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PODCAST #001 運動指導者における設備、器具の重要性 ゲスト:近藤拓人さん

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PODCAST #001 運動指導者における設備、器具の重要性 ゲスト:近藤拓人さん

ハードがなければソフトは育たない。近藤拓人さんが語る「ラボを持つ教育者」という選択

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今回はAZCAREおよびAZCARE ACADEMY代表であり、パーソナルジムNEXPORTを運営する近藤拓人さんをゲストにお招きしました。

パフォームベタージャパンが普段お付き合いしているトレーナーや関係者をお招きして、施設のこと、専門知識、セミナー活動まで幅広くお話を伺うポッドキャスト。

トレーナーが「教育者」として活動を広げていくとき、現場を手放すことはどういう意味を持つのか。そして、なぜ施設を持つことが教育の質に直結するのか。パフォームベタージャパンがこのエピソードをお届けするのは、現場・教育・施設運営という三つの軸を同時に動かしている近藤拓人さんの思考が、現場で悩むトレーナーへの具体的な道筋を示してくれると感じたからです。

近藤拓人さんについて

近藤さんは日本の高校卒業後にアメリカの大学へ進学し、ATC(アスレティックトレーナー)の資格を取得しながら学生スポーツを中心に現場経験を積みました。帰国後は日本の大学院で感覚運動分野の研究を行いながら、フィットネスクラブでの運動指導やプロゴルファー、プロバスケットボールチームのトレーナーを歴任。その後AZCAREを2018年に創業し、現在は教育事業AZCARE ACADEMYの運営と、パーソナルジムNEXPORTでの現場指導を並行して行っています。

「自分の勉強代を稼ぐため」から始まった教育事業

近藤さんがキャリアの初期に持っていた目標は、「日本一のトレーナーになる」というものでした。何をもって一番かという明確な定義はなかったと本人は笑いながら振り返りますが、とにかく主観的に「自分がナンバーワンだ」と言えるようになりたかったと言います。

その延長で人に教える立場になったのも、当初は教育への情熱からではありませんでした。自分の勉強代を稼ぐための手段として講習会を開いていたのが始まりで、「自分が苦労して手に入れた知識を人に伝えることに喜びは感じなかった」と正直に話してくれました。

ところが実際に教え続けるうちに、受講生が現場で活躍する姿や感謝の言葉に触れていくなかで、教育の面白さを実感するようになったといいます。そして自分の関わり方が、一人のトレーナーとしての社会貢献から、教育者として貢献するというかたちにシフトしていった。

なぜ「ラボ」が必要なのか

教育者としてより長く、より大きな社会的インパクトを残すためにはどうすればいいかを考えた時、近藤さんは先人たちを参照しました。そこで見えてきたのが、優れた教育者はラボを持っているという共通点でした。

現場から離れてただ教えるだけになると、現場感が失われる。現場目線の教育ができなくなるだけでなく、技術の開発も難しくなる。近藤さんはこの状態を「教育者としての天井がそこで決まってしまう」と表現します。AZCARE ACADEMYの立ち上げに集中していた約2年間、近藤さんは現場から離れていました。その後、教育事業が一区切りを迎えたタイミングで、自らのラボとなる施設を作ることを決意したといいます。

もう一つの理由として挙げたのが、「人に教えている内容を自分がやっていないのはいかんだろう」という責任感です。自分が検証した上で人に伝えるという姿勢を保つためにも、ラボが必要だった。こうした経緯でNEXPORTが創業されました。

ハードがなければソフトは育たない

NEXPORTの設備について話が及ぶと、近藤さんが繰り返した言葉があります。「ハードがなければソフトが育たない」です。

知識があっても、それを実際のプログラムに落とし込む時には環境が必要になる。たとえばピラティスマシンがあることで、自体重のリグレッション(負荷を段階的に落とす作業)ができる。自分の体をうまくコントロールできない人に対して、ピラティスマシンなしでリグレッションしようとすると、選択肢が一気に狭まります。逆に言えば、ツールがあるからこそ発揮できる技術があり、活かせる知識があるということです。

広いスペースがあれば多方向への動きを引き出せる。ストレングストレーニングは適切な外部負荷なしにはある一定のレベル以上の人には対応しきれない。NEXPORTの設備が当初から充実していたのは、こうした思想の直接的な表れでした。

低域値・中域値・高域値すべてを提供する意義

近藤さんが一貫して主張するのが、低域値から高域値まで幅広い強度帯の運動指導を一人のトレーナーが提供できることの重要性です。これは近藤さんがウェビナーやセミナーでも繰り返し用いている表現で、特にトレーニングにおける「中域値」は一般的な言い回しではなく、近藤さん独自の 表現ですが、低・中・高のどの強度帯も指導に欠かせないという考え方の核心を表しています。

身体の深層筋は低域値・リラックスした状態での動きによく反応します。ピラティスエクササイズが効果的とされるのはこのためで、低域値で実施できれば深層筋へのアプローチとして機能します。一方、表層筋はレバーが長く大きなトルクを発揮できる筋であり、高域値のエクササイズに反応します。筋力トレーニングが有効なのはこの理由からです。そして両者の間には中域値が存在し、この領域でのプログラムも機能改善に欠かせないと近藤さんは言います。

対象者の目的 —かっこよくなりたい、痛みから解放されたい、スポーツで成績を残したい—  に即したプログラムを作ろうとすると、低域値・中域値・高域値すべてのエクササイズが必要になってくる。「ピラティスをやります」「筋トレをやります」という専門特化は、あくまで提供側の事情での差別化であって、顧客目線の差別化にはなっていないと近藤さんは言います。

提供側のメリットとしても、対象者の幅が広がることでやりがいが増す点を挙げていました。痛みを抱えた患者レベルの方、健康増進を目指すフィットネス層、アスリートと1日に複数の層を見ることの楽しさは、一つのメソッドだけでは得られないと話していました。

また、アスリートと一般の方で「やること」はそれほど変わらないという視点も印象的でした。体の構造は同じで、バイオメカニクス的に効果的な動き方も共通している。レベル設定や強度の分配を調整するだけであって、根本的にやらなければならないことはほぼ変わらないというのが近藤さんの立場です。

チームを作る理由— 個人の限界を超えるために

NEXPORTはオープン時点で、外部委託者やパートタイムを含めて8名前後のチームで始動しました。なぜ最初からチームで動いたのかという問いに対して、近藤さんは明確に答えました。「目的地に早く着きたければ一人で行け。でも、遠くの目的地に行きたければチームを作れ」というよく知られた言葉を引きながら、自分はより遠くを目指したい側だと言います。

キャリアの初期は「自分が一番になりたい」という気持ちが強かった近藤さんが、教育の仕事を通じて周りに目が向くようになり、今は「チームで自分一人ではできないことを達成したい」という方向に情熱が移ったといいます。

実際的な理由もあります。低域値・中域値・高域値をすべてカバーできる設備を一人で維持していくのは、家賃という現実的な壁に当たります。チームで多くのクライアントを見るからこそ支えられる設備があり、その設備があるからこそ個々のトレーナーが力を最大限発揮できる。チームで動くことは、個人の活動にパッションを感じるトレーナーにとっても結果的に得になると近藤さんは言います。

そしてもう一つ。「一人で目標を達成してよっしゃとやるよりも、チームで達成してみんなでワイワイやる方が楽しい」という言葉は、理論ではなく実感から来ているように聞こえました。

現場から、教育者として発信し続けること

近藤さんの話を通じて一貫していたのは、現場を離れないことへのこだわりです。現場から離れると、その場その場で瞬発的に最適な指導をする力——見立てをつけて即座にプログラムを組み立てるスピード感——が失われていく。これはAZCARE ACADEMY立ち上げ期に約2年間現場を離れた自身の経験から実感していることだと言います。だからこそ今も現場に立ち続けているし、新しい設備を取り入れるたびに自分で試し、検証し、そこから得た知識を教育に還元するサイクルを回し続けています。

パフォームベタージャパンが近藤さんとの関わりを大切にしているのも、この姿勢があるからです。現場を持ちながら教育者として発信し続けること、そして仲間とともに施設を育てながらその知識をブラッシュアップし続けること。私たちが信じる「現場に根ざした知識の循環」と、近藤さんの活動は深く重なっています。

近藤さんへの質問、または今後取り上げてほしいテーマがあれば、パフォームベタージャパンまでお気軽にお問い合わせください。

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