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アスリートにおける腰痛(根城 祐介先生)|ウェビナーレポート

セミナー トレーニング 活動報告
アスリートにおける腰痛(根城 祐介先生)|ウェビナーレポート

今回は、先日開催した根城 祐介先生による無料ウェビナー「アスリートにおける腰痛」の内容の一部をご紹介します。
競技現場で多くみられる非特異性腰痛をテーマに評価・分析・エクササイズの実際を通してアプローチの考え方を解説いただきました。

■テーマ:アスリートにおける腰痛

■開催日:2026年1月20日

■講師:根城 祐介 (Active-Aid Program 代表)

非特異性腰痛の特徴

腰痛の約8割を占めるといわれる「非特異性腰痛」は、レントゲンやMRIなどの画像診断で原因が特定できないタイプの腰痛を指します。
構造的な損傷だけでなく、動作・姿勢・負荷のかかり方・可動性のアンバランスといった複合的な要因が重なって生じるケースが多いです。
アメフト選手を対象にした調査では、約3割が腰痛を抱えており、シーズンを棒に振る選手も少なくありません。
全競技の怪我のうち約10〜15%が腰痛関連であり、繰り返し動作や過度な姿勢保持が大きなリスク因子となっています。
腰痛リスクを高める動作として「屈曲」「回旋」「不良姿勢での反復」が挙げられ、競技種目に限らず、日々の動作や負荷の蓄積が負担となっているかを観察する姿勢が求められます。

動作分析

アスリートの腰痛は、運動時間・強度・特異的動作の3点が一般的なケースと大きく異なります。
高強度で非日常的な動きを繰り返すことで、腰部へのせん断ストレスが増し、股関節・体幹・胸郭の連動性が崩れることが痛みの要因になります。
股関節のモビリティが低下すると、体幹が代償的に動いてしまい、結果的に腰部へ過剰なストレスが集中します。
股関節と体幹の協調を欠いた瞬間に“画像には映らない腰痛”が起こるという考え方は、腰痛を「構造的損傷」ではなく「動作の破綻」として捉える重要な視点となります。
さらに、体幹と骨盤の位置関係が崩れると、力の伝達効率や軸回旋も乱れ、パフォーマンス低下や慢性的な負荷の蓄積につながります。 
ニュートラルポジションの維持が腰部保護とパフォーマンス両立の鍵になります。

エクササイズ

腰痛の改善や再発予防においては、体幹のスタビリティと胸郭のモビリティを中心に再教育することが重要です。 股関節の働きを引き出すためには、その上位構造である体幹・胸郭の機能を整える必要があります。

体幹スタビリティエクササイズ(三ヶ月ポジション)

レバーベルを使用し先端に負荷をかけた状態で叩く動作を行うことで、腹圧を保ちながら上肢を動かす。
ミニバンドを膝に装着し股関節外転を加えることで、フィードフォワード型の安定性が高まり、体幹と下肢の協調が促されます。

胸郭モビリティエクササイズ

片手で支え、もう一方の手でスライドさせながら胸郭の回旋と伸展を引き出す動作です。
バルスライドを使うことで、物体を操作しながら自分の身体を制御する感覚を養うことができます。
さらにECTスリーブやレバーベルの横振りスイングを組み合わせることで、動作の連動性と反応力を同時に高める応用例も紹介いただきました。

Q&A

Q1: シーズン中のアスリートの痛みをごまかしつつ競技を続ける場合も多々あるかと思います。資格の問題もありますが、根城さんのプログラムではケースに応じて手技を組み合わせることもありますか?

A:
アスリートってシーズン中は痛みを抱えながらプレーすることが多いですよね。
僕らの施設ではATC(アスレティックトレーナー)と柔道整復師の資格を持つスタッフが連携していて、必要に応じてラジオ波とか、徒手のケアを行うこともあります。
ただ“痛みを取る”というよりは、“痛みを増やさずに動けるようにする”という考え方です。

Q2: 動作の連動性が腰痛を防げるとは思うのですが、各部位の動きをチェックするテストみたいなものは作っていますか?

A:
はい、うちでは独自の評価項目を設けています。
ただ、テストを作って点数をつけるというよりも、動作の中で全体を見ていますね。
例えば片脚立位での安定性、胸郭の動き、頸部の回旋など、単一ではなく、いくつかの動作を通して“つながり”を評価するようにしています。

Q3: 腰痛のあるアスリートの練習参加を許可するか否かの基準はどのようにしていますか?

A:
“痛みがあるかないか”ではなく、“動作が再現できるかどうか”を基準にしています。
再現性が高ければ、強度を落とした状態で練習に戻すこともあります。
逆に動作が崩れている場合は、基本的な体幹の安定や股関節のコントロールを優先します。
チーム所属の選手については、医師やトレーナー、エージェントと情報共有をして判断しています。」

Q4: アスリートの主訴を問診で聞き出す際に気を付けるポイントや施設内での決め事は作っていますか?知識を増やすと無意識に自分の知識の方に結論を導くような質問を繰り返してしまうと注意を受けて悩んでおり質問させてもらいました。

A:
すごくいい質問です。
こちらの知識で導かないことを意識しています。
問診って相手のストーリーを聞く場だと思っていて、自分の仮説に合わせて誘導してしまうと本質を見誤るんですよね。
うちの施設では全国の修了生の情報を共有して、統一した問診票を使っています。
どのスタッフが担当しても再現性のある情報が取れるようにしています。

Q5: アスリートの腰痛を診る際に競技に関わらず決まった測定やチェックポイントは設けていますか?

A:
どんな競技でも共通して見るポイントは3つです。
股関節の可動性、胸郭の拡張性、骨盤の制御力。
この3つのどれかが崩れると、腰部で代償が起きて痛みにつながります。
腰痛そのものは結果であって、原因は別の場所にあることがほとんどです。

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