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開催レポート|encounterコラボウェビナー(講師:桂 良太郎)

セミナー
開催レポート|encounterコラボウェビナー(講師:桂 良太郎)

今回は、encounter様とのコラボウェビナーの内容の一部をご紹介いたします。

■開催日:2024年7月11日
■講師:桂 良太郎 (Best Performance Laboratory)
■テーマ:スポーツパフォーマンス向上と傷害予防のためのConstraints-Led Approachの理論と実践

「部分最適」と「全体最適」の問題

部分最適とは「特定の問題に対して一部分のみが最適化されている状態」のことを指し、例えば、リハビリテーションで足関節や股関節が改善・最適化された状態がそれにあたります。
対して、全体最適は「選手や患者の身体パフォーマンス全体として最適な状態」を指します。

問題は、部分最適されたからといって全体最適されるわけではないということです。
身体パフォーマンスで考えた場合、各関節や体幹の強さが最適化されても選手のパフォーマンスは全く変わらないケースもあります。
その事実を認識すると、トレーニングやリハビリテーション根幹の考え方を変えなければならないことがわかります。

制約主導アプローチ

反復のない反復

反復において完全に同じ動作は存在しません。
安定したパフォーマンス結果には、動作の安定性と変動性が重要です。
動作の安定性と変動性の組み合わせによって動作のコツを掴めるようになります。
そのため同じ動作を繰り返しおこなうのではなく、少しだけ変動性を加えて繰り返すアプローチが必要になり、この変動性の掛け方が制約主導アプローチにおいて非常に重要になってきます。

同じ運動結果を出すために必要なこと

野球で例えると、コントロールの良いピッチャーはいつも同じところでリリースしているかというとそうではありません。
コントロールの悪いピッチャーはリリースポイントが一定で、コントロールの良いピッチャーはリリースポイントがバラバラであったという研究結果も出ています。
例えば、マウンドの傾斜や気温など環境が変わっていなくても、自分自身の疲労が加わるため1球目と100球目では動き方が異なってきます。
そのような疲労という生体制約下で同じ結果を出し続けるには、自ずと1球目のリリースポイントと100球目のリリースポイントは違ってくるということです。

同じ結果を出すためには、さまざまな動作ソリューションを身につけなければなりません。
「同じ運動結果を出すために、異なる複数の解決方法を持つ」これこそが環境変化に柔軟に対応し、いつもハイパフォーマンスを出せるクライアント・患者の共通した特徴です。
適応性、制約、変動性を考察していくアプローチが制約主導アプローチの根源的な考え方になります。

トレーニングを競技パフォーマンスに転移させるには?

トレーニングで強化したことは、競技パフォーマンスに勝手に出現するものではなく「種まき」が必要です。
そのためには、トレーニングを競技パフォーマンスに転移させるために何が必要なのかを学ぶ必要があります。

例えばサッカーの「ジャンピングボレーシュート」の練習は、「垂直跳び」と「シュート」のトレーニングを別々にやっても上手くならないことは理解いただけるかと思います。
「ジャンピングボレーシュート」は「ジャンピングボレーシュート」の練習をしないと上手くなりません。
前述の通り、競技パフォーマンスを上げるためにおこなうトレーニングを分解しすぎてしまうと、結果パフォーマンスは変わらないケースもあるため、どの程度分解するのかを見極めることがポイントになります。
細かく分解した部分最適のトレーニングが必要なケースもたくさんありますが、目的を「競技パフォーマンスの向上」とするならば、この考え方が非常に重要です。

今回は、10月18日(金)〜20日(日)に行われるパフォームベジャパンサミット2024でも講師を務めていただく桂 良太郎さんのご講演内容の一部をご紹介いただきました。
サミットでは講義に加え、実技の時間もございます。より深掘りした内容が気になる方はぜひお申し込みください。
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