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今回は、先日開催した阿部 勝彦先生による無料ウェビナー「足から変える運動連鎖 ー 足部機能の再構築によるパフォーマンス向上戦略 ー」の内容の一部をご紹介します。
■テーマ:「足」から変える運動連鎖 ー 足部機能の再構築によるパフォーマンス向上戦略 ー
■開催日:2026年2月6日
■講師:阿部 勝彦 (Stride ReMOV チーフ テクニカル オフィサー)
「足」に介入するようになったきっかけ
アスリートのパフォーマンス改善や傷害予防に取り組む中で、「動作を整えても再発する」「上半身を改善しても下肢の不安定性が残る」といったケースを繰り返し経験したことにあります。
スクワットやRDLなどのフォームを整えても安定しない選手を分析した結果、原因が“足部の機能不全”にあるケースが多いことに気がつきました。
足は単なる接地面ではなく、身体全体の運動の出発点であり、感覚入力の基盤です。
ここを整えなければ、上位関節の再教育は不完全になります。
足の機能解剖(構造&アーチ)
足部は26個の骨、33の関節、100を超える靭帯・筋群から構成されています。 前足部・中足部・後足部の3パートに分かれ、その複雑な構造が剛性と可動性を両立させています。
特に重要なのが「アーチ構造」です。
・内側縦アーチ
・外側縦アーチ
・横アーチ
横アーチを「ピザ」に例え、一切れでは崩れますが、円形になることで剛性が高まります。
横アーチは足部剛性の約40%を担い、推進力生成に大きく関与しています。
アーチが崩れることは、力の伝達効率が低下することを意味します。
さまざまな視点から足部の役割
Foot Core System
足にも体幹と同様に「コア」が存在します。
内在筋・外在筋・受動構造が連携し、安定性と可動性をコントロールしています。
単なる筋力強化ではなく、感覚入力と筋活動の統合が重要です。
運動連鎖
足部の過回内・過回外は、膝・股関節・骨盤へ影響を及ぼします。
接地のわずかなズレが、上位関節のアライメント異常へ波及します。
足は“末端”ではなく、運動連鎖の起点です。
筋筋膜
Deep Front Lineをはじめとする筋膜ラインは、足底から体幹、頸部まで連続しています。
足底の機能低下は、腹部・股関節屈曲群・横隔膜にも影響を与えます。
運動制御
足部は感覚入力の最大の受容部位の一つです。
足底からの情報が中枢神経系の姿勢制御を支えています。
感覚が曖昧になれば、運動出力も不安定になります。
パフォーマンス
ジャンプ、方向転換、スプリント。
いずれも接地局面が成否を分けます。
足部が剛性を発揮できなければ、地面反力を効率よく上位へ伝達することはできません。
足部機能の再構築は、パフォーマンス向上の土台となります。
S+3P (STRIDE ReMOV Foot Strength System)
STRIDE ReMOVで提唱している段階的な再教育プロセスです。
Step0:感覚入力 →まず足底感覚を高めます。
Step1:アライメントの復元(求心位)
→関節が安定する中心ポジションを獲得します。
Step2:神経筋制御の獲得
→正しい荷重パターンを再学習します。
Step3:剛性の獲得と統合
→最終的に全身動作へ統合します。
単に鍛えるのではなく、再教育 → 統合 → 出力へと段階的に進めることが最大の特徴です。
Q&A
Q1: ご紹介いただいたとおり足部の問題で身体全体に影響が出て、動作が正しく出来なくなると思うのですが、阿部さんが運動指導するときに動作と足部の問題のどちらも評価するのでしょうか?もしくは、まずは動作を評価して必要に応じて足部の評価を行いますか?
A:
まずは動作を見ます。
ただ、動作を見ていて“なんか違うな”と思ったときに足部を疑います。
足だけを単体で見ることはあまりないですね。
あくまでも動作の中での足部の振る舞いを評価します。
Q2: サッカー、バスケは求心位の問題が起きやすいとのことでしたが、阿部さんの感覚でこれまでの経験からアスリートでもどれくらいの割合で足部エラーが出ていますか?
A:
感覚的にはかなり多いですね。
特に方向転換の多い競技では、ほぼ全員に何かしらのエラーはあります。
ただし、それがパフォーマンスに直結しているかは別の問題です。
Q3: 足の求心位の部分ですが靴を履いていることにより足のアライメントが崩れて関節が求心位を保たれないという認識でお間違いないでしょうか?
A:
靴が悪いというより、靴に頼りすぎることが問題だと思います。
固定されすぎると、足の内在筋が働かなくなるのでそういったところに原因があると考えます。
Q4: 足部の感覚入力はパワープレートのような振動刺激でも有効でしょうか?不安定な床面でエクササイズも取り入れることはあるのでしょうか?
A:
振動刺激も使いますね。
ただ、それだけで終わらせないことが重要です。
最終的には自分でコントロールできる状態を作ります。
Q5: スプリント的なスポーツへのアプローチもバランスを取り続けるスポーツへのアプローチもトレーニングは同じと考えていいですか?何か違う点はありますか?
A:
トレーニングのベースは同じです。
でも最終的な統合フェーズは競技特性に合わせないといけないですね。
Q6:選手に対し、靴の選び方や提案することもあるかと思いますが、どういった観点で靴選びをされていますか?
A:
クッション性よりも、足部が機能できるかどうかを見ます。
過度にサポートしすぎないことが大事です。
Q8:クラシックバレエと新体操の子供達を見ていますが、爪先立ちの低い子や足部のぐらつく子は今日の講義の内容も関係していますか?
A:
大きく関係していると思います。
足部の安定性と感覚入力が弱い可能性がありますね。
ウェビナーを見逃した方へ
講師の阿部さんが解説する「足から変える運動連鎖 -足部機能の再構築によるパフォーマンス向上戦略」は、3月19日(木)にも開催を予定しています。
受講できなかった方や既に受講した方でも復習を希望される場合はこの機会に是非お申し込みください。
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