今回は、先日開催した川合 智先生による無料ウェビナー「慢性疲労に対する栄養療法」の内容の一部をご紹介します。
ご参加いただけなかった方や、復習したい方は是非ご確認ください。
■テーマ:慢性疲労に対する栄養療法
■開催日:2026年4月24日
■講師:川合 智(日本統合療法株式会社代表取締役)
慢性疲労は「未病」として捉える

慢性疲労というと「疲れが抜けない状態」と捉えられがちですが、今回のウェビナーではまずこの前提が整理されました。
血液検査などで異常が見つからないにも関わらず、日常生活に支障をきたすほどの不調が続く状態。
このような状態は、「健康」と「病気」の間にある未病として捉えられます。
現場でも、
・朝起きられない
・十分に寝ても疲れが取れない
・日中の集中力が続かない
といったケースに多く遭遇しますが、こうした状態こそが慢性疲労の入り口である可能性があります。
なぜ疲労は抜けないのか?

慢性疲労は単一の原因ではなく、構造的に起きています。 特に重要な要素として
・慢性炎症
・低血糖
・消化機能の低下
上記3つが挙げられます。
これらは独立しているのではなく、相互に影響し合いながら悪循環を生み出します。
例えば、慢性炎症によってホルモンバランスが乱れ、血糖コントロールが不安定になり低血糖を引き起こす。
さらに交感神経の過活動により消化機能が低下し、栄養の吸収効率が落ちる。
このような連鎖によって、「回復できない状態」が続いてしまうと考えられます。
トレーナーが見落としやすい視点

運動が必ずしも改善につながるとは限らないという点は重要なポイントです。
慢性疲労の状態では、
・トレーニングによる炎症の増加
・回復ホルモンの消耗
・コンディションの悪化
といったことが起こる可能性があります。
そのため介入の優先順位は、食事と睡眠の改善が最優先とされています。
運動はその後、「やった後にまたやりたいと思える強度」から段階的に進めていくことが重要です。
現場でのアプローチのヒント

具体的な取り組みとしては、
・1日3食+必要に応じた補食
・血糖値の安定を意識した食事
・「まごわやさしい」をベースとした食品選択
・睡眠環境と生活習慣の見直し
といった基本的な内容から始めることがポイントです。
シンプルではありますが、これらを継続することが慢性疲労改善の土台となります。
Q&A
Q1: 慢性疲労の症状に当てはまるが日常生活は送れている場合は?
A:
慢性疲労には段階があり、日常生活が送れている場合は初期〜中期の可能性があります。 未病の段階で捉え、早期に対応することが重要とされています。
Q2: 睡眠の指導は行っていますか?
A:
睡眠環境や習慣へのアドバイスは行うことがありますが、睡眠は「1日の写し鏡」であり、食事や生活習慣の改善とあわせて取り組むことが重要とされています。
Q3: 初回の栄養相談では何を指標にしますか?
A:
健康診断や血液検査の結果があれば参考にしますが、必須ではありません。
問診からでもある程度の判断は可能であり、必要に応じて検査を提案する形になります。
Q4: 運動はどの程度行うべきですか?
A:
「やった後に気分が良く、またやりたいと思える強度」が目安です。
強い筋肉痛を伴う運動は炎症を引き起こし、状態を悪化させる可能性があります。
Q5: 消化機能の評価として牛ひき肉を用いた実験は適切ですか?
A:
この実験の目的は、「どの食品が消化しやすいか」を比較することではなく、消化管そのものの働き(消化・排出能力)を評価することにあります。
実際には牛ひき肉だけでなく、水分(液体)の排出時間もあわせて評価されており、慢性疲労の程度が高いほど、消化や排出に時間がかかる傾向が見られています。
重要なのは、「何を食べたか」ではなく、どの程度スムーズに消化・吸収・排出できているかという点です。
そのため、ある程度消化に負担のかかる食品を用いることで、消化機能の状態をより明確に把握するという考え方になります。
また、慢性疲労と消化不良はどちらが原因かを切り分けることが難しいケースも多く、いずれにしても消化機能へのアプローチは重要な介入ポイントになるとされています。
さらに理解を深めたい方へ
今回のウェビナーでは、慢性疲労の背景にある構造と基本的なアプローチについて解説いただきました。
しかし現場では、
・クライアントごとの優先順位の判断
・栄養と運動の具体的な組み合わせ
・再現性のある指導への落とし込み
といった、より実践的な理解が求められます。
10月開催予定のパフォームベタージャパンサミット2026では、川合先生をはじめとした講師陣による講義・実技・ディスカッションを通じて、現場での応用まで学ぶことが可能です。
今回の内容をさらに深く理解したい方は、ぜひご参加をご検討ください。
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