカーやラグビーなどのボディコンタクトスポーツで有効な動作で、前述のような「+α」の負荷を加えることによって体幹部にスタビリティとしての影響を与えトレーニングプログラムが成立しやすくなります。 このエクササイズに使用するアクアボールは扱いやすいSサイズがおすすめです。 ツール使用時の注意点...

開催レポート(続編)|Active-Aid Program コラボウェビナー(2月17日)
先日、2月17日に実施したActive-Aid Program様とのコラボウェビナーについての開催レポートを配信いたしましたが、嬉しいことに多くの方から反響をいただきました。今回はその続編として、前回は掲載しきれなかった質疑応答なども交えながらご紹介させていただきます。*前回の配信内容をご覧になりたい方はこちらからご覧ください ■開催日:2024年2月17日■テーマ:コンディショニングからトレーニングにおけるアクアボールの活用法 ケトルベル/ダンベルとの違い 「アクアボール」と「ケトルベル/ダンベル」の違いを端的に言うと「有形」か「無形」かです。 「ケトルベル/ダンベル」は有形のため負荷のベクトルは重力に拮抗しますが、対して「アクアボール」は負荷となる水が無形のため内外的要因によって負荷が変化します。 重心の違い ・ケトルベル/ダンベル:確定 ・アクアボール:不確定 ケトルベルは玉の中心、ダンベルは持ち手のシャフト部分、いずれも重心は中央部(真ん中)から動きません。対して、アクアボールは身体の傾きによって重心が変わるため不確定です。 ベクトルの違い ・ケトルベル/ダンベル:重力鉛直線上 ・アクアボール:重力をベースに変化 いずれも重力は下方向に働きますが、アクアボールは持っている方向や傾けた方向によって水が流動的に変化し、それによりベクトルも常に変化します。 類似ツールにサンドバッグがありますが、砂の動きよりも水の動きの方がより流動的なため、アクアバッグやアクアボールの方が変化が起きやすく、変化のスピードも速いです。 このような点からアクアバッグやアクアボールは多様性の高いツールであることがわかります。 質疑応答 汎用性の高い重量(≒負荷)はどれくらい? 可能であれば、アクアバッグ、アクアボールともに2個ずつ用意しておくことを推奨しています。 1つは2kg程度で用意します。少し軽めと感じる方もいますが、意外と男性でも充分な重量です。 もう1つはボディコンタクトで外力によって身体を支えることに長けている人向けに5kg〜6kgの重量を用意しておくと良いでしょう。 また、同じ5kgでもアクアバッグとアクアボールで揺れ幅が異なるので、同じ重量であっても負荷のかかり方は変わります。クライアントに処方する際はご注意ください。 サイズの違いや選び方は? アクアバッグやアクアボールが大きければ水の揺れ幅が大きく、小さければ同じ重量でも揺れ幅は少なくなりかかる負担も変わります。 リハビリからトレーニングまで一貫して使用したい場合はSサイズで充分です。 トレーニングを目的により高負荷・高強度・広域地で使用したい場合はMサイズをお選びください。このような観点から一般の方からアスリートまで幅広く指導を行っている施設では複数用意があると非常に便利です。 アクアバッグ、アクアボールはリハビリからトレーニングまで幅広く活用できることが最大のメリットです。 重量の増減だけでなく他のツールと組み合わせて使用するとプログレッションやリグレッションが行いやすくなるため、ぜひ参考にしていただけますと幸いです。 株式会社パフォームベタージャパン

開催レポート|Active-Aid Program コラボウェビナー(2月17日)
今回は、Active-Aid Program様とのコラボウェビナーの内容を一部ご紹介いたします。■開催日:2024年2月17日■テーマ:コンディショニングからトレーニングにおけるアクアボールの活用法 アクアバッグ・アクアボールの原理原則を理解する アクアバッグやアクアボールは、慣性の法則に従う水の移動を利用し、負荷のベクトルや荷重のバランスを変化させて負荷を加えるツールです。 【ポイント】 (1)水が流動的なため、動作にも伴い負荷の方向が変化する(2)水が移動し切ったら、負荷はある程度一定化する(3)水の移動方向により、動作を行いやすくすることも可能となる (1)、(2)についてはアクアバッグやアクアボールにおける原理原則となり、水の動きによって負荷が変化し身体にかかる負担も変化します。 (3)は性質が少し異っており、何らかの動作を遂行する際にその動きを助長するアシスティブな負荷の働きをします。例えば、アクアバッグを胸の前で平行に持ったまま真っ直ぐ歩いた場合、水は進行方向(前後)に揺れます。この水の揺れに合わせて歩くことで、前方への推進力の助長に役立ちます。この水が動く力を上手く利用することで股関節伸展等を行いやすくすることが可能です。 アクアバッグ・アクアボールの使用の向き・不向き 原理原則によって「動いているものを制御する方法」、「動いた場合に安定させる方法」の2つを習得することができます。 コンディショニングやトレーニングなどの目的やどの部位をターゲットにするかによってどこの方向に振り、どのように動かすかが変わります。 アクアバッグやアクアボールの使用に注意が必要なケース ■使用しない方が良いケース ・関節の不安定な方が使用した場合、シュラッグ動作が起き、正しいアライメントから抜け出た位置での筋収縮を学習させている状態になってしまうため、エクササイズを行うことによって身体に悪影響を与えてしまいます。 ・過緊張の状態でエクササイズを行う場合も同様にシュラッグ動作により重点が高い位置になるため、腰椎や骨盤に負担がかかってしまいます。 ・アクアバッグやアクアボールを持った状態でバランストレーナーの上でスクワットしたり、ビームの上を歩行するといったバランストレーニングに有効なエクササイズがありますが、これらをバランス不良の方や腰痛を持っている方が行うと、より体幹部が不安定になるため使用しない方が良いと言えます。このようなケースではダンベルやケトルベルの使用をおすすめします。 ■効果が得られないケース 「筋肥大」「パワーの発揮」「ストレングスの向上」などが目的の場合には、あまり効果は得られない可能性が高いです。これはアクアバッグやアクアボールでは筋肥大のために有効なウエイトの許重量に満たないことが理由です。 アクアボールの活用方法 1. 3mo position+外力 【動作手順】 (1)3ヶ月ポジションをとり、重力の鉛直線上に水が負荷として肩に加わっている状態でキープし棒や手でアクアボールを押してもらう (2)押されたことによって中の水が揺れ、この揺れを肩甲胸郭、肩甲上腕関節でしっかりと安定をさせる 【ポイント】 あえて3ヶ月ポジションで脚を股関節屈曲進展位させることで体幹部も関与させることを狙った運動動作です。ケトルベル等では同じ効果は生まれず、アクアボールでしかできない運動動作になるため覚えていて損はないエクササイズ種目です。 2. スクワット+揺らし 【動作手順】...

サミットレポート(3/3)|PERFORM BETTER JAPAN SUMMIT 2023
日頃よりパフォームベタージャパンをご愛顧いただきましてありがとうございます。 10月7日(土)〜9日(祝月)に開催したPERFORM BETTER JAPAN SUMMIT 2023 の一部をご紹介させていただきます。 本日は二日目の講義の模様を一部ご紹介させていただきます。 テーマ:Neural Performance -感覚運動科学の観点からフィジカルトレーニングを再考する 講師:近藤 拓人さん (AZCARE ACADEMY 代表、NEXPORT 代表) 日米のスポーツチーム、クリニック、フィットネス施設での経験を生かし、現在はAZCARE ACADEMY代表、パーソナルトレーニング施設NEXPORT代表として現場指導と教育活動に従事されている近藤さんには、専門の感覚運動科学の観点から「フィジカルトレーニングを再考する」をテーマにお話しいただきました。 *以下、講義一部抜粋 ■実行機能を鍛えることでパフォーマンスを向上できる 実行機能は認識、判断、行動の三つのフェーズで構成されています。 スポーツ競技でいえば、サッカーやバスケットボールのディフェンスのように相手の動きに対応する動作や、野球の打撃やバレーボールのレシーブのように素早く反応・判断をして意図した動作を正確に行う動作も実行機能が密接に関連しています。 実行機能が低いと判断が遅れてしまったり反応ができないといったプレーに繋がってしまいます。 実行機能を鍛えることで競技や日常生活におけるパフォーマンスも向上します。 ■実行機能の訓練方法 実行機能の訓練を自分の身体を思い通りに動かせないまま行うと危険が伴います。 そのため、使いづらい部位があればコントロールできるように鍛えてから次のステップに進まなければなりません。 STEP 1...

【体験レポート】R-body ACADEMY Basicコース
今回は、昨年10月にカリキュラムがアップデートされた「R-body ACADEMY Basicコース」を受講させていただきましたのでご紹介させていただきます。 株式会社R-bodyとは スポーツ医学の最前線コンセプトをもとに創設されたライフパフォーマンスをサポートするトレーナーカンパニーです。 オリンピックアスリートを中心に1,000名以上のトップアスリートのコンディショニングを担当してきた実績と経験があり、「ホンモノを身近に」をコンセプトに一般の方のライフパフォーマンスを上げるためさまざまなサービスを提供しています。https://r-body.com/ R-body ACADEMYとは 「知って終わりではない、できて終わりでもない、目の前のクライアントのカラダを改善できるコンディショニングコーチ」の育成をコンセプトとしたアカデミーです。知識を増やすことに終止せず、得た知識を使いこなし、目の前のクライアントのカラダを改善させることこそがゴールと捉え、ライフパフォーマンスの向上やケガをしないカラダづくり(フィジカルコンディショニング)に必要な「知識」と、クライアントのカラダの機能を改善に導くために必要な「実践の場」の両方を提供されています。https://r-body.com/for_trainers/ 今回受講したBasicコースとは R-bodyが推奨するコンディショニングプログラムと、機能的なカラダづくりを行う上で知っておくべき原理原則、コーチング概論を学ぶことができます。トレーニング指導の経験がなく、コンディショニングを基礎から学びたい方にオススメのコースです。詳細はHPをご確認ください。https://r-body.com/course/basic/ どのような方が受講しているのか 既にトレーナーとして実績のある方や運動指導者、アスリートとして第一線で活躍されていた方、これから指導を始める方などさまざまとのこと。私もトレーナーや運動指導者の立場ではありませんが、ライフパフォーマンス向上における知識やエクササイズを行う際の正しいフォーム、エラー動作が起きた場合の対処法など習得することを目的に受講させていただくことにいたしました。何よりPERFORM BETTERで取り扱っている器具が現場でどのように使われているのかは、普段は目にすることができないことであり、自社製品についての理解を深める良い機会になると思ったことも理由の1つです。 Basicコースを受講してみて (1)基本情報 講義動画によるオンデマンド学習にて知識のインプットを行い、合計12時間の対面形式での実践訓練を2日間にわたり実施します。場所は東京リゾート&スポーツ専門学校にて開催され、受講者12名に対してメイン講師1名、サブ講師1名、アシスタント2名体制での進行でした。今回受講したテーマは「専門知識“0”から痛みの再発防止や予防、スポーツのパフォーマンスアップができるコンディショニングコーチへ」。各パートの内容は以下の通りです。 オンデマンド学習:コンディショニング概論、機能的動作の原理原則、コーチングプログラム、カラダの構造と傷害に関する知識を解説 実践訓練(対面形式):コンディショニング指導実践 (2)良かったこと ・専門知識がないため受講前は不安に思うこともありましたが、1つ1つ受講者が理解しやすいように分かりやすく解説いただいたこと ・実践で起きた失敗は受講者間で共有しながら進めるため、さまざまなケースの対処法を知ることができたこと 受講動機として挙げた、ライフパフォーマンス向上における知識やエクササイズの正しいフォーム、エラー動作の対処法などの基礎知識を習得したことにより、認定試験にも無事合格することができました。 (3)おすすめしたい方 ・Basicコースは難しい言葉は使わずに、知識がない人にもわかりやすく解説していただけるのでこれから知識を深めたいと考えている初学者の方でも安心してご受講いただけます ・既にトレーナーとして実績がある方や運動指導者の方でも「知識を使いこなす力」や「コーチング力」を身につけたいと考えている方にもおすすめです 今回の受講を通して、トレーナーや運動指導者を志すにあたって様々な知識の習得も大事ですが、その先の「知識を使いこなす力」や「コーチング力を発揮できるか」がいかに重要であるかを身をもって学ぶことができました。トレーナーとしてのスキルをさらに深めたいと考えている方はぜひ一度ご検討ください。 もっと詳しく知りたい方へ 株式会社R-bodyのサービスをもっと詳しく知りたい方は以下のリンクよりご確認ください。https://r-body.com/ Basicコースの受講を希望される方へ...

サミットレポート(2/3)|PERFORM BETTER JAPAN SUMMIT 2023
10月7日(土)〜9日(祝月)に開催したPERFORM BETTER JAPAN SUMMIT 2023 の一部をご紹介させていただきます。 本日は初日の講義と実技の模様を一部ご紹介させていただきます。 テーマ:慢性炎症と栄養(前半) / 今日から使える栄養療法(後半) 講師:川合 智さん (日本統合療法株式会社 代表取締役) 運動療法と栄養療法を土台とした「統合療法」を指導し、様々な慢性不調を抱える方を寛解へ導き、アスリートに対する栄養アドバイスも行っている川合さんには「慢性炎症と栄養」「今日から使える栄養療法」の2つをテーマにお話しいただきました。 *以下、講義内容を一部抜粋 【慢性炎症と栄養】 炎症は治療のプロセスであり、健康維持のために欠かせないものです。 しかしながら、慢性化した炎症は様々な病気や不調の原因になります。 慢性炎症を収束させるためには、その引き金となる「食生活の乱れ」の改善から取り組まなければなりません。 「栄養の質」を変える事で慢性炎症を収束させ、さまざまな不調の予防に繋がります。 【今日から使える栄養療法 】 血糖をはじめとした栄養状態は直接的に自律神経に影響を及ぼし、様々な不調を引き起こします。 例えば起床時、食前、夜間など時間帯によって低血糖の種類も症状も異なり、またそれによって改善策も変わってきます。 栄養療法を行うためには評価をする必要があり、その中でも問診の重要度は高いといえます。 問診の精度を高めることで身体状態や栄養状態を推測し、不調改善の提案が可能となります。 テーマ:S・O・A・P® (動作評価)に基づくConditioning Program...

サミットレポート(1/3)|前日カンファレンス「PERFORM BETTER JAPAN SU...
今回は10月7日(土)〜9日(祝月)に開催した「PERFORM BETTER JAPAN SUMMIT 2023」の内容の一部を全3回に分けてご紹介させていただきます。1回目はトレーナーを志す大学生・専門学生を対象に実施した、前日カンファレンス「PERFORM BETTER JAPAN SUMMIT 2023 for Students」についての内容です。各分野でご活躍されている講師をお招きしてトレーナーとしての知識やキャリア、ヘルスケアに関わるサービスの提供などさまざまなテーマでお話しいただきました。 テーマ:コンディショニングの可能性について 講師:荒井 秀幸さん (株式会社R-body Chief Technical Officer/ General Manager) オリンピックアスリートを中心に1,000名以上のトップアスリートのコンディショニングを担当してきたR-body。「ホンモノを身近に」として一般の方のライフパフォーマンスを上げるためさまざまなサービスを提供しています。 中でも東京オリンピック・パラリンピックコンディショニングサポートコアメンバーとしての経験をお持ちの荒井さんには、北海道上川郡東川町での実例をもとに「コンディショニングの可能性」についてお話しいただきました。 北海道上川郡東川町での取り組み 1. コンディショニングコーチの派遣・常駐 コンディショニングコーチが町に常駐し、日々のコンディショニング啓蒙活動や環境整備を実施 2. 住民向けコンディショニング指導 シリーズ形式のグループセッション、少年団・中学校・高等学校・高齢者施設での運動指導、住民向け広報誌での掲載、健康意識を高める特別講演などを通して、地域住民への肩こりや腰痛などのカラダの不調改善、スポーツのパフォーマンス向上に向けたコンディショニング指導を実施 3....

SPORTEC2023 合同ブース出展(8/2〜8/4)レポート
8月2日(水)~4日(金)に東京ビッグサイトで開催された「SPORTEC2023」に株式会社フィットネスアポロ社様、DRAX JAPAN株式会社様と合同でブースを出展させていただきました。 ブースでは新製品のスタビバーやアクアバッグ、アクアボールの新サイズモデルをはじめ多くの商品を展示いたしました。 特に新商品の「スタビバー」については最大の特徴であるバーの撓りに驚かれる方や、実際にスクワットやベンチプレスなどの動作を試される方も多くいらっしゃいました。 ブースで名刺交換をいただいた皆様には、展示会で使用した器具の特価販売のご案内なども行わせていただきました。器具に限りがございますが、ご検討中の皆さまのご連絡をお待ちしております。 また、例年と同様に豪華講師による30分間のショートセミナーを実施しました。弊社の器具を使ったエクササイズもご紹介いただき、セミナー参加者にもその場でエクササイズをお試しいただくなど、どの回も充実した時間となりました。 【講師紹介】 *写真上からBest Performance Laboratory 桂 良太郎さんR-body 関上 寅之輔さんSTC Japan 新井 颯太さんR-body 高田 章史さんR-body 荒井 秀幸さんフィットネスアポロ社 武内 俊宏さん...
SPORTEC2023 合同ブース出展(8/2〜8/4)レポート
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