安全性には、トレーニング時のクライアント同士の距離や、設置器具の安定性、施設内の導線などさまざまな要素が関わり合っていますが、今回は開業前に考えておくべき重要なポイントを3つご紹介いたします。
安全な施設を作るための3つのポイント
1. 床材選び
安全な施設を作るためには、施設の広さやコンセプトに関わらず「床材選び」にこだわることが重要です。
例えば、ストレングストレーニングを行うエリアでは衝撃を吸収しやすいラバーマットを選ぶことで、クライアントの負担軽減やトレーニング時の転倒防止だけでなく、万が一落下させた場合にも器具の破損も防ぐことができるなど安全性を高めることができます。
黒色でハードなイメージのあるラバーマットですが、最近はフローリングやコルク調のラバーマットもございます。
施設内を無骨な雰囲気ではなく、日常的な空間に近づけたい方におすすめです。
コルク調のラバーマットの使用例(NEXPORT新小岩)
そのほか、フリースペースやアジリティトレーニングを実施するスペースに適した床材の選び方についてはこちらをご覧ください。
床材選びのポイントまとめ
2. 器具選び
器具を選ぶ上で「耐久性」と「扱い易さ」は非常に重要です。
今回は消耗品と重量を扱う器具を選ぶ上で重視すべきポイントをご説明いたします。
(1) 消耗品は「劣化しづらいもの」を選ぶ
エクササイズバンドなどの消耗品は劣化に伴い破れることがありますが、表面の加工や素材によって耐久性が大きく異なります。
特にバンドの張力が高くなるムーブメントトレーニングの負荷やチンニングのサポートとして使用する場合には、大きな怪我につながる可能性があるため、耐久性の高いバンド選びや劣化状況のこまめな確認が重要です。
一般的にエクササイズバンドはつなぎ目の部分に負荷がかかり破れることが多いのですが、PERFORM BETTERのエクササイズバンドは筒状の塊から周りをくり抜く手法でつなぎ目(貼り合わせ箇所)がなく破れやすい部分がございません。
加えて表面が劣化しにくいオイルを散布後に検品・出荷しているため、従来のエクササイズバンドよりも耐久性が高く安心してご利用いただけます。
(2) 重量を扱う器具は「握りやすさ」と「体への負担」で選ぶ
例えばケトルベルでは「握りやすさ」や「体に過度な負担が掛からないこと」などの取り扱いやすさがトレーニングの安全性を高めます。
ケトルベルの使いやすさを決める要因は、表面の素材による握りやすさも影響しますが、ハンドルと重量部分のバランスが大きく関わります。
ケトルベルはメーカーによって「ハンドルの形状」に違いがあり、グリップの太さ、ハンドル部分が必要以上に大きいと重量部分との重さに差が少なくなり、扱いにくいことに加えて、ケトルベルを使用するメリットも少なくなってしまいます。
ケトルベルの重量の揃え方や握り方について詳しく知りたい方は以下をご覧ください。
ケトルベルの仕様と握り方
また、PERFORM BETTERではトレーニングの安全性を高める器具として「ヘックスバー」の導入をおすすめしています。
ヘックスバーは「絶対に必要な器具」ではないため、予算の都合で導入を見送られる方も多いかと存じますが、通常のシャフトでは得られない「怪我の予防」や「過度な体への負担を軽減」といったメリットがございます。
ヘックスバーについてご興味のある方は以下をご覧ください。
ヘックスバーの特徴
器具の仕様にこだわることでトレーニング効率が上がることはもちろん、安全性を高めることでクライアントの不要なストレスを低減させることができます。
「安全な施設づくり」も重要な観点としてぜひ施設設営にお役立てください。
3. レイアウトの工夫
床材、器具が決まったらあとはレイアウトです。
安全面を考慮した場合に押さえるべきポイントとしては以下3つが挙げられます。
・施設内を移動するクライアントの導線を確保する
・トレーニング時のクライアント同士の距離を確保する
・スクワットラックなど重量を扱う器具の周りなど、器具同士の距離も確保する。
ストレングス・有酸素・フリースペースなどの用途に合わせてエリアを区切り、前述の3つの基本ルールを守ることで、クライアントの想定外の動きによる事故を防止でき安全性の向上につながります。
レイアウトの調整に迷われた際には安全面や施設内のエリアの分け方も参考にご検討ください。
今回ご紹介した通り、安全な施設作りには開業前の段階で考えておくべきことが多数ございます。
器具選びやレイアウトなどに迷われた方はぜひお気軽にお問い合わせください。
「レイアウトや器具の導入」について詳しく知りたい方は以下のコラムもご覧ください。
失敗しない施設レイアウトと導入器具の決め方