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回旋のキレを⾼める呼吸×重⼼コントロール(根城 祐介先生)|ウェビナーレポート

セミナー 活動報告
回旋のキレを⾼める呼吸×重⼼コントロール(根城 祐介先生)|ウェビナーレポート

今回は、先日開催した根城 祐介さんによる無料ウェビナー「回旋のキレを⾼める“呼吸×重⼼コントロール”〜呼吸から紐解くパフォーマンスの安定化」の内容の一部をご紹介します。

本ウェビナーは、10月に開催する「PERFORM BETTER JAPAN SUMMIT 2026」のプレウェビナーとして開催しました。

今回のウェビナーでは、その内容を理解するための基礎として、回旋動作と呼吸、姿勢制御、重心コントロールの関係についてお話しいただきました。

■テーマ:回旋のキレを⾼める“呼吸×重⼼コントロール”〜呼吸から紐解くパフォーマンスの安定化

■開催日:2026年8月12日

■講師:根城 祐介 (Active-Aid Program代表 / パーソナルジムAID広尾 代表

回旋のキレ=回旋可動域なのか?

野球やゴルフ、テニスなどの回旋系スポーツでは、身体を回すだけでなく、自分自身の姿勢や重心をコントロールする「身体操作」に加え、バットやクラブなどの道具、ボールや相手、さらには環境への適応も求められます。

そのため、胸椎や股関節の可動域が大きいことだけで、回旋のキレが決まるわけではありません。
まず自分の身体がどこにあり、どのように動いているのかを感じながら身体を操作できることが重要であり、そのうえで道具の操作や環境への適応が成り立ちます。
そして、こうした身体操作に影響を与えるものの一つが「呼吸」です。

「呼吸は内的な外乱である」

「呼吸は内的な外乱である」という考え方は重要なポイントです。

運動中も人は呼吸を続けています。
呼吸によって横隔膜が動くと胸腔内圧が変化し、胸部や腹部が動くことで身体質量もわずかに移動します。
つまり、立っているだけでも身体は完全に静止しているわけではなく、呼吸によって常にわずかな影響を受けながら姿勢をコントロールしています。

また、横隔膜は換気だけを担っているわけではありません。
横隔膜が下がることで腹腔内圧が高まり、腹壁や骨盤底筋群、脊柱周囲の筋肉などとともに体幹部の制御にも関わっています。
そのため、呼吸と姿勢制御はそれぞれ独立したものではなく、互いに関係しながら行われています。

安定することは「固めること」ではない

もう一つ重要なのは「スタビリティとリジディティはイコールではない」という考え方です。
リジディティは「硬い」「固める」という意味ですが、身体を固めることがそのまま安定につながるわけではありません。
スポーツでは、必要なタイミングで身体を安定させながら必要な方向へ動き、そこから再び戻ることが求められます。

例えばテニスでは、一度ボールを打って終わりではなく、次のボールに対応するために戻り、再び同じようなクオリティで動かなければなりません。
スタビリティは単に「動かないこと」ではなく、必要な条件に応じて身体を調整する能力です。

回旋には「重心の移動」が必要になる

ウェビナー後半では、呼吸と重心コントロールの関係から、回旋動作について解説していただきました。

人は静止して立っているように見えても、視覚、前庭覚、体性感覚、呼吸などの影響を受けながら、常に微細に揺れています。
そのため、重心コントロールとは「揺れないこと」ではなく、必要な方向へ重心を移動し、必要なタイミングで戻ることができる能力として考える必要があります。

そして回旋動作についても、単に身体をその場で回すだけではありません。
回旋には体重移動が必要です。
荷重した状態から重心を移動させ、回旋し、最終的にそのエネルギーをバットやボールなどへ伝えていく。
こうした一連の動作を考えると、回旋のキレを「身体をどれだけ回せるか」という視点だけで捉えないことが重要になります。

呼吸からパフォーマンスを考える

呼吸→胸郭の動き→胸腔内圧・腹腔内圧の変化→重心の変化→回旋軸の変化→パフォーマンスへの影響

という流れが紹介されましたが「特定の呼吸法を行えば回旋のキレが高まる」ということではありません。
呼吸が身体にどのような変化を与え、それが重心コントロールや回旋動作にどう影響しているのか。
まずはその関係性を理解することが、今回のプレウェビナーのポイントとなりました。

パフォームベタージャパンサミット2026本編では

今回のプレウェビナーでは、回旋のキレを単に「身体をどれだけ回せるか」という視点だけで捉えるのではなく、呼吸や姿勢制御、重心コントロールとの関係から考えていきました。
呼吸によって胸郭が動き、胸腔内圧や腹腔内圧が変化することで重心も変化します。
そして、重心を必要な方向へ移動させ、回旋し、そのエネルギーを対象へ伝えていく。

こうした一連のつながりから、呼吸が回旋動作やパフォーマンスにどのように影響しているのかについて解説していただきました。

パフォームベタージャパンサミット2026では、こうした考え方をもとに、呼吸のバイオメカニクスや呼吸と重心の関係についてさらに掘り下げます。
さらに実技では、評価から呼吸・重心移動へのアプローチ、エクササイズへの展開まで、さまざまなツールを活用しながら実践していただく予定です。

Q&A

Q1.横隔膜の動きや呼吸のエクササイズはセッションに必ず取り入れていますか?もしくは問題ないクライアントには処方しないのでしょうか?

A:
取り入れています。
ムーブメントにまったく問題がない人はいないと考えており、何かしらの動作の代償があります。海外では「プロアスリートは代償のプロ」と表現する先生もいます。
それだけ身体の操作は上手くても、代償によって動作が成り立っている傾向があります。

そのため、横隔膜の動きや肋骨・胸郭の運動は、私自身のセッションでは必ず取り入れるようにしています。
また、選手や一般の方に自身で取り組んでもらうこともあります。
COPの位置をコントロールするための土台を整えるという認識で捉えています。

Q2.試合では緊張しているのか、リラックスしているのか状況によって呼吸に影響し、横隔膜の動きにも影響するケースがあると思いますが、根城さんが日常的にアスリートへアドバイスすることなどあれば教えてください。

A:
大きく2つのアプローチがあると思います。
一つは、決まった呼吸などをルーティンとして行うことで緊張をほぐしていく方法です。
もう一つは、あえて呼吸に意識を向けさせず、試合そのものに集中させる方法です。
どちらが適しているのかは、アスリート本人と話しながら、必要であればコーチとも話し合って判断していくことが大切だと思います。
私が現在見ているテニス選手の場合も、試合前に選手の状態を確認しながら、アップのパターンを変えたり、時にはまったく関係のない話をしたりすることもあります。選手が今どのような緊張状態にあるのかを把握することも意識しています。

Q3.適切な呼吸と横隔膜の動き、重心をコントロールして回旋にキレが出る。これは実際に介入する場合もこの順番でプログラムを組んでいますか?

A:
順番は決まっていません。
例えば、ムーブメントから入って、そこで足りない部分に対して呼吸や横隔膜、肋骨の動きへアプローチする場合もあります。

一方で、機能障害や痛みを抱えている場合には、呼吸や横隔膜の動きから入り、最後にムーブメントへつなげていくこともあります。
どちらから入るかは、その人の状態によって変わります。
事前のスクリーニングによる評価や、選手自身に感覚を言語化してもらい、それをヒアリングして判断する方法もありますが、実際には指導者の経験に基づく部分も大きいと思います。

Q4.重心コントロールで左右対称ではなく選択肢をもつという話ですが、止まっている状態から動き競技と動いている状態から動く競技では考え方は同じですか?

A:
基本的には同じです。
野球のバッティングのように止まった状態から動く場合でも、サッカーで動いている状態からシュートを打つような場合でも、右にも左にも移動できる選択肢を持っていることが重要です。
止まっている状態か動いている状態かにかかわらず、どちらにも移動できる状態を獲得しておくという考え方になります。

Q5.重心移動なしに効率的な回旋は成立しにくいとの話ですが、重心移動なしでも回旋することは可能でしょうか?例えば、サッカーのメッシ選手などの重心移動についてはどのように解釈できますか?

A:
メッシ選手は、重心のコントロールが非常に上手い選手だと思います。
カッティング動作などに入った際のCOPの位置の取り方が非常に上手く、フットワークも小刻みに行っています。
COPの位置を大きく左右にぶらさずに運動をコントロールしながら、相手の動きを予測し、必要なタイミングでCOPを変化させています。

重心を移動していないというよりも、重心を移動させる幅がある程度限定されており、その範囲の中で非常に細かくコントロールしていると捉えると分かりやすいと思います。

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