COLUMN
感覚運動科学とストレングス(近藤 拓人先生)|ウェビナーレポート
今回は、先日開催した近藤 拓人先生による無料ウェビナー「感覚運動科学とストレングストレーニング -出力を最大化する感覚入力」の内容の一部をご紹介します。 近藤先生は10/17〜18に開催するパフォームベタージャパンサミット2026にもご登壇いただきますのでご検討中の方はぜひご確認ください。 ■テーマ:感覚運動科学とストレングストレーニング -出力を最大化する感覚入力 ■開催日:2026年5月5日 ■講師:近藤 拓人(AZCARE代表,NEXPORT代表) トレーニングの全体像(5つのブロック) トレーニングを単体で捉えるのではなく、5つのブロックを統合してアプローチしています。 ・トリートメント:運動しやすい環境づくり・コレクティブ:動作パターンの是正・ストレングス:筋機能の向上・ムーブメント:実環境に近い運動・エアロビック:持久的能力の向上 それぞれが独立しているのではなく、段階的かつ相互に影響しながら機能する構造として整理されています。 ストレングストレーニング ストレングストレーニングでは、 ・構造的な変化(筋肥大)・神経的な変化(筋力・パワー)・競技特異的な変化 といった側面が扱われます。 筋肥大を達成するためには仕事量が必要であり、そのためには外部負荷を用いることが重要とされています。 低負荷で同様の仕事量を確保しようとすると、反復回数が増加し、時間効率やストレスの観点で課題が生じます。 動的安定性と感覚運動システム ストレングストレーニングに先立ち、動的安定性の獲得が重要とされています。 動的安定性は、 ・体性感覚・視覚・前庭覚 といった感覚情報を統合し、環境の変化に応じて身体を制御する能力です。 前庭機能が適切に働かない場合、脳は身体が不安定であると判断し、筋緊張を高めることで安定性を確保しようとします。 この状態では過剰な緊張が生じ、運動出力に制限がかかる可能性があります。 下降局面におけるコントロール スクワット動作において、下降局面(エキセントリック)は上昇局面(コンセントリック)よりも制御が難しいとされています。 下降局面では、 ・床反力の低下・弾性エネルギーの利用・外力のコントロール...
感覚運動科学とストレングス(近藤 拓人先生)|ウェビナーレポート
再現性のあるコンディショニング指導法(荒井 秀幸先生)|ウェビナーレポート
今回は、先日開催した株式会社R-body の荒井秀幸先生による無料ウェビナー「知識・経験ゼロからでも結果が出せる!再現性のあるコンディショニング指導法」の内容の一部をご紹介いたします。 荒井先生は10/17〜18に開催するパフォームベタージャパンサミット2026にもご登壇いただきますのでご検討中の方はぜひご確認ください。 ■テーマ:知識・経験ゼロからでも結果が出せる!再現性のあるコンディショニング指導法 ■開催日:2026年4月7日 ■講師:荒井 秀幸 (株式会社R-body Chief Technical Officer) コンディショニングを適切に行うために大切なこととは コンディショニングの必要性自体は広く認識されていますが、 現場では ・改善してもすぐに戻ってしまう ・トレーニングをしているのに不調が残る といったケースが少なくありません。 これは「何をやるか」ではなく、「どのように・なぜ行うか」が整理されていないことが一因です。 コンディショニングは、単発のエクササイズではなく、身体の状態を段階的に変化させていくプロセスとして設計される必要があります。 再現性とは“技術”ではなく“構造” 「再現性」は、特定のスキルや経験に依存するものではなく、「同じ手順・同じ考え方で進めれば、一定の結果に繋がる構造」です。 実際に、経験豊富なコーチだけでなく、トレーナー未経験者であっても短期間の学習を通じて改善を引き出せている点は、この“構造化された指導”の特徴を示しています。 コンディショニングの一例 実技パートでは、肩こりへのアプローチを例に、 1.筋緊張の抑制(インヒビション) 2.安定性の獲得(アクティベーション) 3.動作への統合(インテグレーション) という流れで進められました。 ここで重要なのは、それぞれが独立したエクササイズではなく、「次の段階に繋げるための準備として位置づけられている」という点です。 例えば、筋肉を緩めるだけでは不十分であり、その後に安定性を作り、最終的に動作に統合されなければ、日常生活や競技動作には繋がりません。 「できるようになる」で終わらせない...
再現性のあるコンディショニング指導法(荒井 秀幸先生)|ウェビナーレポート
慢性疲労に対する栄養療法(川合 智先生)|ウェビナーレポート
今回は、先日開催した川合 智先生による無料ウェビナー「慢性疲労に対する栄養療法」の内容の一部をご紹介します。 ご参加いただけなかった方や、復習したい方は是非ご確認ください。 ■テーマ:慢性疲労に対する栄養療法 ■開催日:2026年4月24日 ■講師:川合 智(日本統合療法株式会社代表取締役) 慢性疲労は「未病」として捉える 慢性疲労というと「疲れが抜けない状態」と捉えられがちですが、今回のウェビナーではまずこの前提が整理されました。 血液検査などで異常が見つからないにも関わらず、日常生活に支障をきたすほどの不調が続く状態。 このような状態は、「健康」と「病気」の間にある未病として捉えられます。 現場でも、 ・朝起きられない ・十分に寝ても疲れが取れない ・日中の集中力が続かない といったケースに多く遭遇しますが、こうした状態こそが慢性疲労の入り口である可能性があります。 なぜ疲労は抜けないのか? 慢性疲労は単一の原因ではなく、構造的に起きています。 特に重要な要素として ・慢性炎症・低血糖・消化機能の低下 上記3つが挙げられます。 これらは独立しているのではなく、相互に影響し合いながら悪循環を生み出します。 例えば、慢性炎症によってホルモンバランスが乱れ、血糖コントロールが不安定になり低血糖を引き起こす。 さらに交感神経の過活動により消化機能が低下し、栄養の吸収効率が落ちる。 このような連鎖によって、「回復できない状態」が続いてしまうと考えられます。 トレーナーが見落としやすい視点 運動が必ずしも改善につながるとは限らないという点は重要なポイントです。 慢性疲労の状態では、 ・トレーニングによる炎症の増加 ・回復ホルモンの消耗...
慢性疲労に対する栄養療法(川合 智先生)|ウェビナーレポート
腰痛改善エクササイズ(根城 祐介先生)|ウェビナーレポート
今回は、先日開催した根城 祐介先生による無料ウェビナー「腰痛改善エクササイズ:コンディショニングからトレーニングにおけるミニバンド&スーパーバンド活用法」の内容の一部をご紹介します。 ■テーマ:腰痛改善エクササイズ: コンディショニングからトレーニングにおけるミニバンド&スーパーバンド活用法 ■開催日:2026年3月10日 ■講師:根城 祐介 (Active-Aid Program 代表) 伸展型腰痛のポイント 伸展型腰痛に対するアプローチでは、単に腰痛という括りで対応するのではなく、 「なぜその代償が起きているのか」を整理することが重要です。 テンプレート的なアプローチでは改善率が上がりにくく、原理原則に基づいて身体の状態を捉えることで、より再現性の高い介入が可能です。 特に重要な要素として以下が挙げられます。 ・脊柱にかかる軸圧のコントロール ・胸椎・胸郭の可動性 ・体幹部の安定性(ダイナミックスタビリティ) これらをベースにアプローチを組み立てることが、改善への第一歩となります。 機能解剖学に基づくアプローチの手順 伸展型腰痛へのアプローチは、段階的なプログレッションが重要です。 基本的な流れは以下の通りです。 1.呼吸と体幹の安定化(等尺性収縮) 2.四つ這いなど低負荷環境でのコントロール獲得 3.マーチングによる代償の評価と修正 4.座位・立位への移行 5.回旋動作・外乱刺激の導入 この過程では、支持基底面を徐々に狭くしながら負荷を高めていくことがポイントです。また、エクササイズ中は常に 「矢状面・前額面・水平面」の3方向から代償動作を評価することが求められます。 ミニバンド・スーパーバンドの特性...
腰痛改善エクササイズ(根城 祐介先生)|ウェビナーレポート
【シリーズ最終回】感覚運動科学の基礎(近藤 拓人先生)|ウェビナーレポート
今回は、先日開催した近藤 拓人先生による無料ウェビナー「感覚運動科学の基礎」の内容の一部をご紹介します。 本テーマはこれまで4回開催してきた人気シリーズで、今回がシリーズ最終回となります。 これまでのレポートよりもより詳しくまとめますので是非最後までご確認ください。 ■テーマ:感覚運動科学の基礎 ■開催日:2026年2月11日 ■講師:近藤 拓人(AZCARE代表,NEXPORT代表) 運動療法を整理する4つの領域 運動を考える際には、まず運動の強度や目的によって領域を整理しておく必要があります。 講義では、運動を大きく次の4つの領域に分けて捉えていました。 ・低域値(低強度の動作) ・中域値(跳ぶ・投げるなど多様な運動) ・広域値(筋力トレーニング) ・競技特異的動作 日常生活の動きからスポーツパフォーマンスまでを考えると、これらの領域すべてにアプローチできる環境が理想になります。 運動療法を構成する5つのブロック 実際の運動指導では、次の5つのブロックを組み合わせながらプログラムを構成していきます。 トリートメント 慢性的な痛みを抱えるクライアントの場合、組織の損傷そのものよりも ・その部位を使うことへの恐怖 ・過度な防御反応 といった要素が影響していることがあります。 そのため、最初の段階では身体を動かすことへの不安を取り除き、運動に移行しやすい状態を作ることが重要になります。 コレクティブ(是正) 次の段階では、低強度の運動制御を学習していきます。 ここで有効な手段の一つがピラティスエクササイズです。 ピラティスマシンのスプリングは動作の開始時に負荷が小さく、後半で負荷が大きくなるという特性があります。 この環境では、過緊張があるクライアントでも無理なく動作を学習することができます。 ストレングス...
【シリーズ最終回】感覚運動科学の基礎(近藤 拓人先生)|ウェビナーレポート
足から変える運動連鎖(阿部 勝彦先生)|ウェビナーレポート
日頃よりパフォームベタージャパンをご愛顧いただきましてありがとうございます。 今回は、先日開催した阿部 勝彦先生による無料ウェビナー「足から変える運動連鎖 ー 足部機能の再構築によるパフォーマンス向上戦略 ー」の内容の一部をご紹介します。 ■テーマ:「足」から変える運動連鎖 ー 足部機能の再構築によるパフォーマンス向上戦略 ー ■開催日:2026年2月6日 ■講師:阿部 勝彦 (Stride ReMOV チーフ テクニカル オフィサー) 「足」に介入するようになったきっかけ アスリートのパフォーマンス改善や傷害予防に取り組む中で、「動作を整えても再発する」「上半身を改善しても下肢の不安定性が残る」といったケースを繰り返し経験したことにあります。 スクワットやRDLなどのフォームを整えても安定しない選手を分析した結果、原因が“足部の機能不全”にあるケースが多いことに気がつきました。 足は単なる接地面ではなく、身体全体の運動の出発点であり、感覚入力の基盤です。 ここを整えなければ、上位関節の再教育は不完全になります。 足の機能解剖(構造&アーチ) 足部は26個の骨、33の関節、100を超える靭帯・筋群から構成されています。 前足部・中足部・後足部の3パートに分かれ、その複雑な構造が剛性と可動性を両立させています。 特に重要なのが「アーチ構造」です。 ・内側縦アーチ ・外側縦アーチ ・横アーチ 横アーチを「ピザ」に例え、一切れでは崩れますが、円形になることで剛性が高まります。 横アーチは足部剛性の約40%を担い、推進力生成に大きく関与しています。 アーチが崩れることは、力の伝達効率が低下することを意味します。...
足から変える運動連鎖(阿部 勝彦先生)|ウェビナーレポート
TUSS(不安定な接地面上でのトレーニング)|近藤 拓人先生|ウェビナーレポート
今回は、先日開催した近藤拓人先生による無料ウェビナー「TUSS(不安定な接地面上でのトレーニング)の活用法」の内容の一部をご紹介します。 TUSSの理論的背景と実践的な活用方法について解説いただきました。 不安定面での運動がもたらす神経筋への影響や、目的に応じた効果的な導入のポイントを整理し、現場ですぐに活かせる内容となりました。 ■テーマ:TUSS(不安定な接地面上でのトレーニング)の活用法 ■開催日:2026年1月24日 ■講師:近藤 拓人 氏(AZCARE代表/NEXPORT代表) TUSSとは? TUSS(Training on Unstable Surface)とは、BOSUやバランスディスクなど不安定な接地面上で行うトレーニングの総称です。 近年は「不安定だから良い」ではなく、「不安定性をどのように活用するか」という目的意識が重要とされています。 この考え方は、神経筋制御や感覚統合の理解にも直結しており、姿勢・動作の再学習の一環として位置づけられます。 現場では、リハビリからアスリートへの感覚の再教育まで幅広く応用されており、目的の明確化が最も重要なポイントとなります。 メリット 1.筋活動の増大 不安定面上では姿勢保持に関わる深層筋の活動が増し、局所的な筋活動が増大する。 姿勢安定を目的としたトレーニングとして有効です。 ただし、力を発揮するトレーニングではなく、姿勢を保ちながら協調的に動く練習として捉える必要があります。 2.固有受容感覚の強化 不安定面での運動は、関節内の固有受容感覚を賦活させる効果があります。 慢性足関節不安定症のリハビリなどで有効とされています。 不安定性の程度を段階的に設定することで、末梢からの感覚入力を安全に高めることができます。 3.運動連鎖の促進 不安定環境では体幹と四肢が協調して働くため、運動連鎖を促進する効果があります。 特に姿勢制御や動作学習に応用できます。 スポーツ現場では、全身の連動を意識づける“プレトレーニング”として導入されるケースも多いです。 デメリット 1.特異性の原則...
TUSS(不安定な接地面上でのトレーニング)|近藤 拓人先生|ウェビナーレポート
アスリートにおける腰痛(根城 祐介先生)|ウェビナーレポート
今回は、先日開催した根城 祐介先生による無料ウェビナー「アスリートにおける腰痛」の内容の一部をご紹介します。 競技現場で多くみられる非特異性腰痛をテーマに評価・分析・エクササイズの実際を通してアプローチの考え方を解説いただきました。 ■テーマ:アスリートにおける腰痛 ■開催日:2026年1月20日 ■講師:根城 祐介 (Active-Aid Program 代表) 非特異性腰痛の特徴 腰痛の約8割を占めるといわれる「非特異性腰痛」は、レントゲンやMRIなどの画像診断で原因が特定できないタイプの腰痛を指します。 構造的な損傷だけでなく、動作・姿勢・負荷のかかり方・可動性のアンバランスといった複合的な要因が重なって生じるケースが多いです。 アメフト選手を対象にした調査では、約3割が腰痛を抱えており、シーズンを棒に振る選手も少なくありません。 全競技の怪我のうち約10〜15%が腰痛関連であり、繰り返し動作や過度な姿勢保持が大きなリスク因子となっています。 腰痛リスクを高める動作として「屈曲」「回旋」「不良姿勢での反復」が挙げられ、競技種目に限らず、日々の動作や負荷の蓄積が負担となっているかを観察する姿勢が求められます。 動作分析 アスリートの腰痛は、運動時間・強度・特異的動作の3点が一般的なケースと大きく異なります。 高強度で非日常的な動きを繰り返すことで、腰部へのせん断ストレスが増し、股関節・体幹・胸郭の連動性が崩れることが痛みの要因になります。 股関節のモビリティが低下すると、体幹が代償的に動いてしまい、結果的に腰部へ過剰なストレスが集中します。 股関節と体幹の協調を欠いた瞬間に“画像には映らない腰痛”が起こるという考え方は、腰痛を「構造的損傷」ではなく「動作の破綻」として捉える重要な視点となります。さらに、体幹と骨盤の位置関係が崩れると、力の伝達効率や軸回旋も乱れ、パフォーマンス低下や慢性的な負荷の蓄積につながります。 ニュートラルポジションの維持が腰部保護とパフォーマンス両立の鍵になります。 エクササイズ 腰痛の改善や再発予防においては、体幹のスタビリティと胸郭のモビリティを中心に再教育することが重要です。 股関節の働きを引き出すためには、その上位構造である体幹・胸郭の機能を整える必要があります。 体幹スタビリティエクササイズ(三ヶ月ポジション) レバーベルを使用し先端に負荷をかけた状態で叩く動作を行うことで、腹圧を保ちながら上肢を動かす。 ミニバンドを膝に装着し股関節外転を加えることで、フィードフォワード型の安定性が高まり、体幹と下肢の協調が促されます。 胸郭モビリティエクササイズ 片手で支え、もう一方の手でスライドさせながら胸郭の回旋と伸展を引き出す動作です。 バルスライドを使うことで、物体を操作しながら自分の身体を制御する感覚を養うことができます。...
アスリートにおける腰痛(根城 祐介先生)|ウェビナーレポート
Q&Aに回答|ヒップロックを徹底解説!(九鬼 靖太先生)|ウェビナーレポート
今回は、昨年末に開催した九鬼靖太先生による無料ウェビナー「Contextual Strength Training の基礎と応用 -ヒップロックの徹底解説-」の内容の一部をご紹介します。 先日の公開したレポートではCST理論とヒップロックのメカニズム、エクササイズを中心にお届けしました。 今回は、ウェビナー後半に行われたQ&Aセッションより、参加者から寄せられた質問と九鬼先生の回答を抜粋してお届けします。 ■テーマ:Contextual Strength Training の基礎と応用 -ヒップロックの徹底解説- ■開催日:2025年12月28日 ■講師:九鬼 靖太 (大阪経済大学 人間科学部 准教授、CST講師) Q1.九鬼先生は基礎的筋力トレーニングの指導はされますか?また、S&Cコーチに文脈的筋力トレーニングの理解を求めますか? A: もちろん私も基礎的筋力トレーニングもやります。 筋力やパワーといった身体リソースがなければ、パフォーマンスの向上はあり得ません。 一方で、それだけでは競技動作には直結しない。 だからこそ、基礎的筋力をしっかり持った上で「文脈的なトレーニング」で橋渡しをする必要があります。 S&CコーチにはCSTの考え方を理解してもらえるとありがたいですね。 「ベースを上げてくれているから、次はこういう動きに発展できる」と共有しやすくなります。 Q2.ヒップロックをエクササイズとして行うと“ヒップロックが上手くなる”と思いますが、その結果、基礎的筋力トレーニングの効果を競技動作に活かせるという理解で合っていますか?また、これはCST全体にも当てはまりますか? A: はい、その理解で大丈夫です。 ただ、ヒップロックという形を作ることに意味があるのではなくて、腰部を側屈する力が出るというところがすごく重要です。 ヒップロック動作を通して骨盤が動くようになると、基礎的な筋力で得た力を競技動作に「転写」できるようになります。 CST全体で考えても同じで、筋力を“どう使うか”を学ぶことが目的です。...
Q&Aに回答|ヒップロックを徹底解説!(九鬼 靖太先生)|ウェビナーレポート
ヒップロックを徹底解説!(九鬼 靖太先生)|ウェビナーレポート
今回は、昨年末に開催した九鬼靖太先生による無料ウェビナー「Contextual Strength Training の基礎と応用 -ヒップロックの徹底解説-」の内容の一部をご紹介します。 ベーシックな筋力トレーニングと競技動作の間を埋める“中間領域”として注目を集めるCST(Contextual Strength Training)。 本講義ではその理論的背景と実践的アプローチをもとに、CSTの中核をなす「ヒップロック」について詳しく解説いただきました。 ■テーマ:Contextual Strength Training の基礎と応用 -ヒップロックの徹底解説- ■開催日:2025年12月28日 ■講師:九鬼 靖太 (大阪経済大学 人間科学部 准教授、CST講師) CST(Contextual Strength Training)とは? CSTとは、競技パフォーマンス向上を目的とした文脈的ストレングストレーニングであり、以下の3つの要素を統合したアプローチを指します。 1.特異的な負荷の提供 - 筋力トレーニングや競技動作の反復だけでは得られない負荷を与える。 2.運動学習の理論活用 - 競技動作のコアとなるアトラクターを学習し深化するための学習機会を提供する。 3.競技動作への転移 - 実際の競技場面で発揮される動作を意識したトレーニングを構築する。 以上の内容を網羅的に学習するために、DMC(動的運動制御)、MLT(運動学習理論)、SSM(競技特異的動作)の3コースを認定しています。...
ヒップロックを徹底解説!(九鬼 靖太先生)|ウェビナーレポート
ウェビナー質疑応答を公開!|感覚運動科学の基礎(近藤 拓人先生)
今回は、先日開催した無料ウェビナーの内容の一部をご紹介いたします。 感覚運動科学の基礎から実践的な応用までを丁寧に解説し、現場で役立つ知識やスキルについて具体的にお話しいただきました。 今回のレポートではウェビナー終盤に受講者から寄せられた質問とそれに対する近藤先生の回答をまとめています。 本テーマは2024年12月、今年4月、8月にも実施されており、基本構造や理論の整理については、以下のコラム記事にてご紹介しています。 ウェビナーレポート|近藤 拓人さん「感覚運動科学の基礎」 ご参加いただけなかった方や、復習したい方は是非あわせてご覧ください。 ■テーマ:感覚運動科学の基礎 ■開催日:2025年11月15日 ■講師:近藤 拓人 (AZCARE ACADEMY 代表 / NEXPORT 代表) Q&A 感覚運動科学の理解をベースにウェビナー後半では医療・トレーニング・フィットネスといった多様な現場から寄せられた質問に対し、近藤さんが理論と実践をつなぐかたちで丁寧にご回答をいただきました。 以下、一部抜粋してご紹介します。 Q1:眼球運動に関してもPLAZ+で学ぶことができますか? A: はい、学べます。 視覚の講座は後藤先生が担当してくれていますが、まずは僕の講座を受けたあとに、後藤先生の12回コースを受けてもらうのが一番いいです。 ただ眼球運動だけを学んで現場で使うのはおすすめしません。 リスクもありますし、結局使わなくなるからです。 視覚そのものを理解した上で眼球運動を使うと、すごく効果的なのでその意味でも PLAZ+ではしっかり学べる内容になっています。 Q2:背面(広背筋、ハムストリングスなど)の感覚を感じづらい方が多いと感じます。日常の体感覚視覚からの情報が少ないからでしょうか? A: イメージもあると思いますが、実は広背筋より腹筋群のほうが感覚が薄いです。 特に腹筋下部が全然わからないという方がめちゃくちゃ多いです。 ほかにも前鋸筋、僧帽筋下部、内側広筋、上腕三頭筋など、感覚の入力が入りづらい筋肉っていくつかあります。 なので、背面だから弱いというよりは、そもそも体勢感覚として情報が入りにくい部位が人によって決まっているというイメージのほうが近いですね。...
ウェビナー質疑応答を公開!|感覚運動科学の基礎(近藤 拓人先生)
サミットレポート(2/3)|PERFORM BETTER JAPAN SUMMIT 2025
10月17日(金)〜19日(日)に開催した「PERFORM BETTER JAPAN SUMMIT 2025」の内容の一部を全3回に分けて配信させていただきます。 今回は初日の講義の模様を一部ご紹介します。 栄養、コミュニケーション、感覚運動、多方向ムーブメントなど多角的なテーマを通じ、現場で活用できる知見を解説いただきました。 テーマ:ダイエットのための栄養学(前半)/EAMC(運動関連筋痙攣)に対する統合療法(後半) 川合 智(日本統合療法株式会社 代表) 川合さんは運動療法と栄養療法を土台とした「統合療法」を指導し、様々な慢性不調を抱える方を寛解へ導き、アスリートに対する栄養アドバイスも行っています。 前半の講義では、ダイエットを「体重減少」ではなく「代謝の調整」として捉える考え方を紹介しました。 ダイエット成功のために押さえておきたい栄養学的アプローチを、マクロ(エネルギーフラックス、セットポイント理論など)とミクロ(慢性炎症、血糖コントロール、微量栄養素欠乏など)の二つの視点から解説しました。 後半の講義では、運動関連筋痙攣(EAMC)と熱痙攣との違いを整理した上で、EAMCに関連する栄養素について解説しました。 栄養アプローチを“現場で扱える言語”に落とし込む重要性を伝え、実践につながる学びとなりました。 テーマ:Reach Program −知識・技術だけでは足りない、現場で求められる成果を引き出すコミュニケーションの力− 荒井 秀幸(株式会社R-body Chief Technical Officer) 荒井さんは、コンディショニングを提供するスポーツ運動療法施設「株式会社R-body」のChief Technical Officerとして、トップアスリートや一般の方に向けたコンディショニングトレーニング指導を行っています。 本講義では「知識や技術だけで成果は出ない。必要なのは“伝え方の力”」と語りR-bodyが開発したReach Programをもとに、コーチングとティーチングの違いを明確に整理し、クライアントの行動変容を引き出すための“再現性あるコミュニケーション”の仕組みを紹介しました。 会場では多くの受講者が実際のケーススタディを通して、言葉の使い方が結果を左右することを体感していました。 テーマ:関節アライメントを考慮した連動性とパフォーマンスの向上 −運動感覚を培うために−...
サミットレポート(1/3)|前日カンファレンス
10月17日(金)〜19日(日)に開催した「PERFORM BETTER JAPAN SUMMIT 2025」の内容の一部を全3回に分けてご紹介させていただきます。今回は前日カンファレンスついてご紹介します。 北島康介をモデルケースに「アスリートの身体評価をアップデート」のテーマでディスカッションを実施しました。 まずは現役時代に競泳日本代表のトレーナーとしてコンディショニングを担当してた小泉圭介さん、現在、実際にトレーニングに通うBest Performance Laboratoryの桂良太郎さんにスライドを使いながら講義いただき、近藤拓人さんにはその場で初めて北島康介の身体を評価いただきました。 アスリートの身体評価をアップデート -現役期・引退後の目的の目的の変化に応じたトレーニング戦略 1.小泉圭介 現役時代の課題と取り組み 小泉さんからは当時の北島康介の身体評価から実際に取り組んだエクササイズをご紹介いただきました。当時の身体評価の画像やレース中の映像も交え、非公開情報も含めた内容で現役時代の北島康介の特徴や課題を振り返しました。 2.桂良太郎 現在のトレーニングプログラム 桂さんからはBest Performance Laboratoryの身体評価システムやトレーニングプログラムから、現在の身体の課題解決や、仕事とプライベートを充実させるために取り組んでいるトレーニングをご紹介いただきました。 3.近藤拓人 初めて対応するアスリートの身体評価 近藤さんには小泉さん、桂さんのお話を受けたうえで北島の身体を評価しながら、初めてクライアントを身体評価をするうえでのポイントや順序などを自身の施設「NEXPORT」でも取り組んでいる内容も踏まえてご紹介いただきました。 現役期と現在で共通する胸椎、脊柱のモビリティの課題 現役期から今に至るまで身体の特徴である胸椎や脊柱の可動性についてそれぞれの見立てや、エクササイズ戦略をディスカッションしました。 北島本人が現在感じている「背中の違和感」との関連性などそれぞれの見立て、戦略と実際のエクササイズもご紹介いただきました。 アスリートとの関わり方「競技特異性」について アスリートと関わるうえでは必ず話題に出る「競技特異性」についてもディスカッションが行われました。特定の部位を鍛えたり、エクササイズなどの目先のテクニックに頼るのではなく、まずトレーナーの立場としては競技そのものの理解度よりも、「競技動作のバイオメカニクスを理解する力」の重要性が述べられました。 アスリートに求められるリテラシーとセルフマネジメント力 北島からは、「アスリートが判断すべき部分と、身体に関してはトレーナーに委ねる部分を自分自身で整理することが大切で、トレーナーの知識、技術を活かすにはアスリートのリテラシー次第で大きく変わる」と意見がありました。 現役時代を振り返り、セルフマネジメント力とリテラシー、またトレーナーを含めた周りのスタッフとの信頼関係が相互に支え合うことで、コンディションやパフォーマンスを長期的に維持するには重要であることが再認識されました。...
サミットレポート(1/3)|前日カンファレンス
Webinar Report|AIを用いたスポーツ動作解析(内田 智也先生)|サミットプレウェ...
今回は、先日開催した無料ウェビナーの内容の一部をご紹介いたします。 トヨタアスリートスポーツセンターの内田智也先生に「AIを用いたスポーツ動作解析」をテーマに講義いただきました。 本ウェビナーは10/18~19に開催するパフォームベタージャパンサミット2025のプレウェビナーになりますので、ご検討中の方は参考になれば幸いです。 ■テーマ:AIを用いたスポーツ動作解析 プレウェビナー編 ■開催日:2025年8月28日 ■講師:内田 智也 (トヨタアスリートスポーツセンター) AIを用いた動作解析とは? 近年、AI技術の進歩により、スポーツ動作解析の方法は大きく変化しています。 従来のマーカーを体に貼り付けるモーションキャプチャーは準備や後処理に時間がかかり、研究用途が中心でした。 しかし、AIによる「マーカーレス解析」が登場したことで、カメラ撮影だけで短時間に解析が可能になり、現場での実用性が一気に高まりました。 特に投球動作のような複雑な動きでも、5分程度で解析とフィードバックが行えるようになり、病院やチームの現場でも導入が進んでいます。 動作解析は評価の一部 筋力測定や関節可動域の評価、画像診断などと同様に、動作解析も統合的な評価の一つであり、それ単体で完結するものではありません。 特に重要なのは、数値そのものよりも「どの変数を選び、どのように解釈して伝えるか」。 対象者に合わせたフィードバックが必要であり、プロ選手から学生、一般の方まで、理解度に応じて伝え方を変える工夫が求められます。 リアルタイムフィードバックシステム トヨタアスリートサポートセンターでは、フォースプレートやジャンプ計測、アイソメトリックスクワットなどを組み合わせ、AI解析と統合した「リアルタイムフィードバックシステム」を構築しています。 たとえば片脚ジャンプや減速動作を評価し、着地時の膝や股関節の使い方を数値化。 さらに直感的に理解できるよう姿勢や体幹の傾きをビジュアルで提示することで、選手自身が動きを修正しやすくなる仕組みを導入しています。 このように「わかりやすいアウトプット」を設計することが、選手の納得感と現場での活用につながっています。 Bridge the gap AIを用いた動作解析は高精度かつ短時間で可能になりましたが、それを「どう現場に落とし込むか」が大きな課題です。 解析者が提示する変数やフィードバック方法に専門性の偏りが出ると、現場とのギャップが生まれる可能性があります。 その橋渡し役となるのが、指導者やトレーナーです。 選手やコーチの言語と、解析から得られる数値をつなげることが、AI時代の動作解析において欠かせない要素といえます。...
Webinar Report|筋肥大の科学(加藤 光先生)|サミットプレウェビナーレポート
今回は、先日開催した無料ウェビナーの内容の一部をご紹介いたします。 東京大学大学院博士課程で筋肥大の研究を進める加藤光先生に「筋肥大の科学」をテーマに講義いただきました。 本ウェビナーは10/18~19に開催するパフォームベタージャパンサミット2025のプレウェビナーになりますので、ご検討中の方は参考になれば幸いです。 ■テーマ:筋肥大の科学 プレウェビナー編 ■開催日:2025年8月27日 ■講師:加藤 光 (東京大学大学院博士課程) 筋肥大を学ぶ意義 筋肥大には大きく「力学的機能」と「代謝的機能」の2つの意義があります。 力学的には最大筋力の向上や持続的な力発揮能力の向上に結びつき、競技パフォーマンスや傷害予防に寄与します。 代謝的には基礎代謝量の増加や抗炎症性物質の分泌促進など、生活習慣病リスクの低減や健康維持に直結する効果があります。 特に骨格筋は唯一、外的刺激によって量を増やすことができる組織であり、年齢や活動量の低下による代謝不良への対抗手段としても重要です。 現状における筋力トレーニングの課題 これまでの筋力トレーニングの議論は「セット数」「負荷」「種目」といった方法論の組み合わせに偏ってきました。 しかし、個人の経験・年齢・環境・遺伝的要因によって反応は大きく異なり、ガイドライン的な“平均値”だけでは最適解を導くことが困難です。 そのため、現場で重要になるのは「どのような刺激が筋肥大を引き出すか」を理解し、科学的メカニズムに基づいて調整していく視点です。 単一の研究結果に依存するのではなく、研究を統合し、その背後にある生物学・物理学的な原理を踏まえてトレーニングを設計する必要があります。 筋力トレーニングと筋の適応変化の関係(サミットの序論) 筋肥大は「同じ刺激を繰り返せば際限なく進む」ものではなく、一定の適応値に達すると停滞します。 ここで重要になるのは「更新」です。 つまり、負荷の質や量を調整して、新たな適応変化を促すことがトレーニング設計の本質となります。 サミット本番では、この「更新」をどのようにデザインするか、メカニカルストレスや代謝性ストレスといった刺激の質をどう捉えるかが深く解説する予定です。 Q&A 参加者からの質問に対し、自身の研究をもとに具体的にお答えくださいました。 以下、一部抜粋してご紹介します。 Q1. 筋肥大と脂肪燃焼を両立させるために、有酸素運動との組み合わせ方法はありますか? A: 有酸素運動はエネルギー収支の面で筋肥大にマイナス要素を持つ場合があります。 ただしシステムとして捉えれば、栄養・休養との関係を含めて両立を設計することは可能です。 「仕組み」を理解することで、現場での最適な組み合わせ方を考えられるようになります。 Q2....
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