今回は「ダンベルとケトルベル」をご紹介いたします。特徴や使用用途には大きな違いがあるものの、 どちらも「片手で扱えるウエイト器具」という共通点を持つため、導入時にどちらが良いか悩まれる方もいらっしゃいます。
本コラムを通じて、改めてその違いや選び方のポイントを整理するきっかけになれば幸いです。
1. 違いと使い分け
(1)最大の違いは「重心の位置」
ダンベルが握った手と同じ高さで左右対称に重心が位置するのに対して、ケトルベルは握った手の外側に重心が位置します。
*詳しくは別のコラムでもご紹介しておりますので是非ご覧ください。
(2)垂直方向へ安定した負荷をかけるなら「ダンベル」
左右均等の重心のため動作を安定させやすく、名前の通り「ダンベルプッシュ」や「ダンベルフライ」に代表される上肢のプッシュエクササイズで多く活用されます。 安定した環境で垂直方向への負荷を求めるのであればダンベルの活用がおすすめです。
(3)遠心力を利用したり、不安定な環境下でのエクササイズなら「ケトルベル」
ケトルベルは握った位置から重心が離れるため、ダンベルでは作り出しにくいエクササイズ環境を作り出すことが可能です。具体的には、遠心力を利用した「ケトルベルスイング」や、 「ターキッシュゲットアップ」時に重心を手の甲側に移動させ不安定な環境を作り出す場合などが当てはまります。
また、ケトルベルは他の器具と組み合わせて使用することもおすすめです。動画のようにケトルベルのハンドル部分にスーパーバンドを結んで使用することで、ケトルベルの重量がスーパーバンドの張力で不規則にバウンドし、エクササイズ環境を不安定な状態にセットすることが可能となります。 スクワットやランジ動作など日常のトレーニングにバリエーションを加えてみてください。
2. ダンベルとケトルベルの選び方
通常、ダンベルセットでは重量の最小値と最大値の幅が広くセットされていますが、指導対象のクライアントの条件が明確な場合には、 重量の幅を限定しその範囲内で負荷を徐々に上げられるようにバラで細かく重量を揃えることもおすすめです。 例えばアスリートや男性のボディメイクの需要がある施設では高重量が必要になる場合が多く、ダンベルは
に加えてバラで23kg以上のものを数ペア、ケトルベルは10kg以下の軽量のものは最小限に抑えて、10~24kg程度の重量のものを中心に選択されます。 一方で、女性のクライアントが多いパーソナルジムでは高重量の必要性は少なく、ビニールカバーダンベルは6.8kg以下、ケトルベルも2kg~10kgに限定して2kg刻みでの導入を検討されることが多いです。
パフォームベタージャパンでは以下のラインナップをご用意しており、 重量を細かく揃えていただくことが可能です。ぜひご自身のクライアントの属性に合わせて必要な器具を検討してみてください。
ビニールカバーダンベル|0.5~6.8kg ※1LB(=約0.45kg)刻み
ラバーダンベル|2.3kg~45kg ※5LB(=約2.3kg)刻み
ケトルベル|2kg~44kg ※2kg刻み
また「重量の”範囲”を絞る」ことには、使用頻度の低い器具の導入を防ぎ、スペースの有効活用にもつながるという利点もございます。スペースの有効活用を優先する場合には、重量可変式のパワーブロックもおすすめです。専用スタンドを使用することで最低限のスペースで50SPであれば2.3kg~23kg、SP EXP 90lbsであれば2.3kg~41kgを1.1~2.3kg刻みで使用することが可能です。こちらも合わせてご確認ください。
(2)使用用途に応じて「ペアや同重量を揃える」
ダンベルが同重量2個セットの1ペア単位での販売であるのに対して、ケトルベルは1個単位での販売が基本です。ただし、以下のような用途での使用を想定し、 ケトルベルについても同重量を複数揃える方もいらっしゃいます。
・キャリーエクササイズなど両手に同じ重量を持つエクササイズでの使用
・フィットネスクラブやヨガスタジオにおける10名以上のグループレッスンでの使用
「ペアや同重量を揃えたいけれども施設内のスペースやご予算の都合で難しい」という場合には、 重量の間隔を空けて全体の数を調整する方法もございます。ご自身の施設で提供するトレーニングの目的と合わせてご検討ください。
3. 「施設コンセプト」はやはり重要
今回、ダンベルとケトルベルの導入時に検討すべきポイントをお伝えいたしましたが、以前のコラムでもご紹介した通り、施設の開業や器具の導入時に最も重要なことは「施設のコンセプト(利用者とトレーニングの目的)」です。
*施設コンセプトの重要性について詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。
ジム開業|失敗しない施設レイアウトと導入器具の決め方
ダンベルとケトルベルを導入する前に「誰にどんなサービスを、どんな目的で提供するか」を改めて考えることで、 ご自身の施設に必要な器具を導入することが可能です。 器具についてのご質問や参考にしたい施設の見学をご希望の場合には、お気軽にお問い合わせください。
株式会社パフォームベタージャパン